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遺伝子編集で絶滅危惧種を救う!ディアウルフ復活が火をつけた生命工学ブーム:次の主役は現存する希少種だ

遺伝子編集で絶滅危惧種を救う!ディアウルフ復活が火をつけた生命工学ブーム:次の主役は現存する希少種だ

2025年07月19日 01:32

「遺伝子レスキュー」が開く絶滅危惧種保全の新章

地球規模で生物多様性が失われつつある今、最新のゲノム工学が“最後の切り札”として浮上している。2025年7月に発表された英イースト・アングリア大学(UEA)など国際研究チームの展望論文は、失われた遺伝的多様性を歴史標本から呼び戻し、絶滅危惧種を未来へ繋ぐ具体策を提示した。Phys.org


本稿ではその科学的背景を整理しつつ、SNS上の賛否、経済・倫理的課題、政策動向まで多角的に検証する。



1. ゲノム工学×生物多様性──論文のキーメッセージ

論文が提案する「遺伝子レスキュー」は、①過去標本からの失われた変異の復元、②近縁種由来の適応遺伝子導入、③集団崩壊で固定した有害変異の置換──の三本柱で構成される。Phys.org


チームは “ピンクバト(Pink Pigeon)”をモデルに、個体数回復後も**ゲノム侵食(genomic erosion)**が続く実態を解析。百年スパンでの絶滅リスクも示され、「保全=頭数増強」に留まらない遺伝的回復の必要性を訴えた。Phys.org



2. ピンクバトに見る〈希望と限界〉

モーリシャス固有種ピンクバトはわずか10羽から600羽超へと増えた“保全成功例”とされてきた。しかし最新ゲノム解析では、個体群が依然として有害遺伝子負荷15.13LEsを抱え、繁殖率の停滞が顕在化している。Nature


研究者らは博物館標本や冷凍組織バンクに保存された“過去の遺伝子”を導入することで、将来の病原体や高温環境に耐える遺伝的備えを整えるプランを提示した。Phys.org



3. 技術的ハードル:オフターゲットとモニタリング

CRISPR/Cas9など精密編集技術は農業で既に商業化されているが、野生動物への大規模適用はオフターゲット変異や生態系への二次影響など未知数が多い。論文は段階的な小規模試験と長期モニタリング枠組みを必須条件に挙げ、地域社会や先住民との対話プロセスも盛り込んだ。Phys.org



4. SNSの温度差:歓喜から倫理不安まで

公開直後、研究所公式X(旧Twitter)やLinkedInでは「#GeneRescue」「#ConservationTech」タグが拡散し、Colossal Biosciencesの研究者が「鳥類ゲノムに新章が開く」と投稿。LinkedIn


一方、フォーラムサイトFishForumsでは「技術万能論は生息地破壊の免罪符になりうる」と慎重論が噴出。Fish Forum


FacebookグループEvolutionary Psychology Newsには「生物進化の自然過程に人為的介入はどこまで許されるか?」との長文スレッドが立ち、シェア数は24時間で5,000超を記録した。Facebook



5. ディアウルフ“復活”の余波――テクノロジー熱と政治

Colossal Biosciencesがディアウルフ仔を誕生させたというニュースは、SFを現実にするポジティブ事例として一部SNSで喝采を浴びた。People.com


だが専門家は「デ・エクスティンクション(復活)と遺伝子レスキューは同列ではない」と指摘。新種投入が保全予算を奪うとの懸念も根強い。さらに米政府高官が「技術革新を盾に絶滅危惧リスト見直し」を示唆したことで、保全政策とバイオ技術の政治利用リスクが浮上している。The Washington Post



6. 倫理・社会受容性:誰が決める「未来の自然」か

Science Media Centre New Zealandの専門家パネルは、「マオリなど先住民族の世界観を無視したゲノム介入は文化的持続性を損なう」と強調。sciencemediacentre.co.nz


また、SNS上では**“遺伝子ハッカー”への規制強化**を求める署名が6万件を突破。規制が過度に厳格化すれば、学術研究までも萎縮する恐れがある。テック業界と政策立案者、地域コミュニティの“三角協議”が不可欠だ。



7. 経済性と投資――「命」を支えるビジネスモデル

ゲノム保全の試算コストは1プロジェクト数百万~数千万ドル。農業分野で蓄積したCRISPR試薬の低廉化が追い風となり、ベンチャー投資が急増している。Colossalは昨冬シリーズCで2億ドルを調達し、ピンクバトやドードーの“遺伝的再野生化”にも資金を振り向けると発表した。CRISPR Medicine


しかし市場リターンが不透明な「公共財」ゆえ、官民連携の長期資金メカニズムが鍵となる。



8. 日本への示唆:ヤンバルクイナ、トキ、そして…

国内でも沖縄・ヤンバルクイナや佐渡のトキが「数は増えたが遺伝的多様性が乏しい」典型例とされる。
研究チームは論文で、国立博物館のコレクションを活用した“凍結遺伝子銀行”の世界的ネットワーク設立を提唱。日本の標本資産を活かす途も開ける。



9. 実装へのロードマップ

  1. リファレンスゲノム整備

  2. 倫理審査&ステークホルダー対話

  3. ラボ検証→閉鎖飼育個体群での試験編集

  4. モニタリング・データ共有プラットフォーム

  5. 生息域外保全と生息域内放鳥・放獣の統合計画
    これらを段階的に回す「適応的マネジメント」が求められる。



10. 終章──遺伝子の“再野生化”は夢か必然か

20世紀は“種を守る”百年だった。21世紀は“遺伝子を守る”世紀となるかもしれない。技術は急進的だが、その価値を決めるのは社会だ。遺伝子レスキューは「未来の生態系を私たちが共同でデザインする」行為と言える。


科学的厳密性・倫理的包摂・公共的透明性――この三位一体が揃ったとき、ピンクバトの羽ばたきは「失われた多様性が戻る」世界のスタンダードになるだろう。



参考記事

遺伝子編集は絶滅危惧種を救うための画期的な解決策を提供する
出典: https://phys.org/news/2025-07-gene-solution-endangered-species.html

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