メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

フリーランス経済が全米30都市で拡大中 — 自由か安定か、SNSで揺れる「フリーランス大国アメリカ」の現在地

フリーランス経済が全米30都市で拡大中 — 自由か安定か、SNSで揺れる「フリーランス大国アメリカ」の現在地

2025年12月05日 09:22

「フリーランス経済」が全米30都市で拡大中

――ラスベガスとナッシュビルが“稼げる街”の新主役に


景気の先行きが読めず、リモートワークとリストラが同時進行する2020年代後半。そんな不安定な環境の中で、アメリカ都市部で静かに勢力を伸ばしているのが「フリーランス経済」です。


オンライン仕事マーケットプレイス大手のFiverrが発表した最新の「Freelancer Economic Impact Report」によると、アメリカの主要30都市すべてで、ここ1年のあいだに独立して働くプロフェッショナルが増加しました。推計では、全米には約690万人の“スキル系フリーランス”がおり、そのうち約400万人がトップ30都市に集中していると言います。GlobeNewswire


しかも「どこで働くか」の地図も書き換えられつつあります。これまでITやクリエイティブ系の仕事といえばサンフランシスコやニューヨークが真っ先にイメージされましたが、今もっとも勢いがあるのは、ラスベガスやナッシュビル、マイアミ、オーランドといった“サンベルト(Sunbelt)”と呼ばれる温暖な都市圏です。GlobeNewswire



主要30都市すべてでフリーランス人口が増加

レポートは、米国センサス局の「Nonemployer Statistics(従業員を雇わない事業者の統計)」や数百万件の確定申告データを分析し、2019〜2024年における独立プロフェッショナルの規模と収益を推計しています。GlobeNewswire


その結果見えてきたのは、「減っている都市は一つもない」という事実でした。


パンデミック期には、サンフランシスコやサンノゼのようなテック拠点でフリーランス数が一時的に落ち込んだものの、直近1年では30都市すべてで再び増加に転じています。全米のスキル系フリーランスは前年比4.3%増。ここ数年で、企業側のフリーランス活用も260%増とされ、プロジェクト単位で人材を確保する動きが一気に加速していることがわかります。GlobeNewswire


とくに増加率が高かったのは、オーランドとマイアミ(ともに+32%)、ナッシュビル(+24%)、ラスベガス(+22%)、サンアントニオとダラス(いずれも+20%)といった都市。かつては観光・エンタメ・カントリーミュージックの街、といったイメージが強かった場所が、今や「フリーランスの稼ぎ場」として存在感を増しています。GlobeNewswire



「一番稼げる街」はどこか?

ラスベガス&ナッシュビルの逆転劇


レポートで特に目を引くのは、「平均収入ランキング」です。
フリーランスの年間平均収入がもっとも高かったのは、なんとラスベガスの62,083ドル(約900万円※)、続いてナッシュビルが61,569ドル、ロサンゼルスが61,303ドル。GlobeNewswire


一方、最下位のミネアポリスは38,871ドルで、その差は約60%。主要30都市の平均は52,002ドルで、米国全体の平均よりも5,700ドル以上高い水準にあります。GlobeNewswire


かつて「ラスベガスで夢を見る」と言えば、カジノやショーに挑むアーティストの物語でした。しかし今、そこで安定した収入を得ているのは、オンラインでクライアントを抱えるデザイナー、マーケター、エンジニア、クリエイターたちです。レポートには、マイアミ在住のフリーランス音楽プロデューサーの声も紹介されており、「太陽の下で、世界中のクライアントと仕事ができるのがフリーランスの魅力だ」とコメントしています。GlobeNewswire


※為替は便宜上約145円/ドルで換算。



3つの都市クラスター:どこで何が起きているのか

Fiverrは、30都市のフリーランス経済を特徴ごとに9カテゴリに分類していますが、なかでも注目すべきは次の3つのクラスターです。GlobeNewswire

  1. Sunbelt Professional Havens(サンベルト・プロフェッショナル拠点)

    • マイアミ、オーランド、タンパ、ジャクソンビル、フェニックスなど

    • 過去5年間で独立プロフェッショナル数・収入ともに最速の成長を記録

    • 暖かい気候、所得税の低さ、生活コストのバランスなどが、移住先としての魅力を押し上げていると考えられます。

  2. Lone Star Boomtowns(ローンスターブームタウン)

    • ダラス、ヒューストン、サンアントニオといったテキサスの大都市

    • フリーランス数の成長率で2位、収入成長で3位

    • 人口構成が若く、多様性に富み、人口の35歳未満比率が他都市より高い点が特徴です。

  3. Rising Tech Hubs(新興テックハブ)

    • オースティン、デンバー、アトランタ、シャーロット、ローリー、リッチモンド、ソルトレークシティなど

    • フリーランス数の成長で3位、収入成長で2位

    • シリコンバレー一極集中からの“分散”が進み、比較的小規模な都市がテック人材の新たな受け皿になりつつあります。


これらの都市に共通しているのは、「企業の拠点があるから人が集まる」のではなく、「人が住みたい場所に仕事がついてくる」構図が強まっていることです。フリーランスプラットフォームを通じて、クライアントは世界中に分散し、住む場所はどんどん自由になっていると言えるでしょう。



どんな職種がフリーランスになっているのか

レポートでは、独立プロフェッショナルを大きく3つの分野に分類しています。GlobeNewswire


  • プロフェッショナルサービス系(法律、会計、マーケティング、経理、経営コンサル、ビジネスサポートなど)

    • 約350万人で全体の51%

    • 収益も全体の48%を占め、フリーランス経済の“屋台骨”となっています。

  • テクニカルサービス系(建築、IT、デザイン、エンジニアリング、データ処理、科学技術サービスなど)

    • 約180万人で26%

    • 収益シェアは36%と高く、高付加価値な領域です。

  • クリエイティブサービス系(アーティスト、映像・音楽制作、ライター、パフォーマーなど)

    • 約150万人で22%

    • 収益シェアは16%ですが、ブランドやコンテンツの価値づくりという意味では影響力の大きいグループと言えます。


この数字から見えてくるのは、「フリーランス=クリエイターやインフルエンサーだけ」というイメージはすでに時代遅れだということです。むしろ税務、経理、マーケティング、ITインフラといった“ビジネスの基盤を支えるプロ”こそが、フリーランス市場のボリュームゾーンになっています。



SNSでの反応:#自由か不安か

今回のレポート内容は、X(旧Twitter)やLinkedInなどのSNSでもさまざまな議論を呼んでいます。


  • ポジティブ派:自由と選択肢を歓迎
    「もう一つの給料に頼らない働き方が現実的になってきた」「会社のリストラに怯えるより、自分のクライアントを増やした方が安心」という声が目立ちます。
    特に、ラスベガスやマイアミなど“稼げる都市”に住むユーザーからは、「地方でも世界を相手に仕事できる」「好きな街に引っ越しても収入が落ちなかった」といった体験談がシェアされています。ハッシュタグでは #FreelanceLife や #DigitalNomad に混じって、最近は #SecondJob や #SideHustle といったキーワードも多く見られます。

  • ネガティブ派:社会保障と安定への不安
    一方で、「年金や健康保険、失業保険などのセーフティネットが弱いままフリーランスが増えるのは危険では?」という懸念も根強くあります。
    とくに30〜40代の子育て世代からは、「住宅ローンの審査が厳しい」「収入が変動すると教育費の計画が立てづらい」といった現実的な悩みが多く投稿されています。また、AIの急速な進化による「仕事の単価下落」や「案件の奪い合い」を心配する声も少なくありません。

  • 企業側・クライアントの視点
    スタートアップや中小企業の経営者たちは、「必要なスキルを必要な期間だけ確保できるフリーランスは、景気の不安定な時代には理にかなう」と評価するポストを発信しています。
    一方で、「優秀な人材はどこからも声がかかるため、長期的なリテンションが難しい」「チームカルチャーの醸成が難しくなる」といった悩みも語られています。


SNS上の議論を眺めると、「自由vs安定」「自律vsセーフティネット」といった対立軸が浮かび上がります。フリーランス経済が拡大するほど、そのバランスの取り方が社会全体の課題になっていきそうです。



日本への示唆:副業解禁と地方移住の延長線上にある未来

このレポートはアメリカのデータに基づくものですが、日本の読者にとっても他人事ではありません。


日本でも大企業の副業解禁が進み、クラウドソーシングやスキルシェアサービスが広く浸透しました。すでに「会社員+フリーランス」の複業スタイルを選ぶ人は増えています。コロナ禍以降のリモートワーク定着や地方移住ブームを考え合わせると、数年遅れでアメリカに近い構造が現れても不思議ではありません。


  • 都市部のフリーランス人口が増え、

  • “稼げる地方都市”がいくつか生まれ、

  • 会社員・フリーランス・複業フリーランスが混在する社会――。

そんな未来が、すでに見えつつあります。



個人はどう備えるべきか?

フリーランス経済の拡大は、単に「働き方が多様化する」という話にとどまりません。
企業にとっては、人材戦略とコスト構造の見直し。行政にとっては、税制や社会保障の再設計。個人にとっては、「キャリアを会社に預けっぱなしにしない」という意識改革が求められます。


これからフリーランス、あるいは複業としての独立を視野に入れる人にとっては、次の3点が重要になってくるでしょう。

  1. スキルの“言語化”とポートフォリオ化
    何ができるのかを「職務経歴書」だけでなく、実績・作品・数値で示せるかどうかが、オンラインでの受注力を左右します。

  2. コミュニティとネットワーク
    不安定さを補うのは、スキルだけではありません。同業者コミュニティや、信頼できるクライアントとのネットワークが、案件紹介や情報共有の源泉になります。

  3. マネー・リスク管理
    収入の変動を前提に、生活費と事業費を分け、税金や保険、老後資金を設計することが欠かせません。フリーランス向けの共済や保険商品などを活用しながら、自分なりの「プライベート・セーフティネット」を組み立てる必要があります。



まとめ:働き方の「主役」が変わる時代へ

Fiverrのレポートが示したのは、「フリーランスが経済の片隅の存在ではなく、すでにGDPの1%以上を生み出すプレイヤーになっている」という事実です。主要30都市だけでも、独立プロフェッショナルの年間売上は2,080億ドル(約30兆円)に達します。GlobeNewswire


かつて「安定した会社に入ること」が人生のゴールだった時代から、「スキルとネットワークを武器に、自分でキャリアを設計する」時代へ。
ラスベガスやナッシュビルから届く数字は、その変化がすでに現実のものになっていることを教えてくれます。


日本でも同じ波が押し寄せるのは時間の問題です。今からできる一歩は何か――。


フリーランスになるかどうかは別として、「会社の名刺がなくても通用する自分」を少しずつ育てていくことが、これからの不確実な時代をしなやかに生き抜くための最善の準備なのかもしれません。



参考記事

フリーランス経済が労働力と経済の変動の中で成長し、アメリカの主要都市全体に拡大
出典: https://www.aktiencheck.de/news/Artikel-Freelance_Economy_Grows_Amid_Workforce_and_Economic_Volatility_Expanding_Across_Every_Major_U_S_City-19268549

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.