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肥料価格の高騰が生産者の利益を圧迫、回復を遅らせる可能性も──ブラジル発の波乱が示す「次の物価リスク」

肥料価格の高騰が生産者の利益を圧迫、回復を遅らせる可能性も──ブラジル発の波乱が示す「次の物価リスク」

2025年09月22日 18:03

1. 何が起きているのか:ブラジルで肥料が「また」高い

南米最大の農業大国ブラジルで、肥料価格が再び上振れし始めています。現地報道によれば、供給のタイト化と自国通貨レアルの下落が重なり、輸入依存度の高い肥料コストが上がって生産者のマージンを直撃。新シーズンの作付け開始に合わせて、圃場の財布事情はいっそう厳しくなっています。InfoMoney


ポイントは二つ。第一に、肥料は農家のコスト構成の中でも最も重い比率を占める品目の一つであること。第二に、肥料価格の変動が「翌季以降」の投入量や収量、ひいては世界の穀物価格に波及しやすいことです。足元の押し上げは、収益の回復軌道を遅らせる可能性があります。InfoMoney



2. 上昇ドライバー:原料、政策、為替の“三重苦”

  • 原料の反転:アンモニアや硫黄など基礎原料の上昇が、窒素系・リン酸系肥料のコストに波及。プラントの停止・メンテナンスや産ガス国の供給制約が背景にあります。revistacultivar.com

  • 貿易・政策リスク:2025年も世界の肥料貿易は“政策主導型”。中国は年初に尿素・リン酸肥料の輸出を絞り、7月に一部緩和したものの、方針転換が不意打ちになりやすく、国際市況の不確実性を高めています。FB.org

  • 地政学と制裁:ロシアは世界の肥料供給で大きな比重を占め、米国の二次制裁が発動されれば、ラテンアメリカの農業に混乱をもたらす懸念があります。ブラジルは肥料の約3割をロシアに依存しており、調達リスクが意識されやすい構図です。Reuters

  • 為替の逆風:輸入比率の高い国では、自国通貨安がそのままコスト増に。ブラジルではレアル安が肥料の着値を押し上げ、国内価格を引き上げています。InfoMoney



3. なぜ今、ブラジルの肥料が日本に関係あるのか

ブラジルは大豆・トウモロコシ・砂糖などの「世界の供給基地」。そこで施肥が削られたり、作付けが慎重化すると、世界の農産物供給に遅行的な影響が及びます。結果として日本の輸入食品価格や飼料コストに跳ね返りやすく、家畜・加工食品の価格改定圧力につながりかねません。さらに日本国内でも、燃料・電力・資材のインフレや円安が重なると、農業生産のコスト構造がじわりと上向きやすい状況が続きます(とくに窒素系はエネルギー価格の影響が大きい)。



4. 需給の現状:量は入っているが、値段は“高止まり気味”

皮肉なのは、数量ベースでは輸入が過去最高水準に到達している点です。2025年の累計でブラジルの肥料輸入は過去最高を更新するペースで、8月末時点で前年比+8.8%の2,420万トンに。量は確保できても、価格と為替の逆風で「コスト改善に結びついていない」現実があります。news.agropages.com


また、年後半は例年、需要の季節性でリン酸・カリ系の調達が増えやすい時期。2025年はこの季節性と、弱含む穀物市況・高金利・原料高が“悪い形”で同時に来て、マージンをさらに圧迫しています。stonex.com


(補足)一部の週次では国際相場が軟化した局面も観測されていますが、総じて不確実性が強く、下落は持続しにくいとの見方が多い状況です。アグロリンク



5. 収益への影響:回復の「遅れ」を織り込む

Rabobankによれば、生産者マージンの圧迫は2027年頃まで続くシナリオも想定されています。背景は、肥料など運転コストの上昇と農産物価格の弱さの組み合わせ。昨季と比べ、施肥コストは約10%増との推計も紹介されており、作付け判断が慎重化するリスクがあります。revistacultivar.com.br+1



6. 中長期の構造:自給回復は進むのか

ブラジルは肥料の輸入依存が8割超とされ、国内生産の再建が政策課題。国営石油会社ペトロブラスは休止中の窒素肥料プラント再稼働に向けた入札準備を進める一方、リース先との仲裁や採算問題が立ちはだかっています。短期での供給増は読みづらく、当面は外部ショックに脆弱な構造が続きます。Reuters+1



7. 日本の調達・価格にどう響くか(実務視点)

  • 輸入食品・飼料価格:ブラジル発の供給伸び悩みやコスト高は、遅れて国際相場に波及。日本の川下(食肉・乳製品・加工食品)にコスト転嫁が発生しやすい。

  • 国内生産資材の上振れ:窒素系(尿素・硝安)はエネルギー価格の影響が大きく、国際ガス価格やアンモニアの動きに要注意。revistacultivar.com

  • 為替のダブルパンチ:円安は日本の輸入調達にも逆風。円・レアル・ドルの三角関係で割高を被る局面も。



8. 生産者・実需家のためのリスク管理チェックリスト

① 調達・価格ヘッジ

  • 期先の分散発注と数量ロットの小刻み化で価格タイミングを分散。

  • 主要品目(尿素、MAP、DAP、カリ)と**為替(USD/JPY)**のヘッジ方針をカレンダーで可視化。



② 技術的アプローチ

  • 土壌診断を前提にした適正施肥(不足要因にだけ効く投入)。

  • 可溶性や粒径の異なる資材を組み合わせ、吸収効率を改善。

  • 被覆尿素、緩効性肥料、硝化抑制剤などの利用でロスを低減。

  • **有機質・副産資材(堆肥、バイオスティミュラント)**の補完的活用。



③ 共同購買・在庫管理

  • 生協・JA・地域コンソーシアムでの共同調達や引取条件の統一。

  • ピーク期を外した前倒し調達と保管スペースの確保。


④ 資金繰りと金利対策

  • 高金利局面では回転日数の短縮と資金繰り表の週次更新。

  • 在庫評価損益の見える化で、仕入れタイミングの意思決定を迅速に。


⑤ 作付けポートフォリオの最適化

  • 肥料反応の高い作物・品種に重点投資し、限界収益の高い区画から優先施肥。

  • 価格連動契約(作柄連動・指値成行の組合せ)で収益のブレを平準化。



9. 価格の先行指標を見る(モニタリング項目)

  • アンモニア・硫黄の国際指標(中東FOB、北米湾岸)の動き。revistacultivar.com

  • 中国の肥料輸出政策(輸出枠・検査強化・通関スピード)。FB.org

  • ロシア関連の二次制裁シナリオとBRICS圏の貿易ルート。Reuters

  • ブラジルの輸入数量と港湾在庫(過去最高水準の推移)。news.agropages.com

  • ブラジルの国内生産・設備再稼働の進捗(ペトロブラス案件)。Reuters



10. まとめ:見えにくい“次の物価リスク”に備える

肥料は「食料の原材料の原材料」。足元の上昇は、各国通貨や政策の揺らぎと結びついて、世界の食料価格の下押し力を奪いかねません。ブラジル発の動きは日本の食卓にも波及し得るため、当面は調達の分散・技術的省力化・資金管理を三位一体で進める局面です。市況の小幅な軟化に振らされず、複数の先行指標をウォッチして次の手を準備しておきましょう。InfoMoney+2stonex.com+2



参考記事

肥料価格の高騰が生産者の利益を圧迫、回復を遅らせる可能性も
出典: https://www.infomoney.com.br/economia/alta-nos-fertilizantes-espreme-margens-dos-produtores-e-pode-atrasar-recuperacao/

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