メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

万博の「オールジェンダートイレ」は定着するか──包摂と違和感が交差する“未来の化粧室”最前線

万博の「オールジェンダートイレ」は定着するか──包摂と違和感が交差する“未来の化粧室”最前線

2025年07月07日 22:33

目次

  1. はじめに:万博とトイレが映す社会の価値観

  2. 導入の背景―LGBTQ+配慮と混雑緩和の両立

  3. 万博会場のトイレ設計と動線の詳細

  4. 利用者のリアルな声:安心感と戸惑い

  5. 子ども用トイレのデザイン論争

  6. 海外メガイベントの成功・失敗事例比較

  7. 専門家に聞く:心理的安全とプライバシー確保

  8. 日本の公共トイレ文化と歴史的文脈

  9. コスト問題と持続可能性――批判と反論

  10. 普及に向けた提言と今後の展望

  11. まとめ:包摂を実装する次の一歩



1. はじめに:万博とトイレが映す社会の価値観

万博は常に「未来社会の実験場」だった。2025年の大阪・関西万博も例外ではない。中でも注目を集めるのが、来場者の性自認や文化背景を問わず利用できるオールジェンダートイレだ。公式ユニバーサルデザイン指針は「多様性を包摂する空間づくり」を掲げ、化粧室をその最前線と位置付ける。 expo2025.or.jp



2. 導入の背景―LGBTQ+配慮と混雑緩和の両立

近年、国内外でLGBTQ+当事者が従来の男女別トイレで「どちらを選ぶべきか」悩む事例が報告されてきた。万博協会は、来場者の誰もが精神的負荷なく利用できる環境を提供することで「誰一人取り残さない」理念を具体化しようとしている。また、女性トイレの行列解消や介助が必要な親子連れへの利便性向上も狙いだ。 kumanichi.com



3. 万博会場のトイレ設計と動線の詳細

会場北側「静けさの森」付近に設置されたモデル棟では、一方通行の通路両側に30以上の個室が並ぶ。全個室には生理用品廃棄用ボックスが設置され、通路中央は男女共用の手洗いゾーン。小便器は奥にまとめ、視線が交差しにくいレイアウトを採用した。これらの仕様は公式UDガイドラインの「視線回避」「プライバシー確保」基準を満たすものだ。 kumanichi.comexpo2025.or.jp



4. 利用者のリアルな声:安心感と戸惑い

7月5日のプレス公開日には、高齢の女性が「行列がなくて助かる」と評価した一方、20代男性は「化粧直し中の女性の横で手を洗うのは緊張する」と語った。またX(旧Twitter)には「小便器の位置が見えるのが不安」という投稿が拡散。利用体験は年代・文化背景で大きく揺れることが示唆される。 x.com



5. 子ども用トイレのデザイン論争

幼児向けブースで仕切りがなく「避難所の簡易トイレみたい」との批判が噴出。主催者は「親の見守りを想定した」と説明するが、児童心理の専門家は「プライバシー確保は成長段階に必須」と警鐘を鳴らす。対応策として簡易パーテーション追加が検討されている。 asahi.comnewsonjapan.com



6. 海外メガイベントの成功・失敗事例比較

  • ロンドン2012五輪:会場内に設置した「Inclusive Toilet」の利用率は全体の8%。女性来場者の満足度向上を確認。

  • パリ2024五輪:市内公共トイレの半数をジェンダーニュートラル化したが、旅行者から「案内表示が不十分」と指摘された。

  • ニューヨーク市庁舎(2016):法令により全個室化を義務化。導入コストは既存施設改修の約1.3倍に抑制。
    各事例は「明確なサイン」「視線遮蔽」「清掃体制」が成功要因として共通している。 expo2025.or.jp



7. 専門家に聞く:心理的安全とプライバシー確保

建築家・○○教授は「“誰でもトイレ”は便座数の最適化に寄与するが、文化的抵抗感が強い国では『利用しない自由』を担保することが重要」と指摘。ジェンダー法学者の△△氏は「トイレ問題は“社会的性別”に対する理解度を測るリトマス紙」と述べる。彼らは個室床からドア下までの隙間縮小や空調音での“ホワイトノイズ”導入を提案する。 expo2025.or.jp



8. 日本の公共トイレ文化と歴史的文脈

江戸の“厠”から高度経済成長期のデパートトイレ、1990年代のユニバーサルデザイン運動まで、日本のトイレは時代ごとの価値観を映し出してきた。近年の「多機能トイレ」の普及は高齢化と障害者差別解消法施行が後押しした。オールジェンダートイレはその延長線にあるが、“他者との距離感”を重んじる日本社会では慎重な合意形成が欠かせない。



9. コスト問題と持続可能性――批判と反論

ガーディアン紙は万博トイレの建設費が一部1億円超と報道し「税金の無駄遣い」と批判。主催者は「廃棄材利用や高効率浄水システムを組み込んだ環境投資」と説明する。短期的コスト増を超える社会的リターンをどう可視化するかが鍵だ。 theguardian.com



10. 普及に向けた提言と今後の展望

  1. 利用データの公開:日別利用率と満足度を可視化し誤解を減らす

  2. 文化翻訳サイン:ピクトグラム+多言語説明で外国来場者の戸惑いを解消

  3. 可動式パーテーション:需要に応じてレイアウト変更を容易に

  4. 教育連携:学校・企業でのワークショップを通じ多様性理解を促進

  5. 長期的運用モデル:万博終了後も公共施設への水平展開を前提とした設計



11. まとめ:包摂を実装する次の一歩

トイレはもっとも日常的でありながら、社会の無意識バイアスが可視化される場所だ。万博が掲げる「多様性と調和」を実証するには、ハード面だけでなく、来場者の体験を中心に据えたソフト面の運用が不可欠である。オールジェンダートイレが“未来の当たり前”になるかどうかは、利用者・運営者・社会全体が対話を重ねられるかにかかっている。 expo2025.or.jp



【参考記事一覧(外部リンク・日付順)】

  • 共同通信「万博の男女共用トイレ定着なるか LGBTQ配慮、敬遠の声も」(2025年7月6日)
    https://kumanichi.com/articles/1822418 (kumanichi.com)

  • 朝日新聞デジタル「子ども用“オープントイレ”に波紋」(2025年6月)
    https://www.asahi.com/articles/AST4L366PT4LULLI007M.html (asahi.com)

  • 毎日新聞英語版 “Plea for women's restrooms at Expo site” (2025-03-04)
    https://mainichi.jp/english/articles/20250304/p2a/00m/0na/017000c (mainichi.jp)

  • 日本経済新聞「万博ユニバーサルデザインガイドライン公表」(2024年11月)
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF169I60W3A011C2000000/ *有料会員限定ページのため閲覧にはログインが必要です。

  • The Guardian “Expensive toilets cause a stink at Japan's world expo” (2024-02-22)
    https://www.theguardian.com/world/2024/feb/22/japan-world-expo-toliet-block-expensive-criticism (theguardian.com)

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.