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デジタル経済は誰の味方か — 口座ネットワークと人間の判断を守れ

デジタル経済は誰の味方か — 口座ネットワークと人間の判断を守れ

2025年09月30日 00:15

イントロ:便利さが極まるほど、犯罪は“最適化”される

ブラジルでは、即時決済「PIX」をはじめとしたデジタル金融の普及が経済の効率を押し上げる一方、犯罪も高度化・高速化した。InfoMoneyが紹介した最新の不正動向によれば、2025年上半期の金融不正“兆候”は130万件に達し、前年同期比で12%増。「オレンジ口座(conta laranja)」と呼ばれる“受け皿口座”が年率38%で急増、SNSやメッセージアプリを使った社会工学的な詐欺も29.5%増えたという。逆に、カードやPIXの“取引そのもの”を狙う従来型の不正は3.8%減少。犯罪の重心が“人”と“口座網”へ移っていることが読み取れる。 InfoMoney


センター・ピース:オレンジ口座の実像

オレンジ口座とは、①正規に開設された本人名義の口座を第三者が買い取り・借用して不正資金の受け皿にする、②偽造・盗用IDで新規開設する——の二系統が主流だ。貸し出した本人も詐欺・資金洗浄・犯罪組織関与などで刑事責任を問われ得るため、「小遣い稼ぎ」のつもりが重大犯罪の一員になるリスクがある。ブラジルの銀行業界団体ABBCは全国キャンペーン「Tem Cara de Golpe(“それ、詐欺の顔してる”)」で“身分証を渡さない/口座を貸さない”を繰り返し訴える。 InfoMoney


レギュレーションの変化:疑わしきは“入金”させない

急増する受け皿口座に対し、ブラジル中央銀行(BC)は2025年9月に新方針を直ちに施行。10月13日までの移行期間を経て、銀行・決済事業者に対し「不正関与が疑われる宛先口座への支払いは拒否する」ことを義務づけた。照合には公私のデータベースや電子的情報も活用する。これは“送金先”で不正を水際封じ込めるアプローチで、従来の事後回収に先立つ一次防御となる。 InfoMoney


事後回収の強化:MED 2.0へ

さらにBCは、被害者の資金をブロック・返金する「特別返金メカニズム(MED)」の機能拡張を段階導入。2025年12月から任意参加、2026年2月に完全義務化というロードマップを示した。これにより、被害申告からの追跡・凍結が広範かつ迅速に。将来的には“本人になりすまし口座の開設”を事前にブロックする仕組みまで視野に入る。 InfoMoney


マクロの被害感:数字が物語る“デジタル時代の損失”

・2024年の「デジタル銀行詐欺+カード不正」の被害額は約101億レアル(Febraban集計)。“カンガッソ・デジタル(デジタル時代の山賊)”という物騒な言葉が公的議論に登場するほど、犯罪の産業化が進む。 InfoMoney
・「毎分4人がデジタル詐欺の被害に」という言い回しは、フォーラム・ブラジレイロ・デ・セグランサ・プブリカの調査が喚起した社会的認識だ。上院報道も、若年層から高齢層まで幅広い層で“オンライン化=被害ポテンシャルの普遍化”が進んだと記す。 InfoMoney


産業界の投資:安全は“コスト”ではなく“価値”

銀行連盟Febrabanは、2025年に技術投資48億レアルを見込む(前年比+13.5%)。検知アルゴリズムやデバイス指紋、取引ネットワーク分析など、金融機関側の“目”の解像度を上げる方向に資金が流れる。フィンテック側にも、本人確認(KYC)・不正対策(Anti-Fraud)をBC水準まで引き上げる圧力が及ぶ。 InfoMoney


SNSの空気:強化を歓迎、でも“返金できない焦り”も

 


規制・対策のニュースが出るたびに、X(旧Twitter)では賛否混じる反応が可視化される。PIXの返金強化(MED 2.0や返金ルールの拡充)に関する報道投稿には、「当然の一歩」「ようやく追いついた」と歓迎の声が寄せられる一方、「返金までが遅い」「口座ブロックの誤判定が心配」といった慎重論も目立つ。メディア各社のポスト(CNN Brasil、Jovem Pan、EXAMEなど)にぶら下がるリプライ欄を見ると、家族の“PIX乗っ取り”体験や、ボレト(払込票)詐欺に遭った個人の証言がスレッドの定番だ。 X (formerly Twitter)


また、著名インフルエンサーの“巨額PIX詐欺関与疑惑”での逮捕報(のちに釈放報道も)には、「有名人まで…」という驚きと怒りが渦巻いた。海外ではコロンビアの銀行協会が“PIXから学ぶべき点とリスク”を議論するなど、ラテンアメリカ全体がブラジルの成功と課題を注視している。 X (formerly Twitter)


なぜ今“人”なのか:AI時代の社会工学

AIで作られたディープフェイク音声・映像、生成文面は“本物らしさ”を劇的に高め、取引そのものの改ざんより“人の判断”を誤らせる攻めに回帰させた。企業防御の最前線も、トランザクション監視に加え、顧客接点・本人確認・端末プロファイルの総合リスク評価へと拡大している。国内外のレポートは、AIが防御と攻撃の両方の“倍率”になっている現状を指摘する。 CNN Brasil


企業・行政・個人の“実装チェックリスト”

企業(金融・EC・配達/C2Cプラットフォーム)

  • KYCの厳格化:本人確認の継続的更新(リスクベース)と、申請/照合ログの外部データ突合。

  • オレンジ口座対策:受取口座グラフの異常クラスタ検知(新設口座×短期高回転×新規デバイス集合)。

  • MED連携:被害申告→自動トリアージ→即時ホールドのSLA化。

  • フィッシング耐性:ドメイン・メタデータ監視とSMSショートコード運用の厳格化。


行政・規制

  • 送金“宛先”のルール整備(BCの新方針を核に、民間DBの相互運用を拡張)。

  • 事後回収の平準化(MED 2.0の全国的義務化に向けた行内手順の共通仕様)。 InfoMoney+1


個人(ユーザー)

  • 「口座を貸さない・書類を渡さない」は絶対原則。

  • 2要素認証の常時有効化、家族の“合言葉”運用で成りすまし通話に備える。

  • 中央銀行の「Registrato」で“自分名義の口座・与信」を定期点検。被害時は12時間以内の通報が回収の分水嶺。 InfoMoney


結語:成長と安全はトレードオフではない

デジタル化は明らかに経済の摩擦を減らした。だからこそ、不正の摩擦も一緒に減らす——その同時実装が次の競争力だ。ブラジルのケースは、“取引”を守るだけでなく“受け皿(口座網)”と“人の判断”を守る設計へ、規制・投資・市民教育が三位一体でシフトしていることを教えてくれる。



参考記事

デジタル変革は経済を促進するが、犯罪も助長する
出典: https://www.infomoney.com.br/minhas-financas/transformacao-digital-impulsiona-economia-mas-tambem-o-crime/

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