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『マリオカート』が鍛えるリアルな運転スキル ― ゲームがもたらす意外な安全効果

『マリオカート』が鍛えるリアルな運転スキル ― ゲームがもたらす意外な安全効果

2025年09月12日 02:28

Photo by Philip Terry Graham, CC0, via Wikimedia Commons


「レースゲームが運転を上手くする――?」そんな耳慣れない主張が、にわかに注目を集めている。BANG Showbiz Japaneseが伝えた話題のニュースによると、『マリオカート』を含むレーシングゲームを週10時間以上プレイする若年層は、実車に近いプロ仕様シミュレーターで“より安全に”走れたという。具体的には、あらかじめ用意した公道走行シミュレーションで“車線から外れていた時間”が少ない、という結果が示されたのだ。Nordot


何が「上手く」なったのか――研究の中身

今回の根拠になっているのは、学術誌 Journal of Clinical and Translational Science に掲載された研究。米ウェストバージニアの若年成人40人を、週10時間超プレイする“ハイ・ゲーマー”とそうでない“ライト・ゲーマー”に分け、同じ公道仕様のドライビング・シミュレーターで走らせて比較した。主な差は「レーンキーピング(車線維持)」で、ハイ・ゲーマーはライト・ゲーマーよりも“車線外にいた時間”が統計的に有意に短かった。一方で、速度超過やウインカー操作、違反・衝突などの項目は大きな差が出なかった点も強調されている。サンプルは大学生中心で規模も小さいが、既存研究(アクション/レース系ゲームの視覚運動制御向上や車線維持精度の改善)と整合的だ、と著者らはまとめている。Cambridge University Press & Assessment


BANG Showbizの紹介記事では、オンラインカジノ情報サイトの専門家コメントとして「適切なビデオゲームは、車線維持や速度制御、瞬時の判断力など安全運転の基盤となるスキルを磨く」という見解が引用されている。ただし、教習や交通法規の代替にはならないという但し書きも添えられていた。Nordot


SNSはどう受け止めた?

ニュース拡散と同時にX(旧Twitter)では賛否まじえた反応が並んだ。

 


「ワイのドラテクはマリオカートで培われてたのか( ◠‿◠ )」と、軽妙に“実感”を語るユーザー。X (formerly Twitter)

  • 「マジですかw」と半信半疑の声。X (formerly Twitter)

  • 「ガチあほ研究すぎて草。もっとリアルなレースゲーだと更に効果あるわけで」と、シミュレーターや“ゲームのリアリティ”の重要性を指摘する意見。X (formerly Twitter)

  • スマートニュース経由で「現実の運転技術向上に役立っていた」をシェアする投稿も目立ち、話題の広がりが見て取れる。X (formerly Twitter)


総じて、「分かる気がする」派と**「ラフな挙動のゲームで?本当?」派**で真っ二つ。とりわけ“ゲームの種類(リアル志向か、パーティ寄りか)”“比較の仕方(経験年数や実運転歴の影響)”“サンプル規模”あたりを疑問視する声が多かった。


なぜレースゲームで車線維持が良くなるのか

鍵になりそうなのは「視覚―運動制御」と「注意の分配」だ。過去研究では、アクション系ゲームの常連プレイヤーは視覚情報を素早く運動に結びつける力が高いこと、そして視野内の重要情報を素早く選り分ける能力が高いことが示されている。車線維持は、コーナリングでの視線移動や微妙なステアリング補正が求められる典型的な“視覚―運動制御タスク”であり、ゲームで鍛えた能力が転移しやすいのは理にかなう。PubMed


「安全運転が上手くなる」の誤解と限界

もちろん、ここから「ゲームをやれば事故が減る」と一般化するのは飛躍だ。今回の主要な差は“車線内にいる時間”のみで、速度管理や遵法行動が自動的に改善する証拠ではない。加えて、シミュレーター成績が道路上の安全運転にどれほど反映されるかも、コンテクストによって変わる。研究側も「標本が若年成人40人であること」「ゲームのジャンルを特定していないこと」「短時間の初回走行での比較にすぎないこと」を限界として明記している。Cambridge University Press & Assessment


それでも意味はある――現実への“活かし方”

  • 運転初心者の補助教材に:シミュレーター教習と並行して、“視線の置き方”“ライン取りの安定”といった感覚を身につけるために、短時間のレースゲーム練習をタスク化する。

  • eスポーツの“身体知”を可視化:コントローラの微小入力や視線移動を計測し、ドライビング・スキルの指標化に応用する。

  • 家庭での安全教育:親子で“速度よりライン”を意識するプレイを心がければ、ゲーム文化をポジティブに捉え直すきっかけになる。


いずれも、教習や交通法規の学習を置き換えるものではない。ゲームの効能は“可能性の芽”であり、正しく育てる設計(時間・タイトル・練習法)が必要だ。


“いま”の文脈:『マリオカート ワールド』で再燃する議論

今年、Nintendo Switch 2のロンチタイトルとして**『マリオカート ワールド』が登場し、シリーズ最大規模のレースや“フリーローム”など新機能が話題を集めている。ゲーム外の移動や撮影も楽しめる設計は、“運転を遊ぶ”**体験をより豊かにし、今回の研究トピックとも相性がいい。とはいえ、“パーティ的なカオス”と“教習的なリアリズム”の混成はあくまでエンタメ。論点を取り違えないバランス感覚が要るだろう。The Verge


結論

『マリオカート』のようなレースゲームは、“安全運転の土台”であるレーンキーピングに関してはポジティブな示唆を与える――ただし、それ以上でもそれ以下でもない。運転は総合格闘技のようなタスクだ。視覚―運動制御の強化は一手段にすぎず、最終的な安全は、道路交通法の理解、実路経験、状況判断、そして節度あるスピード管理が支える。ゲームはそれらを補助する良い練習台になり得るが、免許証の裏書きにはならない。期待はしつつ、誤解はしない――この距離感が健全だ。



主要出典

  • 『マリオカート』などのレーシングゲームと運転技術に関するニュース。Nordot

  • 学術研究:ビデオゲーム経験とシミュレーター走行性能(若年成人40人、車線維持の改善)。Cambridge University Press & Assessment

  • 関連する既存研究:アクションゲームと視覚―運動制御/レーンキーピングの関係。PubMed

  • 背景文脈:『マリオカート ワールド』の登場と話題。The Verge

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