iOS 26・macOS 26の新機能まとめ｜Appleが発表した最新アップデートとは？

1. はじめに――WWDC25の位置づけ

Appleは毎年6月に世界開発者会議（WWDC）を開催し、次期OSや開発ツールを披露してきた。今年は生成AI競争が激化するなか、「デザイン統一」と「AI強化」を二本柱に掲げ、市場の期待に応えた。ティム・クックCEOは冒頭で「Apple製品がもっともパーソナルで創造的な年になる」と宣言。ソフトウェア面での結束を強調する発表となった。

2. 新デザイン言語「Liquid Glass」とは

2013年のフラットデザイン導入以来最大のビジュアル刷新と位置づけられるLiquid Glassは、透過・屈折・リアルタイムレンダリングを用いてUIを“ガラス越し”の世界観で再構成する。Dock、サイドバー、ツールバー、アイコン、ウィジェット、通知などすべてが半透明化し、コンテンツへの集中度を高める狙いだ。ユーザーはアイコンをクリア調・ライト／ダーク調・カラーティント等に変更でき、開発者も新API経由で効果を自アプリへ適用可能。  

3. iOS 26：iPhone体験を再定義

3-1. インテリジェント機能

• ライブ翻訳：FaceTime・Phone・Messagesでリアルタイム音声／テキスト翻訳（日本語含む9言語）。会話は全てオンデバイス処理。

• ビジュアルインテリジェンス：画面上のオブジェクトを解析し、スクリーンショット経由で商品検索、チャット相談、カレンダー登録を提案。

• Genmoji & Image Playground：お気に入りの絵文字・写真を組み合わせ、AI生成スタンプを作成。

3-2. コミュニケーション機能

• Phoneアプリ刷新：Recents・お気に入り・留守電を統合し、Call ScreeningとHold Assistが迷惑電話と長時間待機を解消。

• Messages拡張：未知の送信者自動隔離、グループ投票、カスタム背景、Apple Cash送受信、入力中インジケータを追加。

3-3. カーライフ・エンタメ

• CarPlay Ultra対応、コンパクト着信、ウィジェット、Live Activities対応。

• Apple Musicは歌詞翻訳／発音サポート「Lyrics Pronunciation」、自動DJミックス「AutoMix」実装。

• Apple Walletは分割払いや搭乗券Live Activity、空港ナビを統合。

3-4. Apple Gamesアプリ

ゲームのカタログ・アップデート・フレンド活動を一元表示し、Apple ArcadeとGame Center体験を再編成した新ハブ。

4. macOS Tahoe 26：Macの“心臓部”を再強化

4-1. Liquid Glass in macOS

メニューバー全透明化、Dock半透過化で作業領域を広げ、フォルダやアイコンもカラー変更可能。

4-2. Continuityの深化

iPhoneのPhoneアプリがMacにネイティブ移植され、Call Screening・Hold Assistが利用可能。iPhone側Live ActivitiesはMacのメニューバーにミラー表示され、クリックでiPhone画面をピクチャ-イン-ピクチャ展開する。

4-3. Spotlight史上最大の進化

検索結果をカテゴリ横断で一括表示し、メール送信やノート作成など数百の“即時アクション”を直接実行可能。新フィルタリングUIでPDFや画像などの絞り込みも高速化。

4-4. Apple Intelligenceとショートカット

Live Translation、Genmoji、Image PlaygroundがMacでも利用可。ShortcutsはオンデバイスLLMに直接アクセスし、複雑な自動化が可能。

5. watchOS 26：手首からAIフィットネス

5-1. Workout Buddy

AIが心拍・距離・履歴を解析し、リアルタイムの音声コーチングを提供。英語でのペップトーク例：「あと18分でExerciseリングが完成！」など。

5-2. UIと操作性

Smart Stackがセンサー・行動履歴を学習し、文脈的ウィジェット「Smart Stack Hints」を表示。通知やアラームを手首をひと振りするだけで閉じられるジェスチャー操作を新搭載。

6. iPadOS 26・tvOS 26・visionOS 26 概要

• iPadOSはLiquid Glassデザインとマルチウィンドウ改良、フルファイルマネージャ統合で「準デスクトップ化」を強化。

• tvOSは再設計されたコントロールセンターとシネマ風ポスター表示、Liquid Glassインターフェースで没入感を向上。

• visionOS 26はVision Proのマルチアプリ展開を拡張、Personas（アバター）の写実性向上などを発表（Business Insider基調ライブレポートより）。

7. 開発者向けアップデート

XcodeはChatGPT統合でコード生成・リファクタリング・ドキュメント作成を支援。新Foundation Models FrameworkでサードパーティがApple Intelligence基盤を直接呼び出せるようになり、オンデバイス推論は無料。 

8. 対応機種・提供時期

• 開発者ベータ：6月9日配信開始

• パブリックベータ：7月公開予定

• 正式版：今秋（日本では例年通り9月〜10月の配信が見込まれる）

• ハード条件：iOSはiPhone 11以降、Apple IntelligenceはiPhone 16／15 Pro系およびM1以降のiPad/Macが対象。watchOSはSeries 6以降とUltra全機種。 

9. 日本ユーザーへの影響と活用ポイント

1. 多言語ライブ翻訳は国際通話や旅行時に便利。日本語が初期サポートに含まれるのは大きい。

2. Lyrics Pronunciationで洋楽カラオケ学習が容易に。

3. Apple Walletの分割払いは日本のiD決済連携やポイント経済圏にどう対応するか要注目。

4. Smart Stack Hintsは通勤・通学ルーチンを自動検知し、乗換案内やSuica残高ウィジェットを提示するなど、都市生活との親和性が高い。

10. まとめ

WWDC25は「見た目の統合」と「AIの深化」を全面に押し出し、Appleエコシステム全体を再定義した。Liquid Glassが提供するビジュアルの一体感は、1990年代のAqua、2013年のフラットUIに続く“第三の転換点”といえる。一方、Apple Intelligenceは高性能端末への依存度が高く、旧世代ユーザーが恩恵を受けにくい点が課題だ。秋の正式リリースまでに日本語対応がどこまで拡充されるか、デベロッパが新APIをどう活かすかが普及の鍵となる。

参考記事

1. The Mercury News

   The biggest updates Apple just announced for the iPhone, Apple Watch and other major products

2. Apple Newsroom（公式）

   Apple unveils iOS 26, macOS Tahoe and more at WWDC 2025

3. The Verge

   All the biggest WWDC 2025 announcements

4. Business Insider

   Apple WWDC 2025 keynote: Full recap and product summary

5. MacRumors

   Apple Intelligence: New AI Features Coming to iPhone, iPad, and Mac

6. 9to5Mac

   watchOS 26 brings Workout Buddy, new Smart Stack, and more

7. Engadget 日本版

   Apple、WWDC25でiOS 26など発表。AI機能「Apple Intelligence」も登場

8. ITmedia NEWS

   Apple、「Liquid Glass」導入でUI刷新。AI新機能も多数発表

9. Appleが発表したiPhone、Apple Watch、その他の主要製品に関する最大のアップデート