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紙3枚で4億ドル」Apple誕生の契約書が再び競売へ — 10%を800ドルで手放した男と、4兆ドル企業の“生まれた日”

紙3枚で4億ドル」Apple誕生の契約書が再び競売へ — 10%を800ドルで手放した男と、4兆ドル企業の“生まれた日”

2025年11月28日 00:09

「4兆ドル企業」を生んだ3枚の紙が、再びオークションへ

いま世界で最も価値のある企業のひとつ、アップル。その物語は、1976年4月1日に交わされた、たった3枚の契約書から始まりました。


その「アップル誕生の証明書」ともいえる文書が、2026年1月、再びオークションにかけられ、推定落札価格はなんと200万〜400万ドル(約3〜6億円)だと報じられています。MacRumors


契約書に署名しているのは、若きスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、そして3人目の共同創業者ロナルド・ウェイン。紙の上に並んだ3つの署名は、その後のテクノロジー史を大きく変えることになります。AppleInsider


この記事では、この「創業契約書」が歩んできた数十年の旅路と、ネットやSNSで巻き起こっている反応、そして私たちがこの出来事から何を学べるのかを整理してみます。



Apple誕生を刻んだ「3ページのパートナーシップ契約」

今回出品されるのは、「Apple Computer Company Partnership Agreement」と呼ばれる3ページのパートナーシップ契約書です。AppleInsider

  • 署名日:1976年4月1日

  • 署名者:スティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェイン

  • 役割:アップル・コンピュータ・カンパニーの設立と持分比率を定めた契約


持分比率は以下の通りでした。MacRumors

  • ジョブズ:45%

  • ウォズニアック:45%

  • ウェイン:10%

ウェインは、当時すでに社会人としてのキャリアを積んでいた50代で、若い2人に比べて「大人の監督役」のようなポジションでした。契約書の本文をタイプしたのもウェインで、初期のニュートンのロゴイラストを描いたのも彼です。Artnet News


この契約がなければ、ガレージでの試作機づくりは単なる趣味で終わっていたかもしれません。3人の関係性を法的に固定したからこそ、銀行や取引先から信用を得ることができ、後の爆発的な成長に繋がっていきます。



たった12日で去った「第三の創業者」

しかし、この契約は長く続きませんでした。署名からわずか12日後の4月12日、ウェインは契約からの離脱を選びます。AppleInsider


当時のカリフォルニア州法では、パートナーシップの借金に対し、パートナーは無限責任を負う可能性がありました。自宅や資産をすでに持っていたウェインにとって、20代のジョブズ&ウォズニアックと同じリスクを背負うのは「危険すぎる賭け」だったのです。ウィキペディア


ウェインは、10%の持分を放棄する代わりに800ドルを受け取り、その後さらに1500ドルを受け取って、将来の権利をすべて手放します。MacRumors


そして数十年後、Appleの時価総額は4兆ドル規模に到達。仮に10%の持分がそのまま維持されていたとすると、その価値は数千億ドル(日本円で数十兆円)に達していたと試算されています。AppleInsider


メディアはこの決断を「史上最悪のビジネス判断」と呼ぶこともありますが、当のウェイン本人は、当時の情報と自分のリスク許容度を踏まえれば「最善の判断だった」と繰り返し述べています。VICE



オークションで跳ね上がる「紙切れ」の価値

今回のオークションは、ニューヨークのクリスティーズで開催される「We the People: America at 250」という企画の一環として行われます。アメリカ建国250周年をテーマに、歴史的な文書やアーティファクトが一堂に会するセールで、その目玉のひとつとしてこの契約書が位置づけられています。AppleInsider


出品されるのは、

  • 3ページの創業契約書

  • ウェインが離脱したことを記録した合意書

のセットで、見積もりは200万〜400万ドル。MacRumors


この契約書は今回が初登場ではありません。2011年にはサザビーズのオークションに出品され、約160万ドルで落札されています。MacRumors


わずか10数年で評価額が倍以上に膨らんでいる背景には、次のような要因があると考えられます。

  1. Apple自体の成長
    2011年以降もAppleはiPhoneやサービス事業を伸ばし、時価総額は歴史的な高値を更新し続けました。その成功物語の「起点」となる文書のプレミアムも、それに連動して高くなっています。MacRumors

  2. テック・アーティファクト市場の成熟
    Apple I コンピュータや、ジョブズ直筆サイン入りマニュアル、名刺など、テック系コレクターアイテムが次々と高値で落札されてきました。中にはApple Iが37万5千ドルで落札されたケースもあります。9to5Mac

  3. 「物語性」を買うコレクターの登場
    いまや高額なコレクションは、単なる希少性よりも、「どんな物語を背負っているか」が重視されます。2人の大学中退者と1人の熟練エンジニアが、ガレージから世界企業へと飛び出していく、その起点となる紙――ストーリー性は申し分ありません。Artnet News


SNSの反応:紙切れか、歴史か

ニュースが報じられると、X(旧Twitter)や掲示板、フォーラムではさまざまな反応が飛び交いました。


Appleファンが集まるMacRumorsのフォーラムでは、次のような声が目立ちます(要旨)。MacRumors

  • 「ウェインが受け取った800ドルと1500ドル、それに90年代に契約書の現物を500ドルで売った話……金額の並びを見るだけで胸が痛くなる」

  • 「こんなに象徴的な文書なのに、Apple自身が所有していないのは不思議だ」

  • 「Appleの歴史資料として買い戻すべきじゃないか? ただし、ティム・クックがROIを計算したらスルーしそうだけど」


一方で、X上では(実際の投稿を要約すると)こんなトーンのコメントが多く見られます。

  • 「紙切れ3枚に400万ドル? でも、この紙がなければiPhoneもMacもなかったと考えると安いのかも」

  • 「ウェインの話はいつ聞いても“ifストーリー”として完璧。投資の授業で教材にしてほしい」

  • 「こういう歴史的文書がアート作品と同じマーケットで扱われる時代なんだな」


「紙切れ」と揶揄する声もあれば、「歴史への投資」と肯定する声もあり、テック企業の成功物語が、すでに“文化遺産”として扱われていることへの驚きと戸惑いが入り混じっています。



「なぜAppleが買わないのか?」というモヤモヤ

SNSで目立つ論点のひとつが、「なぜApple自身が買い戻さないのか?」という疑問です。MacRumors


Appleは巨大なキャッシュリッチ企業で、数百万ドルの出費は決算上ほとんどノイズレベルです。それでも、これまでのオークションでAppleが「公式に」入札したという情報はありません。


これにはいくつかの理由が考えられます。

  1. 企業としての優先順位
    Appleは株主に対して、高い資本効率(ROIC)を提供することを明確に掲げています。コレクション用途の支出は、投資家から見ると「説明しづらい」出費になりがちです。

  2. すでにデジタルアーカイブを保有している可能性
    原本を所有していなくても、契約内容そのものは法的な記録として保管されているはずです。歴史資料としての情報価値は、必ずしも原本購入が唯一の手段ではありません。

  3. 「民間コレクターの自由」に委ねるスタンス
    文化的価値を持つものを、企業が“囲い込む”ことへの違和感もあります。個人コレクターや博物館が所有し、様々な場所で展示されるほうが「歴史の共有」という意味では健全だ、と考える向きもあるでしょう。


フォーラムには「Appleが公式ミュージアムを作るなら、そのオープニング展示としてこれ以上ない目玉なのに」という意見もあり、ファン心理としては「会社の歴史は会社が責任をもって守ってほしい」という本音が透けて見えます。MacRumors



ロン・ウェインの物語から見える“リスク”の素顔

今回のニュースでも、どうしても話題の中心になるのが、第三の創業者ロナルド・ウェインです。


メディアは「数十兆円を逃した男」「史上最悪のビジネス判断」とセンセーショナルに取り上げますが、ウェイン本人は、何度もインタビューで「当時の自分にとってはベストな選択だった」と語っています。VICE


  • 当時すでに過去のビジネスで痛い目を見ていた

  • 家や資産を失うわけにはいかなかった

  • 若い2人のスピードとリスクテイクは、自分には「ついていけないレベル」だった

といった事情を考えれば、「別の人生を選んだ」と見るほうが自然です。


興味深いのは、ウェインの「唯一の後悔」が、株ではなく契約書の現物を500ドルで売ってしまったことだと語っている点です。その後、この契約書が160万ドルで落札された事実を知ったとき、さすがのウェインも「さすがにこれはやらかした」と感じたといいます。ウィキペディア


ここには、2つの教訓があります。

  1. リスク許容度は人それぞれ
    同じ案件でも、20代独身のエンジニアと、資産を抱えた50代では、取るべきリスクがまったく違う。後から結果だけを見て「もし持ち続けていれば」と責めるのはフェアではありません。linkedin.com

  2. “後世の価値”は誰にも読めない
    1970年代のガレージ起業の契約書が、半世紀後に数百万ドルで取引される――そんな未来を、合理的に予測できた人はいないでしょう。今まさに自分の机の引き出しにある「メモ」や「企画書」が、将来の誰かにとって歴史的な価値を持つかもしれない、という意味でもあります。



テック企業の“遺物”が教えてくれること

Apple創業契約書のオークション騒動は、単なる「レアグッズ高騰ニュース」にとどまりません。

  • テクノロジー企業が、もはや文化・歴史の一部として扱われていること

  • スタートアップの初期に交わされる「地味な書類」が、後からとてつもない象徴性を帯びること

  • 個人のリスク選好や人生観が、長期的にはお金よりも大きな意味を持つこと

を、改めて可視化してくれます。


いま、ガレージやコワーキングスペースで生まれている無数の新しいプロジェクトにも、同じように「最初の3枚の紙」があるはずです。そのすべてが世界を変えるわけではありませんが、どんな大きなストーリーにも、必ず小さなスタートラインが存在します。


Appleの創業契約書が何百万ドルで落札されようと、私たちにとって本当に重要なのは、「自分はどんな契約書にサインしたいのか」「どんなリスクなら引き受けられるのか」を考えるきっかけにすることなのかもしれません。



参考記事

アップルの創業文書がオークションに出品予定
出典: https://www.engadget.com/mobile/apples-founding-document-is-heading-to-auction-170547522.html?src=rss

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