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南極の深海水は“地球のベルトコンベア  - その駆動源が揺らいでいる

南極の深海水は“地球のベルトコンベア - その駆動源が揺らいでいる

2025年12月20日 09:37

「南極の底」から始まる、世界の気候の話

南極の変化というと、氷山の崩落や海面上昇が真っ先に思い浮かぶ。だが今回の話題は、もっと“見えない場所”——海の底だ。南極沿岸で生まれる非常に冷たく塩分の高い水塊「南極底層水(Antarctic Bottom Water)」は、深海を北へ流れ、世界の海をつなぐ巨大な循環(ベルトコンベアのような流れ)を駆動する重要な存在だという。 Phys.org


その南極底層水が、どれくらい、どんな条件でつくられているのか。特に、東南極のケープダーンリー周辺は“4つある主要生成域のひとつ”とされながら、何が決定要因なのかがはっきりしていなかった。そこで豪クイーンズランド大学(UQ)を中心とする研究チームが、地域の海洋シミュレーションを組み立て、風・海氷・海流・温度・塩分などを統合して「何が底層水を増やし、何が減らすのか」を突き止めた。 Phys.org


主役は「淡水」と「塩分」——相反する2つの装置

研究が描いたのは、隣り合う2つのシステムが、同じ場所の底層水を“逆方向”に引っ張り合う構図だった。

  • 弱める力:アメリー棚氷の融解水
    アメリー棚氷の下を通って流れ出す融解水は淡水。海水の塩分を下げ、重く沈みやすい高密度水の形成を抑える方向に働く。 Phys.org

  • 強める力:マッケンジー・ポリニヤの海氷生産
    一方、アメリー棚氷とケープダーンリーの間にあるマッケンジー・ポリニヤ(風などで海氷ができやすい“海氷工場”のような開水面・薄氷域)では、海水が凍る過程で塩分が周囲の海水に押し出される。結果として塩分が上がり、水はより重くなって沈み、底層水の形成を強める。 Phys.org


つまり、**「棚氷が溶けるほど弱る」と「海氷ができるほど強まる」**が同時に起き、ケープダーンリーの底層水生産は、その綱引きの上に成り立っている——これが研究の核心だ。 Phys.org


数字で見る“バランス崩壊”のインパクト

研究チームは、気候変動で起こり得る変化を仮定し、底層水の「輸出量(深海へ流れ出す量)」がどれくらい減るかを試算した。

  • アメリー棚氷の融解が2倍になると、底層水の輸出は約7%減

  • マッケンジー・ポリニヤでの海氷生産が停止すると、輸出は約36%減 Phys.org


目を引くのは後者だ。「海氷工場の停止」が与える打撃は、融解増加単独よりもはるかに大きい可能性が示された。もちろん“仮定に基づくモデル結果”ではあるが、南極底層水が「どれだけ繊細な条件の上にあるのか」を直感的に伝える数字でもある。 Phys.org


なぜ深海の水が、私たちの天気に関係するのか

南極底層水は、沈み込んだ後に海底を北へ流れ、世界の海の循環を支える。研究チームは、底層水の変化が長い時間をかけて全球の海洋循環を変え、気候パターン——例として「アフリカの降雨」や「ヨーロッパの気温」など——にも影響し得ると説明している。 Phys.org


気候変動のニュースは、どうしても“目に見える被害”に焦点が集まりやすい。でも、深海の循環は静かに進み、変化が遅れて表に出るぶん、気づいたときには取り返しがつきにくいタイプのリスクにもなり得る。今回の研究は、その入り口——「底層水がどんな部品で動いているか」を具体的に示した点が大きい。 Phys.org


SNSの反応:拡散はまだ小さめ、でも“刺さる論点”がはっきり

この記事(Phys.org掲載)は公開直後の時点でシェア数が表示され、X(旧Twitter)やFacebookへの共有導線が目立つ形で設置されている。 Phys.org


一方で、Phys.orgのコメント欄は当該ページでは「0件」表示のまま(少なくとも掲載直後時点)で、議論はサイト外のSNS側に流れている印象だ。 Phys.org


確認できる範囲では、Facebook上の気候・環境系コミュニティでリンク共有が行われており、ニュースアグリゲーターにも並び始めている。 Facebook


また、XやMastodon系でもリンク共有の“痕跡”は検索上で確認できるものの、プラットフォーム側の表示仕様(要ログイン/要JavaScript等)で、本文の中身まで安定して追える投稿は限られた。 X (formerly Twitter)

 



その制約を踏まえつつ、公開投稿・拡散文脈から見えた「反応の型」をまとめると、だいたい次の3つに収束する。

  1. 「36%減」が直感的に怖い
    「海氷工場(ポリニヤ)が止まる」→「底層水が大きく弱る」という筋書きは、数字が大きいぶん一気に拡散されやすい。特に、棚氷融解の“2倍”より、ポリニヤ停止のほうが効くという点が驚きとして共有されやすい。 Phys.org

  2. “専門用語(ポリニヤ)を初めて知った”系の反応
    ポリニヤは一般には馴染みが薄い。記事では「海氷の工場」のように説明されており、この比喩がそのまま引用・要約されて拡散しやすい。 Phys.org

  3. 「モデル結果をどう読むか」——警鐘と慎重論が同居
    「気候変動の影響は想像以上に複雑だ」という警鐘として受け取る投稿がある一方で、モデルの仮定(“倍増”“停止”など極端なシナリオ)を前提に、どこまで一般化できるか慎重に見る声も出やすい論点だ。研究側も、風・海氷成長・融解水という複数要素の釣り合いが鍵だと強調している。 Phys.org


ここから先、注目すべきポイント

この研究が投げかける問いはシンプルだ。「南極底層水を動かすスイッチは何か?」そして「そのスイッチは気候変動でどちらに倒れやすいのか?」。少なくともケープダーンリー周辺では、**棚氷融解(淡水)とポリニヤの海氷生産(塩分)**という、相反する2つの要因の“微妙なバランス”が支配的であることが示された。 Phys.org


今後は、観測の充実(現場データ)とモデルの改良がセットで進むほど、世界の気候モデルの“深海側”の確度も上がっていくはずだ。遠い南極の出来事を「氷が溶けるニュース」で終わらせず、深海の循環という“見えないインフラ”として捉え直す——その視点をSNS上でも共有できるかが、次の拡散の鍵になる。



参考記事

地球規模の気候に影響を及ぼす南極の繊細なバランス
出典: https://phys.org/news/2025-12-delicate-antarctic-global-climate-implications.html

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