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3分間の作戦会議? 2026年W杯「給水タイム」導入で変わる監督・選手・ファンの視点

3分間の作戦会議? 2026年W杯「給水タイム」導入で変わる監督・選手・ファンの視点

2025年12月10日 00:02

2026年W杯に“第3のハーフ”?

北米で開催される2026年FIFAワールドカップで、すべての試合に「給水タイム」が正式導入されることが発表された。FIFAはワシントンD.C.で行われた放送局向け会合で、選手の健康とパフォーマンスを守るための措置として、この“新ルール”を説明したという。InfoMoney


今回の決定により、試合の22分前後で、前後半それぞれ約3分間の給水休憩が必ず設けられる。気温や湿度にかかわらず全試合で行われ、審判団が最も公平で効果的だと判断する形で実施される予定だ。InfoMoney


2025年にアメリカで行われたクラブW杯でも同様の給水タイムがテストされ、好感触を得たことから、本大会への“格上げ”となった。InfoMoney



22分に訪れる「3分間の作戦会議」——ルールの中身

今回の給水タイムのポイントを整理すると、次の通りだ。InfoMoney

  • 全試合で実施:グループステージから決勝まで例外なし

  • タイミング:前半・後半とも22分付近で試合を止める

  • 時間:およそ3分間

  • 気温条件なし:これまでのように「WBGT○度以上」といった下限は設けない

  • 運用は審判の裁量:直前に負傷でプレーが止まっている場合などは、その中断をそのまま給水タイムに“振り替える”ことも想定


これまでFIFAは、気温や湿度が一定基準を超えた場合に限り、審判の判断で「クーリングブレイク」を入れる運用をしてきた。しかし2026年大会では“暑くなくても”行われる。大会全体が、よりバスケットボールやバレーボールのように、時間で区切られたゲーム構造に近づくと言っていい。



背景にあるのは「気候危機」と北米の夏

2026年大会は、アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催。開幕戦は6月11日、メキシコシティでのメキシコ対南アフリカの一戦が予定されている。InfoMoney


開催時期は北米の真夏。近年の報告書では、16会場のうち10会場が「極めて高い熱ストレスリスク」に分類されるなど、暑さへの懸念は年々強まっている。Revista Amazônia


気候専門誌『Revista Amazônia』が紹介した調査「Pitches in Peril」によれば、アトランタやダラス、ヒューストンなど一部都市では、FIFAが定めるクーリングブレイク基準(WBGT32度)を大きく超える“危険な暑さ”の日が夏場に1か月以上続くケースもあるという。Revista Amazônia


さらにFIFA自身も、クラブW杯で得た教訓を踏まえ「試合時間の調整や給水タイムの設定を通じて、さまざまな気候条件から選手を守る」とコメントしている。CNN Brasil


つまり今回の決定は、単なる“サービス向上”ではなく、気候変動時代の大会運営に向けた具体的な一歩でもある。



SNSは賛否真っ二つ——ファンはどう受け止めたか

このニュースが流れるや否や、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでは、瞬く間に議論が広がった。おおまかに、反応は次の3つに分けられる。


1. 「選手ファースト」を歓迎する声

もっとも多いのは、猛暑の中で走り続ける選手を気遣うポジティブな反応だ。

  • 「90分走り続けてほしいなら、3分くらい休ませるのが当たり前」

  • 「給水タイムで救われる選手もいる。命より大事な試合なんてない」

  • 「熱中症で倒れるシーンを減らせるなら、試合が少し長くなっても構わない」

特に、これまでの大会で選手が倒れ込むシーンを見てきたサポーターほど、今回の決定を“安心材料”として受け止めている印象だ。


2. ゲームのリズムを心配する声

一方で、「サッカーの面白さが削がれるのでは」と懸念する投稿も目立つ。

  • 「いい流れの中で22分きっかりに止められたら、せっかくの攻勢が台無し」

  • 「VARにロスタイム、そして給水。どんどん試合が細切れになっていく」

  • 「3分のブレイクが“ミニ・タイムアウト”になって、戦術的に有利不利が出そう」

特に、リズムに乗って一気に試合を決める“ラッシュ”を好むファンほど、この「強制的な中断」に神経をとがらせている。


3. ジョークとミーム

サッカーファンらしく、ユーモアで受け止める声もある。

  • 「22分の給水タイムに合わせて、スポンサーCM争奪戦が始まりそう」

  • 「選手より先に、ファンがビールをおかわりする時間になるだけでは?」

  • 「この3分で監督のスピーチ力が試される。モチベーター監督最強説」


「どうせならeスポーツの大会みたいに、給水タイム中は監督のマイクをオンにしてほしい」といった、放送演出への“無茶振り”も飛び交っている。



戦術はどう変わる? 監督にとっての「ミニ・タイムアウト」

給水タイムは、監督やコーチにとって**貴重な“ミニ・タイムアウト”**になる。

  • 守備が崩壊しかけているチームはラインの押し上げやマークの確認

  • 攻撃側はセットプレーの狙いどころやポジションの微調整

  • PK戦を見据えた選手交代のプラン整理

こうした指示を、ピッチサイドで短時間に伝えやすくなる。


特にグループステージでは、得失点差や他会場の結果をにらみながら、**“ここから10分耐えればOK”**といった細かいゲームプランを組みやすくなるだろう。


一方で、相手の勢いを“強制的に止められる”ため、ホームチームの大歓声の中で一気に畳みかけるような展開は減るかもしれない。攻撃側が押せ押せムードに入ったところで22分を迎えれば、どうしてもリスタート後は落ち着いた展開に戻りやすいからだ。



放送・ビジネス面でのインパクト

放送局にとっても、給水タイムは大きな意味を持つ。

  • リプレイ映像やデータ分析グラフィックをじっくり挟み込める

  • 新たなスポンサー枠(「Hydration Break presented by ○○」など)を設定しやすい

  • 視聴者にとっても、一度スマホをチェックしたりトイレに立つ“余白”になる


ただし、ビジネス色が強く出すぎると「選手の健康を理由にCM枠を増やしただけ」という批判を招くリスクもある。FIFAがどこまで“商業利用”を抑え、あくまで医科学的な措置として位置づけるのかは、今後の注目ポイントだ。



過去のW杯と“暑さ対策”の変遷

実は、W杯での給水・冷却休憩は目新しい概念ではない。2014年ブラジル大会のオランダ対メキシコ戦では、記録的な暑さの中で史上初の「公式クーリングブレイク」が実施された。その後も、極端な暑さが予想される試合では審判の裁量で休憩が挟まれてきた。


しかしそれらはあくまで例外的措置だった。


今回2026年大会で初めて、「原則として全試合で行う」という方向に舵が切られたことは、サッカー界が暑さや気候変動を“例外”ではなく“前提”と見なすようになった象徴的な出来事だと言える。



選手にとってのメリットとリスク

医科学的に見れば、3分程度の給水タイムは脱水や熱中症リスクを下げ、集中力の低下を防ぐ効果が期待できる。特に、90分間で12km前後を走ることもある中盤の選手にとって、水分と電解質を補給できることは大きい。


一方で、筋肉が一度冷えすぎると、再加速時に肉離れなどのリスクが高まるという指摘もある。ベンチでじっと座ってしまうのではなく、軽いストレッチやステップワークを続けられる環境作りが欠かせないだろう。


コーチングスタッフの力量が問われるのは、戦術面だけではない。「3分間でどこまで身体をケアしつつ、集中を切らさないか」——フィジカルコーチとメディカルスタッフの連携が、これまで以上に重要になりそうだ。



ファンが慣れるかどうかがカギ

サッカーはもともと「前半45分+後半45分」というシンプルな時間構造で愛されてきたスポーツだ。VAR導入による長いチェック時間や、ロスタイムの大幅な増加など、近年の“時間の変化”に戸惑うファンも少なくない。


そこにさらに「22分での給水タイム」が加わることで、視聴体験がどう変わるのか。

  • 中継を“ながら見”するライト層には、むしろ親切な仕組みになるかもしれない

  • コアなファンには、「試合の流れを止められた」と感じる瞬間が増えるかもしれない


結局のところ、この新ルールが受け入れられるかどうかは、実際の試合がどれだけエキサイティングかにかかっている。劇的なゴールや大逆転が、給水タイムの前後で生まれれば、「3分間の休憩がドラマを生んだ」とポジティブに語られるだろう。



「22分の3分間」がW杯の象徴になる日

2026年大会は、史上初の48カ国出場、3カ国共催、さらに気候変動時代ならではの運営が重なる“実験的なワールドカップ”になる。CNN Brasil


その象徴が、今回の給水タイムだ。

  • 選手の命と健康を守るセーフティネット

  • 監督にとってのミニ・タイムアウト

  • 放送局とスポンサーにとっての新たな演出枠

  • ファンにとっては賛否を語る“ホットトピック”

22分に訪れる3分間は、単なる水分補給の時間を越え、サッカーそのものの姿を映し出す鏡になるかもしれない。

2026年6月、メキシコシティで笛が鳴るその日、世界は新しいW杯の「リズム」に耳を澄ますことになる。



参考記事

2026年のワールドカップでは、すべての試合で給水タイムが2回設けられます。
出典: https://www.infomoney.com.br/esportes/copa-do-mundo-2026-tera-duas-pausas-para-hidratacao-em-todos-os-jogos/

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