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200年で人間と自然のつながりが60%減少:都市は10倍“緑化”できるか? 親子でつなぐ自然との関係を科学する

200年で人間と自然のつながりが60%減少:都市は10倍“緑化”できるか? 親子でつなぐ自然との関係を科学する

2025年08月11日 01:21

1)200年の下降線――数字が物語る“経験の絶滅”

「私たちは自然とどれだけつながっているか?」――一見あいまいな問いに、最新研究は具体的な数字で答えた。英ダービー大学のリチャードソン教授は、都市化の進展、近隣の生物多様性の劣化、そして“親から子へ”自然志向が受け継がれにくくなった構造を組み込んだエージェント・ベースモデル(ABM)で、1800年から現代までの“自然とのつながり”の軌跡を再現。結果は「約60%の低下」だった。書籍に現れる自然語の頻度も同じカーブを描き、1990年には60.6%の落ち込みを示したという(現在は52.4%まで戻りつつある)。ガーディアン


2)“つながり”は気分ではない――親と都市構造が決める

この研究の要は、心理学的構成概念である「ネイチャー・コネクテッドネス(自然とのつながり)」を、都市の緑量(機会)と、人が自然に注意・愛着を向ける志向(オリエンテーション)、そして親子間の“継承”で駆動する社会—生態システムとして扱った点だ。モデルは、都市化が“機会”を細らせ、親が自然に向かう姿勢を伝えられなくなるほど次世代の初期値も下がるという、負のフィードバックを描く。MDPI


3)30%では足りない――必要なのは“10倍”の緑

「公園を増やせば解決?」と問われれば、答えは「たぶん不十分」。研究チームの感度解析では、都市の生物多様性豊かな緑地を“30%増”しても趨勢を反転させるには届かない。必要なのは“10倍規模”。言い換えれば、点の公園ではなく、街全体が“緑のインフラ”に変わる絵だ。研究はまた、今後25年以内に教育と都市づくりを転換できれば、いったん回復モードに入った“つながり”は自走(自己強化)しうると示唆する。ガーディアン


4)1日4分36秒――現代の“当たり前”がもたらすもの

ガーディアン紙は、英シェフィールドで人々が自然空間で過ごす時間が平均「1日4分36秒」にとどまるという測定を紹介した。通勤—室内—スマホという日常の連なりが、自然体験の“分母”を小さくし、世代をまたいだ断絶を増幅していく。これはメンタルヘルスや環境配慮行動にも影響する“構造的な生活設計”の問題だ。ガーディアン


5)SNSの反応――希望・不安・実践が交錯

このニュースはSNSでも議論を呼んだ。環境系コミュニティでは「都市生活の常態化が自然体験を侵食している」という共感の声が多い一方、「“つながり”をどう定量化するのか?」という素朴な問いも目立った。Redditのスレッドでは、屋外教育の現場から「最初は土や虫を怖がる子も、体験を重ねると変わる。親が連れていけば修復は可能」との実感が共有されている。以下は一部(意訳・要旨)だ。

「この研究は都市化と世代間継承の要素を組み込んでいる。面白いが主観的にも見える」(計測手法への問い)
「中高生が土を怖がる。でも年の終わりには変わる。親よ、子どもをキャンプに」(現場の声)
「室内仕事で驚かない。外に出る時間がない」(生活構造の問題)
(出典:r/collapse 該当スレッド。投稿全体はリンク先参照)Reddit


6)“イベント”だけでは戻らない――何を設計すべきか

短期の自然体験キャンペーン(例:#30DaysWild)は、メンタルの改善に資するが、世代間の断絶を止める力は限定的だという。効くのは「早期かつ繰り返し」。保育—小学校段階で、親子参加型の“日常的”自然体験をカリキュラム化し、家庭にも宿題のように持ち帰る設計だ。心理学研究では、知識よりも「接触」「感情」「意味」「思いやり」「美の感受」が“つながり”を伸ばす主要経路とされる。教材は「名前を覚えるドリル」ではなく、五感で味わう体験に寄せたい。ガーディアンPLOS


7)都市計画の翻訳――“10倍”を現実に落とす

“10倍”は誇張に聞こえるが、都市生態学では、街路樹・校庭・駐車場・屋上・バルコニー・セットバック・河川縁など、あらゆる公共/半公共空間を“自然のネットワーク”として同時に扱う発想が主流になりつつある。たとえば「3-30-300」の目安――自宅から樹を3本見える、地区の樹冠率30%、300m以内に公園――は、住民の健康やレジリエンスの観点でも一定の妥当性が検証されている。MDPI


8)日本への示唆――“家族設計”と“街の再配分”

超都市化社会の日本では、平日の移動と室内労働が“自然ゼロ分”の日を生みやすい。対策は二層だ。
(1)家庭×学校:週1回の“外で宿題”、保育園の“森のようちえん”型プログラム、PTAと連携した親子自然観察会。
(2)街の再配分:校庭の芝生化・ビオトープ化、通学路の樹木帯、屋上菜園の標準化、河川・用水路の動植物コリドー再生、駐車場の透水化と周縁植栽の義務化。


これらは“イベント”ではなく、暮らしのOSを書き換える作業だ。


9)最後に――言葉は戻り始めた

朗報もある。自然語の出現頻度は近年少し回復傾向にあり、文化の側に“感度の復権”が芽生えている可能性がある。重要なのは、言葉の復活を体験の復活へと橋渡しすること。親が子に、街が住民に、自然に注意を向ける機会を“日常”として渡せるか――ここに勝負所がある。ガーディアン


参考記事

「人間と自然のつながりは200年で60%減少した」と研究が示す
出典: https://www.infomoney.com.br/mundo/conexao-humana-com-natureza-caiu-60-em-200-anos-diz-estudo/

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