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ブラックホールは忘れない?重力でも粒子でもない、第3の鍵:“記憶する時空”が描く新・宇宙像

ブラックホールは忘れない?重力でも粒子でもない、第3の鍵:“記憶する時空”が描く新・宇宙像

2025年09月26日 00:48

導入:重力と量子のあいだに「情報」を置いてみる

一般相対性理論と量子力学は、それぞれ完璧に機能しながら、黒洞(ブラックホール)や宇宙初期のような極限では矛盾を露わにする。その亀裂に「情報(インフォメーション)」を最も根源的な実体として据え直すのが、フロリアン・ノイカルトらが提案する「量子メモリ行列(Quantum Memory Matrix: QMM)」だ。Phys.orgに掲載された本人執筆の解説によれば、時空は連続体ではなく超微細な“セル”の集合で、それぞれが通過する粒子や場の相互作用の痕跡=量子的インプリントを記録する“記憶装置”としてふるまうという【September 24, 2025 掲載】。この枠組みでは、宇宙は単に進化するだけでなく「覚えている」のだという。Phys.org


QMMのコア:インプリント作用素と「幾何—情報双対性」

QMMは、情報が決して消えないという量子の要請を守りつつ、ブラックホール蒸発でも情報が周囲の時空セルに記録される仕組みを「インプリント作用素」で定式化する。重力にとどまらず、強い力・弱い力・電磁気力も同様に“痕跡”を残しうると拡張され、標準模型のゲージ相互作用全体を取り込む形で理論整備が進む(査読済みのMDPI誌“Entropy”や関連論文・予稿が公開済み)。


さらに「幾何—情報双対性」と呼ぶ視点では、アインシュタインが説いた質量・エネルギーだけでなく、量子情報(とその絡み合い=エンタングルメント)の分布が時空の曲がり方を左右しうると主張する。これが暗黒物質・暗黒エネルギーの再解釈へとつながっていく。Phys.org


暗黒物質=インプリントの“塊”、暗黒エネルギー=記憶容量の飽和?

ノイカルトらは、インプリントが空間的に凝集すると銀河回転の異常(見かけの質量過多)を説明する“重力的ふるまい”を示し、暗黒物質粒子を仮定せずに観測事実を再現できると述べる。また、時空セルの記憶容量が飽和すると新たな独立情報を記録できず、“余剰”として残る寄与が宇宙定数(Λ)と同形になり、加速膨張=暗黒エネルギーの起源になり得るという。これらは査読中・プレプリント段階の結果を含むが、数式上は観測される暗黒エネルギー量に合致すると主張する。Phys.org preprints.org


「循環宇宙」と“620億年”という長い年齢

QMM宇宙論の派生として、宇宙は膨張と収縮を繰り返す循環モデル(バウンス宇宙)を予言する。情報容量が閾値に達すると収縮が反転し新たな膨張期に移るため、特異点を回避できるという。著者らの推定では、宇宙は既に3~4回のサイクルを経験し、真の“情報論的年齢”は約620億年に及ぶとされる(JCAP受理とする主張はあるが、詳細はarXiv/プレプリで進行中)。Phys.org

ラボでの“ミニ宇宙”実験?──量子計算機での検証の芽

理論は机上の空論か。著者は量子計算機で時空セルをキュービットに見立て、インプリント/リトリーバル操作を実装したところ、90%超の再現精度が得られ、既存の誤り訂正と組み合わせて論理誤りを大幅低減できたと報告する。宇宙論そのものの検証ではないにせよ、QMMの数理操作が実機でも有効に働く兆候だと述べる。Phys.org


とはいえ:観測的状況と検証可能性

2025年はDESI(ダークエネルギー分光器)の“暗黒エネルギーが時間変化しているかもしれない”という示唆がニュースを賑わせた。もしΛが定数ではないなら、QMM流の「容量飽和に由来するΛ様の寄与」が観測とどう整合するかは要点になる。DESIの解析は“弱まっている可能性”を示したが、まだ統計的・系統的検証の余地が大きい。QMMが将来的にここへ予言的に食い込めるかは、理論側の具体的パラメータ化とデータ側の高精度化次第だ。Reuters


また、ハッブル緊張(WebbがH0高値側を支持)という別の難題も未解決だ。QMMが“情報の分布”を通じて宇宙の膨張史や距離梯子の食い違いに新たな説明余地を与えるなら、大きな加点となる。Reuters


SNSの反応:ワクワクと警戒心、そのあいだ

盛り上がり

  • Redditでは「全ての力を一貫して扱える点が希望」「宇宙を“巨大な量子メモリ”とみなすのは直観的」といった好意的コメントが伸び、ポピュラーサイエンス的な語り口が拡散を後押しした。Reddit

  • LinkedInでは著者本人や関係者が研究のロードマップ(黒洞→暗黒物質→暗黒エネルギー→宇宙論)を振り返る投稿を重ね、量子計算・量子誤り訂正方面の実用的示唆に注目が集まった。LinkedIn


慎重論・ツッコミ

  • プレプリント比重の高さ、電磁気への拡張など査読進行中の要素が多い点を指摘し、「大胆だが検証可能な予言を明示せよ」という声。観測宇宙論(DESIや重力レンズ)の定量比較を求めるコメントが目立つ。preprints.org

  • X(旧Twitter)では宇宙論全般の“壮大理論”にありがちな脱線も散見され、別理論(反宇宙や負のエントロピー等)との混線・飛躍も見られた。一方で、「(もし正しければ)暗黒セクターの“実体”を別概念にリファクタできる」点に惹かれるユーザーも。X (formerly Twitter)


メディア波及

  • 一般向け報道は“宇宙は記憶を持つかもしれない”というフックで紹介。The Conversation発の再配信やYahoo等でも要点が手短にまとめられ、認知が広がった。Yahoo News UK


ここが肝:理論の“良い科学”としての条件

  1. 可検証性:銀河回転曲線・ハロー質量関数・重力レンズ統計など、暗黒物質シグナルへの“粒子不要”説明が、既存ΛCDM並みの精度で広範に当てはまるか。

  2. 予言力:DESI/Euclid/LSSTの将来データに対し、QMM固有の指標(例えば“情報インプリント密度”に由来する揺らぎの指紋)を提示できるか。

  3. 一貫性:CMB異方性・BAO・超新星距離階段やH0緊張の同時整合。

  4. 計算実装:量子計算機での“操作としてのQMM”の有効性が、宇宙論パラメータ推定やデータ解析(誤り訂正・サンプリング)に実益をもたらすか。


まとめ:宇宙=幾何×エネルギー×記憶

QMMは「宇宙は記憶する」という強いメタファーを、物理操作と数理でつないだ野心作だ。暗黒物質・暗黒エネルギーを“情報”の側面から再解釈し、ブラックホール情報問題から宇宙論までを一筆書きで結ぶ。未検証の部分は多く、観測データへの本格対決はこれからだが、**“宇宙はメモリでできている”**という発想は、少なくとも我々の思考の座標軸を一段拡張してくれる。


参考記事

情報は宇宙の基本的な要素であり、ダークエネルギーやダークマターを説明するかもしれません。
出典: https://phys.org/news/2025-09-fundamental-universe-dark-energy.html

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