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熱と干ばつが都市の木にもたらす“静かな危機” - 涼をくれる木が牙をむくとき:真夏の都市で起きる異変

熱と干ばつが都市の木にもたらす“静かな危機” - 涼をくれる木が牙をむくとき:真夏の都市で起きる異変

2025年08月24日 16:22

真夏の公園や湖畔で、風がないのに突然「パキッ」と乾いた音が響き、数十キロある大枝が地面に叩きつけられる——。7月31日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のキャンプ場で母子が落下した木により死亡。続く8月10日にはナナイモの海辺公園でも女性が重傷を負った。こうした事故は、長期の渇水と高温が木に与えるストレスと密接に関係していると、樹木生理学の専門家たちは指摘する。特にここ数年の累積的な干ばつが木を弱らせ、無風でも枝が突然折れる現象が起きやすくなるという。Global News



何が木の内部で起きているのか

ビクトリア大学のピーター・コンスタベル教授は「干ばつが樹木を特にストレスにさらし、枝が落ちることがある」と説明する。大学構内でも無風の日にカエデやナラの大枝が落ちるのを目にしてきたという。落枝は外見からは弱って見えない場合でも起き得る。Global News


一方、サイモンフレーザー大学のジム・マットソン教授は、長期の乾燥が光合成と成長を抑え、エネルギー(糖)備蓄や化学的防御力を低下させる結果、昆虫や菌類による侵食に脆くなり、内部から腐朽が進む連鎖が起きると指摘する。弱った木は見た目に青々としていても、内部の空洞化や繊維の劣化が進んでいることがある。Global News


研究レビューでも、急性の干ばつが水分調節の破綻を引き起こし、導管の空洞化(キャビテーション)や水輸送の途絶を通じて樹木死や重大な弱体化につながることが示されている。PMC



「サマーブランチドロップ(SBD)」――無風でも起きる突然の落枝

夏の穏やかな天候下で健康そうな大枝が突然落ちる現象は、サマーブランチドロップ(Sudden/Summer Branch Drop, SBD)として知られてきた。米ミシガン州でも今夏「無風なのに突然大枝が落ちる」事例が相次いで報じられ、原因候補として高温・乾燥ストレスや内部腐朽などが挙げられている。FOX 17 West Michigan News (WXMI)


英国でも2025年7月の熱波後、ロンドン北西部の自治体が「木の下での長時間の滞在を避けるように」と注意喚起。SBDは明確な単一原因が特定できず、気温や樹体内の水分変動など複数要因が絡むとされる。The Independent


スペイン・セビリアでも猛暑日にプラタナスの成熟枝が突然折れる事例が伝えられ、都市の樹木管理の難しさが浮き彫りになった。Cadena SER



都市の木はなぜ脆くなるのか

都市の街路樹や公園樹は、舗装による土壌の締め固め、根域の制限、ヒートアイランド、反射熱など、自然林よりも厳しい環境に置かれる。ビクトリア周辺でも、日射に晒されやすい都市の木は特にストレスがかかりやすいと専門家は語る。Global News


バンクーバー市は2025年にアーバンフォレスト戦略の改定版を承認し、強靭な都市林の維持に向けた取り組みを強化。極端気象に備えた評価や保全の枠組みが示された。vancouver.ca



SNSの反応――「安全」「維持管理」「気候」の三層で揺れる声

今回の一連の報道をきっかけに、SNSや掲示板では次のような論点が目立った。

 


  • 安全第一派:猛暑時は「古木の直下で長時間過ごさない」などの注意喚起が共有され、昨年DCでの落枝死亡事故を引き合いに状況認識の大切さを訴える投稿が上がった。Redditwashingtonian.com

  • 維持管理派:自治体やイベント主催者に事前点検の強化や灌水の徹底を求める声。オーストラリア・アデレードでは相次ぐ落枝を受けて、干ばつ条件下の潅水や専門家による査定の必要性が議論に。アデレードナウ

  • 現場の実感:樹木関係のコミュニティでは「長い乾燥の後、にわか雨で水を吸って重くなり折れることがある」「ペカンなどで経験した」といった経験則が共有されている。Reddit

  • 気候論争:熱波や干ばつの頻度増加と落枝リスクの関連を巡って議論。ニュースアカウントが記事を紹介すると、返信欄では管理責任と気候要因のどちらを重視すべきかで意見が割れる様子もうかがえた。X (formerly Twitter)

※SNSの投稿は地域や文脈により温度差が大きい。上記は公開スレッドの主な論調を要約したもの。



私たちが取れる実践的な対策

「完全予測は難しい」という前提に立ちながらも、リスクを減らす行動はとれる。Global News

  1. 熱波・渇水期の過ごし方
    無風の猛暑日や夕方など、樹体内の水分勾配が大きい時間帯は、大枝の直下で長時間とどまらない。自治体が注意喚起を出している場合は従う。The Independent

  2. 目視できるサイン
    樹皮の裂け、きのこ(菌類)の発生、枝の不自然なたわみや亀裂などはストレスや腐朽の兆候。見つけたら距離を取る。Global News

  3. 所有木のケア
    乾燥期は深く・ゆっくり灌水し、マルチングで蒸散を抑える。心配がある時はISA認定アーボリスト等の専門家に評価を依頼する(米保険業界の注意喚起も参照)。Insurance Journal

  4. イベント・行政の配慮
    屋外イベントの前に樹木健全度評価を実施し、必要に応じて立入規制や動線変更を検討。豪州の事例では、干ばつ後の落枝が続いたことから事前査定の重要性が指摘された。アデレードナウ


それでも「木と共に」生きるために

樹木は都市の熱緩和、雨水調整、健康増進に欠かせない。だが、気候が変わるなか、リスクコミュニケーションと適応管理の更新は避けて通れない。


  • 現地の事故報道は、累積干ばつ+高温という組み合わせが落枝や倒木のリスクを押し上げる現実を突きつけた。Global News

  • 一方で、これは世界の各都市が共有しつつある課題でもある。英国・スペイン・北米での警鐘は、**極端気象の“新常態”**に備える必要性を物語る。The IndependentCadena SERFOX 17 West Michigan News (WXMI)

結論:木を危険視するのではなく、状況に応じて賢く距離を取り、手入れし、学ぶ。それが、樹木の恩恵を次世代へつなぐための現実的な道筋だ。



参考記事

暑さと干ばつが木々にストレスを与えると、その結果は悲惨なものになり得ます。
出典: https://winnipegsun.com/pmn/when-heat-and-drought-stress-trees-the-consequences-can-be-tragic

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