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アマゾンのKuiper衛星、スペースXとの競争と協力の新時代

アマゾンのKuiper衛星、スペースXとの競争と協力の新時代

2025年07月17日 11:23

1. 夜明け前の発射台に立つ“奇妙な同志”

米東部時間7月16日午前2時18分。ケープカナベラルSLC‑40から立ち上がったファルコン9ロケットは、純白の機体に「AMAZON」ロゴの入ったコンテナを抱え、闇を切り裂いた。ミッションコードはKF‑01。積載された24機のKuiper衛星は、衛星インターネット市場でスターリンクが築いた牙城に挑む“先鋒部隊”だ。TechCrunch


2. 背水の陣──FCC“半数ルール”との戦い

アマゾンに与えられたタイムリミットは2026年7月。3,236機中半数(約1,600機)を投入できなければライセンス取り消しのリスクがある。ブルーオリジンの新型ロケット「New Glenn」はまだ試験段階、ArianespaceやULAも打上げ枠が逼迫。そこで白羽の矢が立ったのが最大の競合・スペースXだった。TechCrunchReddit


3. 「信頼性こそ通貨」—2023年の“禁断契約”

2023年12月、アマゾンは打上げ3回分をスペースXに正式発注。かつて株主から「なぜスペースXを除外したのか」と訴えられた苦い過去があるが、背に腹は代えられない。ファルコン9の信頼性—230回を超える連続成功—は、遅延が許されないKuiper計画に“即効性”をもたらす。TechCrunch


4. SNSが映す“雪解けムード”

打上げ直後、アマゾンDevices & Services統括のパノス・パネイ氏がLinkedInで「スペースXにビッグサンクス!衛星が無事軌道へ」と歓喜の投稿。LinkedIn


一方Reddit r/SpaceXではヘビーユーザ“warp99”が「ファルコン9のフェアリングは21機が限界か?」と専門論を展開し、コメント列は数百件に。Reddit


こうした反応は“宿敵協業”の驚きと、衛星数・打上げ回数のSFじみたスケール感がバズ要因だ。


5. 技術者視点:ペイロード問題と大量生産ライン

Kuiper衛星は1機約650 kg。Atlas Vでは27機を3列積載できたが、ファルコン9では全長が短く3×7=21機が上限という推測がRedditで優勢だ。それでも「1回18〜24機ペースで月2回飛ばせば期限に間に合う」という計算も登場し、打上げ頻度を武器にするスペースXの強みが際立つ。


6. コスト構造—“10 billion”の先に見える収益化

アマゾンはKuiperに100億ドル超を投資。衛星一式の製造コストは年末までに11億ドル、1回の打上げ費用は約1.5億ドルと試算される。市場規模は2030年に400億ドル、アマゾンが30%シェアを取れれば2032年に71億ドルの年商、というアナリスト予測もある。The Times of India


7. ネットワーク設計—「地表3万局」戦略

Kuiperの地上局は北米・欧州・日豪の計30,000局を予定。ミッドバンドKu‑Ka複合ビームにより1衛星あたり400 Gbps、全体で3.2 Tbps超を目指す。スターリンクV2ミニの下り最大通信速度が250 Mbps/端末と言われる中、帯域を“面”で奪取する戦略が透ける。


8. ブルーオリジンの遅延—「二重人格」問題

ジェフ・ベゾス氏のもう一つの顔、ブルーオリジンはNew Glenn初号機をようやく1回飛ばしたものの、ブースター回収失敗で次回は8月15日まで延期。ベゾス陣営は“社内ライバル”状態だが、Kuiper側は「実績あるロケットを最優先」と合理的判断を下した格好だ。TechCrunch


9. スペースXの思惑—「混雑する軌道」を制す者

スターリンクは8,000機超を配備済み。スペースXにとってKuiperを助ける行為は、

  1. ロケット打上げ枠をフル稼働し売上を積む、

  2. 「打上げ事業者」として国際的シェアを維持し規制面で優位に立つ、

  3. 軌道共有における“共通ルール作り”で主導権を握る、
    という三重のメリットがある。


10. 今後の打上げロードマップ

年ロケット衛星予定数累計衛星数(予測)
2025Q3ULA Atlas V27105
2025Q4SpaceX Falcon 921126
2026H1New Glenn試験2号45171
2026H1Falcon 9(複数)60231


この“混在フリート”こそKuiper最大のリスクであり武器でもある。ロケット遅延を互いに補完しながら、多発打上げで一気呵成に衛星網を構築する計画だ。


11. 地政学的観点—「空」から始まる米国市場占有

アマゾンはAWSのエッジ網とKuiper衛星を融合し、北米農村部・新興国市場で低遅延クラウド接続を提供する構想を公表している。これはスターリンクBusinessの顧客層とほぼ重なり、

  • クラウド+通信のセット割

  • IoTデバイスの取次販売

  • AWS経由での5Gバックホール
    といった付加価値で差別化を狙う。


12. ユーザーの声—「選択肢が増えるだけで勝者」

Redditには「スターリンクが値下げするなら嬉しい」「競争が品質を上げる」といった投稿も多く、サービス開始前から“期待値バブル”が生じている。一方で「スペースデブリが倍増する」「光天文学への影響は?」という懸念も根強い。規制と技術の両輪で解を示せるかが命運を分ける。


13. 結語:ロケットより速い“協力と競争”

宿敵同士の協業は、打上げビジネスが「信頼できる数少ないロケットを取り合う」フェーズに入ったことの象徴だ。宇宙インフラの主導権争いは、今後も協力と競争が表裏一体となる“複層ゲーム”へと進化するだろう。



参考記事

アマゾンのクーパー衛星、ライバルのスペースXから支援を受ける予定
出典: https://techcrunch.com/2025/07/15/amazons-kuiper-satellites-to-get-boost-from-rival-spacex/

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