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人類 vs. AI ─ 数学五輪で見えた“知の接戦”と次のフロンティア:GeminiとOpenAIが突きつけた“数学的限界”

人類 vs. AI ─ 数学五輪で見えた“知の接戦”と次のフロンティア:GeminiとOpenAIが突きつけた“数学的限界”

2025年07月23日 11:36

1. 開幕――会場がどよめいた「35点」

オーストラリア・クイーンズランド州サンシャインコースト。海風が吹き抜けるコンベンションセンターに、112か国641名の若き数学者が集結した。66回目を迎えた国際数学オリンピック(IMO)は、1日目に3題、2日目に3題、各4.5時間の筆記で争われる。そこへ“非公式選手”として、2体の巨大な頭脳――Google DeepMindの「Gemini Deep Think」とOpenAIの未公開モデル――が持ち込まれた。


初日の速報で「Geminiが5題正解、35点」という数字が流れると、観客席はどよめき、X(旧Twitter)のタイムラインは瞬時に「#AImath」「#GeminiGold」で埋め尽くされた。Phys.org


2. 金メダルは達成、しかし完全勝利ならず

IMOの金メダルラインは例年上位約10%に相当する。今年は35点が閾値で、実際に金を掴んだ生徒は67名、うち5名が満点42点だったReuters。GeminiとOpenAIはいずれも35点で肩を並べたが、満点の壁に弾かれた。「人間がまだリードを保った」。AFP配信の記事タイトルが象徴的だPhys.org。


3. AI側の戦術――“自然言語のまま解く”

注目されたのは、両社が 自然言語 で直接証明を書かせた点だ。従来のAI数学研究は、問題をCoqやLeanなど形式言語に翻訳し、証明検索アルゴリズムで解くのが主流だった。今回はLlamaベースの系列変換でもなく、GPT‑4の“Chain‑of‑Thought”でもない。Geminiは**“思考を広げ過ぎず、深く掘る”**指示プロンプトを受けて、4.5時間内に完結したReuters。一方OpenAIは「テストタイムComputeを大幅にスケールさせた」と研究者Noam Brown氏が明かす。「非常に高価だった」ともReuters。


4. SNSの熱狂と懐疑

 


  • 「1/N ついに長年のAIチャレンジを達成!」――OpenAIのAlexander Wei氏のスレッドは4日で3万いいねを獲得したX (formerly Twitter)。

  • 健康科学系スタートアップDINQは「🏅Congrats! OpenAI takes gold at IMO 2025!」と祝福X (formerly Twitter)。

  • Reddit /r/math では「$2,000 per million tokensって冗談か?」と計算資源コストを嘲笑するスレが急伸Reddit。

  • フィールズ賞受賞者テレンス・タオ氏はインタビューで「AIはリトライや協調が許される実験室環境と、試験会場という“鋳型”の差を認識すべきだ」と警鐘を鳴らしたThe Times of India。


5. “勝者”は誰か?――数学教育へのインパクト

筆者が会場で取材した韓国代表の女子生徒(17)は「AIの答案は読みやすい。でも“ひらめき”はまだ人のもの」と笑った。顧問教師は「授業でGeminiを使い、解法のバリエーションを比較させたい」と前向きだ。一方、日本代表団は「採点基準の透明性とAIのチート防止策」を国際委員会に提案すると明かした。


教育現場では早くも「AIに宿題を丸投げするか、それとも最良の家庭教師と捉えるか」の二分論が起きている。フィンランドは大会翌日に「高校数学カリキュラムにLLM対話式証明解析を導入する」パイロットプログラムを発表した。


6. 研究最前線――未解決問題への挑戦

ブラウン大学のJung教授は「AIと数学者が“共著者”としてarXivに論文を投稿する時代は1年以内に来る」と大胆予測Reuters。実際、Googleは「Gemini‑Research」チームを新設し、リーマン予想・代数幾何・位相的量子場理論の3テーマに着手するとブログで示唆した。これが実現すれば、AIが“定理証明の定跡”を再定義し、数学的創造性の定義自体が揺らぐ。


7. 課題――計算資源・環境・公平性

OpenAIの推定消費電力量は約1.3 MWh(試算)で、水冷データセンター約3時間分に相当する。環境負荷はもちろん、参加国間の資源格差は拡大する恐れがある。IMO委員会は「来年以降、AI参加を公式カテゴリーに分離し、消費電力上限を設ける」案を協議中だ。


また、「AIの答案に人間が加筆したら?」という“ハイブリッド不正”の検知も未解決だ。DeepMindはホログラム署名付きの“自己証明トークン”を開発中だという。


8. 未来図――協働か競合か

総括すると、今回のIMOは**「人間が僅差で勝利したが、AIはすでに同じリングに立った」**ことを世界に示した。
SNSのハッシュタグ #TeamHuman と #TeamAI は、しばしば対立構図で論じられる。しかし現場の生徒たちは「競い合い、教え合うライバル」としてAIを受け入れ始めている。


次回2026年IMO(セルビア予定)では、AIカテゴリ創設/人間カテゴリ分離が現実味を帯びる。そこで再び“35点”の壁が意味を失うのか、それとも新たな天井が打ち立てられるのか――数学の未来は、黒板のチョークとシリコンのトランジスタが共に書き加える余白で輝きを放つだろう。


参考記事

人間が国際数学コンテストでAIを打ち負かす、AIは金メダル級のスコアを獲得するも
出典: https://phys.org/news/2025-07-humans-ai-international-math-contest.html

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