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大阪・関西万博、週1回の下水モニタリングで感染症を封じ込める――メガイベント初の“ウォーターフットプリント”監視体制の全貌

大阪・関西万博、週1回の下水モニタリングで感染症を封じ込める――メガイベント初の“ウォーターフットプリント”監視体制の全貌

2025年07月03日 19:52

1. はじめに――“見えないデータ”で守る万博の安全

  • 下水疫学(WBE)の概念とCOVID-19での躍進

  • 2025年万博が直面する3つの衛生リスク

    1. 高密度来場と多国籍ウイルス株

    2. 熱帯化×水景施設によるレジオネラ増殖余地

    3. 人工島という閉域インフラ特性



2. 監視システムの概要

2-1 週1回×3地点の採水プロトコル

  • 夢洲北東3 kmの舞洲抽水所でボトル採水し24 h以内にPCR処理

  • 採水日は毎週水曜。閑散期(平日)と繁忙期(休日)の動線差を補正するため流量補正係数を導入 kobe-np.co.jp



2-2 20病原体パネル

  • 麻疹、MERS、インフルエンザA/B、ノロ、腸管出血性大腸菌、サル痘ウイルスほか

  • マーカー遺伝子は国立感染症研究所の「下水病原体標準キット」準拠



3. データ連携フロー

  1. Laboratory → Dashboard

    • OIPH内のLIMS経由で12 h毎のCt値をPush

  2. Dashboard → Expo 平時室

    • 機械学習モデルで「上昇トレンド3日連続」を赤信号

  3. Expo 平時室 → 大阪市保健所

    • クラスター対応班がクリニック受診データとクロス集計

    • あわせて訪日客の母国語SNSへ自動投稿(英・中・韓)



4. 東京2020五輪との違い

項目東京2020大阪万博2025
期間17日間184日間
対象病原体SARS-CoV-2のみ20種マルチパネル
分析頻度毎日週1回+臨時(陽性時)
解析法RT-qPCRqPCR+メタゲノム+バリアントスクリーニング



東京2020ビレッジでのWBEは臨床発症の1.7日前に陽性を捉えた実績がある academic.oup.com。万博では来場者規模が桁違いのため、サンプル平滑化アルゴリズムを強化して虚偽陽性率を1 %未満に抑える設計だ。



5. 下水サーベイランスがもたらす“4つの安心”

  1. 早期警戒:発熱外来に患者が現れる前に信号。

  2. 言語バリア解消:多言語アプリでリスクレベルを色分け表示。

  3. 迅速封じ込め:陽性シグナル時は周辺館のCO₂センサー閾値を自動で厳格化。

  4. 都市レガシー:万博後も夢洲再開発地区の常設モニタリングへ。



6. 技術詳細――PCRからAI解析まで

  • 24ウェルqPCR装置×2基、最短3 hでCt値算出

  • メタゲノムはOxford Nanopore GridIONを用い、塩基変異をリアルタイム検出

  • Azure上のAutoMLでベイズ時系列予測



7. 課題と展望

  • 粒子状物質によるRNA吸着⇒回収率ばらつき

  • 観測地点が海水潮汐の影響を受け希釈される問題

  • 次世代はオンサイトループ(自律型センサー+Edge AI)へ



8. 国際的評価と波及効果

WHOのMass Gathering Health Networkは「万博モデル」を2026年ミラノ‐コルティナ冬季五輪のリファレンスケースに採択予定。オーストラリアBrisbane2032は海港型会場で同システムを参照。



9. まとめ

大阪・関西万博の下水疫学は、環境データと行動データを融合する“ウォーターフットプリント”の実践だ。来場者も主催者も、「見えない水の声」を聴くことで感染症から身を守る新時代に踏み出す。



参考記事一覧

  1. 神戸新聞NEXT「万博会場周辺の下水で感染症調査 はしかなど拡大予測の研究」(2025年6月29日)kobe-np.co.jp

  2. 福井新聞ONLINE「万博会場周辺の下水で感染症調査 はしかなど拡大予測の研究」(同)fukuishimbun.co.jp

  3. AP News「Japan’s Osaka Expo temporarily suspends water shows after high levels of bacteria detected」(2025年6月9日)apnews.com

  4. Kitajima M. et al. “COVID-19 wastewater surveillance implemented in the Tokyo 2020 Olympic and Paralympic Village.” Journal of Travel Medicine 29 (3), 2022. academic.oup.com

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