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地球の神秘:私たちが知らない86%の生命たち - 生物多様性と“数え上げ”のジレンマ

地球の神秘:私たちが知らない86%の生命たち - 生物多様性と“数え上げ”のジレンマ

2025年10月17日 00:23

「数える」ことの難しさが、21世紀の核心になった

「地球上の種はいくつあるのか?」――一見、単純だが底なしに難しい問いだ。ZME Science の記事は、「約870万種」かつ「未記載が陸86%、海91%」という推定を再紹介している。これは2011年に海洋生物センサス関係者らが提案した手法(上位分類群から種数を外挿)に基づくもので、“従来の300万~1億という大幅な幅”を狭めたとして注目された。ScienceDaily


同推定は、陸6.5百万+海2.2百万=計8.7百万という内訳を提示し、**「人類が記載済みなのはごく一部」**という現実を可視化した。ナショナルジオグラフィックや Nature のニュースも当時この結論を広く伝え、「陸の86%・海の91%が未発見」という強いフレーズが独り歩きするほど浸透した。National Geographic


それでも“数字”が一つに定まらない理由

最新レビューは、動植物・菌類・原生生物など真核生物に限った全体像をおよそ数千万未満に収まるとみる一方、微生物まで含めると**“1兆種”に跳ね上がる**という研究も存在する。つまり、どこまでを「数える」かで桁が変わるのだ。研究アプローチも、形態・生態に基づく古典的分類から、DNAバーコーディングやメタゲノムといった分子手法まで多岐にわたり、手法の違いが推定の違いを生む。PMC


ポイントは次の3つだ。

  1. 対象の範囲:真核生物だけか、微生物も含めるか。

  2. 外挿モデル:上位分類群→種への外挿は、分類群の偏りに影響されやすい。

  3. 同物異名(シノニム)問題:既記載種の重複カウントが総数を曇らせる。PMC


「どこに未知が潜むのか」を地図化する試み

未知の種が最も眠る場所として、熱帯林(ブラジル・インドネシア・マダガスカル・コロンビアなど)や島嶼、山地の雲霧林が挙がる。とくに爬虫類・両生類が多い可能性が指摘され、乾燥地帯の爬虫類も有望とされる。これは「人が行きにくく、調査が薄い」場所に探索ギャップが集中していることを示す。news.mongabay.com


技術が切り開く“発見の高速道路”

DNAバーコーディングとメタゲノム解析は、微小・未成熟個体・断片的サンプルからでも同定の手がかりを与える。eDNA(環境DNA)は水や土から痕跡を拾い、在・不在を素早く判定できる。これらの技術は、“暗黒大陸”に光を当てる実装力として、“ダークタクサ”(昆虫・菌類・ダニなど)を一斉に可視化し始めた。Barcode of Lifeなど国際プロジェクトは2040年ごろまでに動物相の網羅を目指すという大胆な見取り図も描く。Vox


それでも“数える”ことは目的ではない

種数の全数把握は、保全・公衆衛生・農業・創薬の土台だ。未知の寄生虫や病原体、送粉者のネットワーク、土壌生態系の機能を理解することは、食料安全保障や感染症リスク管理に直結する。IUCNや「30×30」目標のような政策は、どこに投資し、どこを守るかの意思決定にデータの地図を要する。だから「数える」は守るための手段なのだ。Our World in Data


反論・懐疑・議論:科学はこうして進む

近年は「第六の大量絶滅」をめぐる見解の差も話題だ。記録上の絶滅率はまだ閾値に達していないと慎重論がある一方、未記録の消失や個体群崩壊を加味すれば危機は深刻とする反論も根強い。いずれにせよ、“見えていないもの”の多さが評価を困難にしている事実に変わりはない。Le Monde.fr



SNSの反応まとめ(要旨・論点)

  • 驚きと畏敬:「14%しか分かっていないのか」という素朴な驚嘆が最多。数字の根拠は**8.7百万推定→記載種約120万~200万→≒14%**という計算に基づく、という解説が共有されている。Reddit

  • 分類学への投資を:人材と資金の不足を指摘。「研究費よりも発見チャンスの損失が大きい」との声。フィールドとキュレーター職の待遇改善を求める議論。news.mongabay.com

  • 微生物を入れるか問題:“1兆種”説を引き、「桁が違う」と戸惑う投稿が拡散。真核限定の870万と、微生物を含めた推計の前提差を説明するスレが人気。WIRED

  • 海の深部は99%不明では:深海の探索難易度から、**「海の数字はもっと不明」**とする意見。定量的裏付けは弱いが、感覚的共感は大きい。Reddit

  • 気候・土地利用との接点:森林減少や都市拡大が未記載種を発見前に消す恐れへの警鐘。**「見つけて守る」**の順序をどう最適化するかが論点。news.mongabay.com

  • 拡散用の定番ネタ:**「8.7百万の隣人」**という言い回しや、教育アカウントの教材化ポストも多い。X (formerly Twitter)

※SNSの個別投稿は真偽不明情報も混在するため、論点の要約として紹介し、重要な数値は査読済み・大手媒体の情報に当たっています。ScienceDaily

 




どうアクションにつなげるか

  1. 市民科学に参加:iNaturalist等で観察記録を共有。未記載候補の発見や分布把握に直結。

  2. 研究・保全へ寄付:分類学の人材育成・収蔵庫の整備は地味だが決定打。

  3. “未知が多い地域”の応援:熱帯林や島嶼の保全プロジェクトを支える。

  4. 消費行動の見直し:違法採集や生息地破壊に加担しない選択を。



この記事が伝えたかったこと(結語)

「数え上げ」は、世界を守るための“情報インフラ整備”だ。標本とデータが整えば、見えないものが見える。見えるようになれば、守ることができる。そして、その作業は科学者だけでは到底間に合わない。次の新発見は、あなたのスマホのカメラロールや、あなたが支えた研究室から生まれるかもしれない。



参考記事

この研究によれば、地球上の種の86%を私たちは知らないとされています。
出典: https://www.zmescience.com/ecology/animals-ecology/number-of-species-on-earth-unknown-rep/

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