中国の「ドラゴンマン」頭蓋骨がデニソワ人の可能性？古代人類の謎に新たな光が！

1. 発見のドラマと“ドラゴンマン”誕生

• 1933年、旧満州国時代の労働者が橋梁工事中に巨大頭蓋骨を掘り当てる。

• 日本軍や国民党政権を避け井戸に隠匿→2018年に家族が研究者へ寄贈。

• 2021年、中国・河北地質大学チームがHomo longi（竜江＝黒竜江に由来）と命名。低い長頭・発達した眉堤・1420 ccの大脳容量が特徴。en.wikipedia.org

2. 最新研究：DNAとプロテオームが示した“正体”

• 2025年6月18日、国際チームが歯垢と耳骨からmtDNAとタンパク質を抽出。

• シベリアのデニソワ洞窟由来ゲノムと一致し「極東アーリーデニソワ系統」と判定。livescience.com

• “顔写真”不明だったデニソワ人に初の頭蓋骨資料が出現。

3. 人類進化年表を塗り替える三つの衝撃

1. 地理的衝撃：デニソワ人はチベット高原・ラオス・台湾に続き北緯46°のハルビンにも分布。

2. 時間的衝撃：14.6万年前の大型脳化石＝現生人類とほぼ同時代。

3. 交雑の再評価：“ミドル・プレイストシーンの混線（muddle in the middle）”が一層複雑に。

4. 日本のSNSが沸いた！リアクションまとめ

*X（旧Twitter）リアルタイム検索（6/19 10:00JST、筆者集計）による分類。

5. 「Homo longi」という種名は残るのか

• Chris Stringer博士「最も完全なデニソワ化石だがH. longiという種名は妥当」livescience.com

• 国際動物命名規約では「形態・時代・地理」が十分に差別化されれば有効。

• 今後、台湾・雲陽・甘粛夏河など類似資料との比較が鍵。

6. 東アジア人の遺伝子に残る“ドラゴンの爪痕”

• チベット系の高地適応遺伝子 EPAS1や、東南アジア島嶼部の免疫関連遺伝子がデニソワ由来。

• GTExデータベース解析では日本人にも0.2～0.5 %程度の影響が示唆される研究も。

7. 考古学・古気候学・AI復顔――次なる研究フロンティア

1. タンパク質年代測定の汎用化：DNAが残らない熱帯化石にも応用。

2. マルチモーダルAI復顔：頭蓋3D＋ゲノム＋歯石マイクロバイオームから生活史を再現。

3. 古気候モデリング：最終氷期前夜の北東アジアでヒト属3種が共存した環境をシミュレーション。

8. まとめ：ドラゴンは人類史の“鎖”を外すか

• Harbin頭蓋は「デニソワ人の顔」を持つ最初の完本。

• アジア発の化石が欧米主導の系統樹を揺さぶり、地域起源説を再燃させる。

• 「私たちはどこから来たのか？」という普遍的問いへのヒントが、再び東方から届いた。