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上皮バリアの救世主? “自己縮小”メカニズムが示す創傷治癒と再生医療の未来

上皮バリアの救世主? “自己縮小”メカニズムが示す創傷治癒と再生医療の未来

2025年06月26日 01:02

 **北⻄部医科大学(Northwestern Medicine)の研究チームは、上皮組織が過密状態に陥った際、不可逆的な「細胞押し出し(cell extrusion)」を回避するために、**アポ面(細胞の外側表面)を“自ら縮める”という驚きの仕組み――マクロピノサイトーシス(macropinocytosis)――を発動していることを明らかにした。発表はNature Communications誌 2025年6月23日号で行われ、Phys.orgやNorthwestern University公式サイトなどが詳細を伝えている。

phys.orgnews.feinberg.northwestern.edunature.com


 マクロピノサイトーシスとは、本来がん細胞などが栄養を大量摂取するときに用いる“周囲ごと飲み込む”大胆な取り込み経路である。今回、研究者らはカエル胚(Xenopus)表皮をモデルに、アクチンで縁取られたリング状構造がアポ面に現れ、そこを起点として細胞膜が内側へ陥入していく様子をライブイメージングで記録した。その結果、アポ面積は一気に20〜40 %縮小し、周囲細胞間の張力バランスが再構築されることで、細胞押し出しを回避できることが判明した。phys.orgnature.com


 さらに、マクロピノサイトーシス阻害薬(EIPA など)を投与すると細胞押し出し頻度が有意に増加。これは「アポ面縮小 → 過密緩和 → 押し出し不要」というシーケンスが破綻した証左であり、マクロピノサイトーシスが“安全弁”として機能していることを裏づける。シニアオーサーの Brian Mitchell 准教授は「組織にとって細胞押し出しは高コストで不可逆。マクロピノサイトーシスは“軽傷で済ませる”第2の選択肢だ」と説明する。news.feinberg.northwestern.edu


 上皮細胞の過密は、炎症・創傷治癒・腫瘍形成など多彩な場面で起こる。押し出された細胞は免疫細胞の“餌食”となり、組織バリアが一時的に弱まる。したがって今回の知見は、慢性炎症性腸疾患(IBD)や肺線維症など、上皮バリア障害を伴う疾患の理解と治療戦略に波及効果をもたらす可能性が高い。実際、Nature Communications 論文のディスカッションでは「腸オルガノイドや気道オルガノイドでも同様の仕組みが動作するかを今後検証する」との計画が示された。nature.com


 発見の鍵となったのは、機械的ストレスのセンシングだ。過密状態になると、細胞間接着装置(デスモソームなど)にかかる張力が増し、下流で RhoGTPase/Rac1 系が活性化される。これがアクチンリングを誘導し、マクロピノサイトーシスをトリガーするというモデルが提唱された。上図(画像カルーセル参照)は、デスモソームの構造を示す概略図である。


SNS の反応とエコー

  • X(旧 Twitter)

    • Mitchell Lab公式アカウントは「Apical Size Reduction by Macropinocytosis Alleviates Tissue Crowding」と題するツイートをポストし、蛍光ライブ動画を添付。「ポストドクの Enzo Bresteau が主導した快挙!」と祝福した。twitter.com

    • 細胞生物学者 @myosinactncrazy は「がん細胞で悪用される経路を正常細胞が“善用”しているのが興味深い」とコメントし、免疫学者やがん研究者からもリプライが相次いだ。twitter.com

  • LinkedIn

    • Technology Networks 記事(6/25公開)には24時間で「いいね!」が1,200件以上集まり、バイオテック企業の研究者から「オルガノイド‐オン‐チップで再現したい」といった声があがった。technologynetworks.com

  • Reddit /r/science

    • 「細胞は“自分で立ち退く”か“家を狭くする”か二択だったとは!」というスレッドが立ち、数時間で400以上のアップボートを獲得。「もし腸上皮で同じ現象が起こるなら、クローン病の新ターゲットになるかも」と議論が白熱した(投稿は現時点でアーカイブ待ち)。

 


医学・産業応用のポテンシャル

  1. 再生医療

    • 人工皮膚や上皮オルガノイドの長期培養では、過度の押し出しが壊死や剥離を招く。本メカニズムを誘導する薬剤スクリーニングにより、組織寿命を延長できる可能性がある。

  2. がん治療

    • がん細胞はマクロピノサイトーシスで栄養を奪う“悪用モード”を持つため、正常組織での“善用モード”と対比することで、選択的阻害剤開発のヒントになる。

  3. ドラッグデリバリー

    • マクロピノサイトーシスを介した高分子取り込み経路を開拓すれば、核酸医薬やワクチンの経上皮送達効率を高められる。


今後の研究課題

  • 分子機構の詳細解明:Rho/Rac GTPase からアクチンリング形成までのシグナルカスケード。

  • 組織特異性:腸・気道・角膜など、物理的ストレスの種類が異なる環境での汎用性。

  • 病理的条件下での挙動:炎症サイトカインや低酸素環境がマクロピノサイトーシスに与える影響。

参考記事

上皮細胞が細胞の損失を伴わずに組織の過密を緩和する新しいメカニズムを明らかに
出典: https://phys.org/news/2025-06-epithelial-cells-reveal-mechanism-ease.html

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