「まさかこんな症状が?」その違和感、見逃してない?がん専門医が語る「意外すぎる4つのサイン」

「まさかこんな症状が?」その違和感、見逃してない?がん専門医が語る「意外すぎる4つのサイン」

「こんな症状が、がんと関係あるの?」から始まった議論

「ワインを飲むといつも同じ場所が痛い。それで病院に行ったら、ホジキンリンパ腫だった」。

アメリカの有名ながん専門医ミッケル・セケレス医師が紹介した、ある患者のエピソードがオンラインで話題になっています。彼は米紙 Washington Post のコラムで、「医師として日々見ている、意外すぎるがんのサイン」を4つにまとめて紹介しました。The Washington Post


記事が公開されるやいなや、SNS上ではこんな声が並びました。

「#がんのサイン って咳とかしこりだけだと思ってた…」
「お酒のたびに同じところが痛むって、確かにちょっと怖い」
「自分の違和感を“気のせい”と決めつけない勇気が大事かも」


もちろん、ここで挙げる症状があるからといって、すぐにがんと結びつける必要はありません。むしろ多くの場合は別の、よりありふれた原因によるものです。The Washington Post


それでも、「放置して後悔するより、一度相談して安心したほうがいい」というのが、筆者医師のメッセージです。

では、その“4つの意外なサイン”とは何でしょうか。



1. お酒を飲むと、いつも同じ場所がズキッと痛む

最初のサインは「アルコールを飲んだあと、特定の場所が決まって痛む」というもの。
先ほどの症例では、ワインを飲むたびに胸の奥が痛み、その原因を調べた結果、大きなリンパ腫のしこりが見つかりました。The Washington Post


どんな仕組み?

一般的に、飲酒後の胸や胃の痛みは、食道炎や胃炎などアルコールが粘膜を刺激することで起こります。多くは市販薬や生活習慣の改善で良くなるものです。The Washington Post


しかし、ホジキンリンパ腫の一部では「アルコールを飲むとリンパ節が痛む」という現象が古くから知られています。とある研究では、診断された患者の少なくとも約5%にこの症状が見られたと報告されています。The Washington Post


アルコールにより血管が急に広がったり、炎症性の物質が放出されたりすることで、腫瘍のあるリンパ節が痛みやすくなると考えられています。


SNSの反応

「お酒を飲んだあと、いつも同じリンパ節が痛いって人いる?」
「飲むたびに腰の同じところが痛い…さすがに検査行こうかな」

医師が強調しているのは、「飲酒後のすべての痛みをがんに結びつける必要はない」という点です。けれども、毎回ほぼ同じ場所が痛み、その状態が続くようなら、一度は専門医に相談してみる価値があるとされています。



2. たいした転倒でもないのに骨折したら…

2つ目は、「軽い衝撃なのに骨が折れた」というケース。
年齢とともに骨密度が低下し、骨粗しょう症による骨折が増えるのはよく知られています。アメリカでは毎年約200万件の骨粗しょう症関連骨折があるとされるほどです。The Washington Post


しかし、比較的若い年代で、軽くぶつけただけ・少しひねっただけで骨折した場合、その骨に腫瘍がある、あるいは他の臓器からがんが転移してきている可能性がごく一部にあります。医学的には「病的骨折(pathologic fracture)」と呼ばれます。The Washington Post


どんながんが骨を弱くする?

がんが骨に関わるケースは、全がんのうち約5%とされています。その中で病的骨折を起こす人はさらにその数%程度ですが、統計的には「原発性骨腫瘍」よりも「他の臓器のがんが骨に転移して起こる骨折」のほうが圧倒的に多いとされています。The Washington Post


骨に転移しやすい代表的ながんは、乳がん、肺がん、甲状腺がん、腎がん、前立腺がんなど。X線やCT、MRI、骨シンチなどの検査で詳しく調べることができます。The Washington Post


SNSの反応

「学生のとき、段差でつまずいただけで大腿骨骨折した友達がいた。あとでがんが見つかったと聞いてゾッとした」
「“ちょっとひねっただけ”なのに骨折した…とりあえず骨粗しょう症だけじゃないかもと覚えておく」

もちろん、ほとんどの骨折は単純に骨の弱さや外傷によるもので、がんとは無関係です。それでも、外力が非常に軽いのに骨折を繰り返す、X線で骨が“虫食い状”に見えるなどの所見があれば、医師はがんの可能性も視野に入れて検査を進めます。



3. 血液検査でカルシウムが高いと言われたら

3つ目は、「血液検査でカルシウムの値が高い」と指摘されたときです。

カルシウムの異常は、甲状腺や副甲状腺の病気、ビタミンDの過剰摂取、特定の薬の副作用など、さまざまな原因で起こりえます。The Washington Post


大規模な研究では、5万人以上のかかりつけ患者を追跡したところ、カルシウム高値の人は正常値の人と比べて、1年以内にがんと診断されるリスクが2倍以上になっていたという報告もあります(とはいえ、実際にがんに至った人の絶対数は決して多くはありません)。The Washington Post


カルシウムが高いときの自覚症状

がんに伴う高カルシウム血症では、次のような症状が出ることがあります。

  • 腎臓結石による腰背部の強い痛み

  • 骨の痛みや筋力低下

  • 吐き気・便秘

  • 気分の変化、ぼんやりする、意識がはっきりしない などThe Washington Post

この状態を引き起こすがんとしては、一部の肺がん、乳がん、腎がん、膀胱がん、卵巣がん、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などが知られています。腫瘍そのものが骨を壊してカルシウムを放出したり、カルシウムを上昇させるホルモン様物質を分泌したりするためです。The Washington Post


SNSの反応

「人間ドックで“カルシウム高め”って言われたけどスルーしてた…ちゃんと再検査行こう」
「体がだるくてイライラしてたのを“性格の問題”にしてたけど、もしかして血液検査で何か分かるのかも」

高カルシウム血症は、がん以外でも頻繁に起こります。ただ、検査でカルシウムが明らかに高く、なおかつ体調不良が続くなら、原因をはっきりさせることが大切です。



4. 授乳していないのに胸が腫れる・赤くなる・乳頭から分泌物が出る

最後のサインは、多くの人が「乳腺炎(マスティティス)かな?」と思いがちな症状です。

  • 胸が痛い

  • 赤く腫れて熱をもっている

  • かゆみが強い

  • 乳頭から分泌物が出る  など

授乳中であれば、多くは細菌感染などによる乳腺炎で、抗生物質や冷却などの治療で改善します。The Washington Post


ところが、授乳していないのにこうした症状が続く場合、ごく一部ですが「炎症性乳がん」というタイプの乳がんの可能性があります。炎症性乳がんはアメリカの乳がん全体の2〜4%とされる比較的まれながんですが、進行が速いことで知られています。The Washington Post


特徴的なのは、オレンジの皮のように表面がブツブツした皮膚(“peau d’orange”)。冷却や市販の鎮痛薬、抗生物質などで良くならない場合、画像検査や生検が必要になることがあります。The Washington Post


乳頭分泌についても、ほとんどはホルモンバランスの乱れや良性の乳腺疾患によるもので、手術を受けた人のうち2〜15%程度しか乳がんは見つからなかったという報告があります。The Washington Post


ただし、「片側だけ」「同じ場所から」「繰り返し続く」分泌は、念のため精密検査を検討すべきとされています。The Washington Post


SNSの反応

「授乳してないのに胸が赤く腫れたことがあって“ストレスかな”で終わらせてた。この記事読んでゾッとした」
「“オレンジの皮みたいな皮膚”って表現、覚えておこう。自分だけじゃなく家族のためにも」



「心配しすぎ」でも「放置しすぎ」でもなく、ちょうどいいラインを探す

ここまで読むと、「もしかしてあのときの痛みも…?」と不安になってしまった人もいるかもしれません。


セケレス医師は記事の最後で、「私たちは新しい痛みや異常な検査値を見ると、つい最悪の事態――がん――を想像してしまうが、多くの場合はもっと無害な原因によるものだ」と強調しています。The Washington Post


一方で、「完全に気のせい」と決めつけてしまうことにもリスクがあると指摘します。重要なのは次の3点です。

  1. “いつもと違う”症状が続くかどうかを意識して観察すること

  2. 日常生活に支障が出るほどの痛みや不調があるなら、まずはかかりつけ医へ相談すること

  3. 不安を一人で抱え込まず、医療者と情報を共有すること

SNSでも、「不安を煽る記事ではなく、“適度に怖がることの大切さ”を教えてくれた」というコメントが目立ちました。


「『大半はがんじゃないけど、一度は医師に相談を』というスタンスがいい」



今日からできる“がんサイン”との付き合い方

最後に、この記事を読んだ私たちが、今日から実践できるポイントをまとめます。

  • 気になる症状をスマホのメモに残す

    • いつから/どこが/どんなときに/どれくらい痛むのかを簡単に記録しておくと、診察時に役立ちます。

  • 健康診断や血液検査の結果を見直す

    • カルシウムなど、普段あまり気にしていない項目も、「高め」と指摘されたら一度医師に確認を。

  • “恥ずかしい場所”の症状こそ、信頼できる医師に打ち明ける

    • 胸、陰部、肛門など、話しづらい部分ほど「もう少し様子を見よう」と先延ばしにしがちです。

  • SNSの情報はあくまできっかけに

    • 体験談や記事は「受診のきっかけ」にはなりますが、最終判断は必ず医療機関で。



おわりに:小さなサインに、やさしく気づける社会へ

今回紹介した4つのサイン――

  1. 飲酒のたびに同じ場所が痛む

  2. 軽いケガで骨折する

  3. 血液検査でカルシウムが高い

  4. 授乳していないのに胸の腫れや乳頭分泌が続く

はいずれも**「頻度は高くないが、見逃したくないシグナル」**です。The Washington Post


どの症状も、「たまたま」「疲れのせい」で片づけられてしまいがち。だからこそ、家族や友人、SNSのつながりの中で「ちょっと気になるなら、一度診てもらおう」と声を掛け合えることが大切です。


がんは、早く見つかるほど治療の選択肢が増えます。
自分の体の小さな声に耳を澄ましつつ、必要以上に恐れすぎない。
その“ちょうどいい距離感”を、一緒に探していきましょう。



参考記事

寄稿コラム | がん専門医が教える、知っておくべき4つの意外ながん症状 - ワシントン・ポスト
出典: https://www.washingtonpost.com/wellness/2025/11/12/surprising-cancer-symptoms/