メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

『どう感じた?』の一言がリピートを動かす — レビューを書くと“自分”がファンになる : 感情表現が生むロイヤルティの逆説

『どう感じた?』の一言がリピートを動かす — レビューを書くと“自分”がファンになる : 感情表現が生むロイヤルティの逆説

2025年11月07日 00:13

導入——レビューの“送り手”は何を得るのか

レビューはずっと「読む人」のための情報だと考えられてきた。しかし最新研究は、レビューを書く行為そのものが“書き手の将来の行動”を変えると指摘する。ベイズ・ビジネススクール(City, University of London)と上海財経大学、シカゴ大学ブース校の共同研究は、感情ベースのレビューが書き手の推奨と再購入を押し上げ、逆に事実・分析ベースのレビューはそれらを下げる傾向を示したという。論文はJournal of Marketingに掲載された。


研究の設計——3つの文脈で確かめる

研究は三部構成だ。

  • フィールド実験(N=4,016):中国の家事代行プラットフォームで、金銭インセンティブや「感情を語らせる」設問を用いてレビューの書き方を操作。感情表現が増えるほど、書き手の再購入・紹介確率が上昇し、詳細で合理的な記述は低下させた。

  • シナリオ実験(約1,900人):品質を統制したポッドキャスト体験で、感情誘導/事実誘導の設問をランダムに割付。結果は再現し、分析的内容は推奨・再購入を抑制した。

  • 観察データ分析(約9,000件、2,000超の搭乗体験):自然発生的な航空レビューでも、先の傾向が確認された。


結論1——「情報量—ロイヤルティのトレードオフ」

読者にとって有益な“情報豊富なレビュー”は、書き手の忠誠をむしろ弱めることがある。シンプルなサービスや高価格商品、経験豊富な顧客ほど、長いレビューはロイヤルティと相性が悪いという差異的効果も示された。つまり「より緻密なレビューを集めるほど、書き手の再購入・紹介は落ちる」可能性がある。


結論2——質問文がすべてを決める

プラットフォーム側の“聞き方”が行動を変える。
「この製品はどう感じた?」や「訪問のハイライトは?」など感情誘導の設問は、書き手の推奨・再購入を高める。一方「長所と短所は?」「体験を詳述して」など認知誘導の設問は、批判的思考を呼び込み、再購入・紹介を抑える方向に働く。レビュー募集フォームやNPS自由記述欄のわずかな文言が実購買に効く——これが本研究の実務的含意だ。


なぜそうなるのか——行動メカニズムの仮説

本論文はメカニズムの直接検証を主眼としていないが、結果から以下の仮説が立つ。

  1. 自己整合と物語化:感情を言語化する過程は、体験を“自分の物語”に編み直す。物語は再選択の理由付けを提供し、推奨と再購入を強める。

  2. 反芻的思考のコスト:細かな長所短所の列挙は“検討の再開”を促す。代替比較が活性化され、満足の確信が薄れる。

  3. 認知負荷の差:長文・分析は書き手に負荷を与え、結果として小さな不満が拡大解釈される。
    (※以上は論文からの帰納的解釈であり、理論付けは今後の発展課題)


実務インパクト——レビュー・エンジニアリングの基本設計

  • 商材タイプで出し分け:

    • シンプル/高額/経験者ドミナントなら、短く感情を引き出す。

    • 複雑/高関与/学習が必要なら、段階的に情報も収集しつつ、最後は感情で締める。

  • 設問テンプレ:

    1. 「最も心に残った点は?」

    2. 「購入前と比べて気分はどう変わった?」

    3. 「ひと言で表すと?」

    4. (オプション)「もし友人に勧めるなら何と言う?」

  • 長文ガイドの慎重運用:レビューの“深掘りフォーム”は、複雑商材やサポート改善の場面に限定する。全件で詳細回収を狙わない。

  • プラットフォーム実装:A/Bテストで「質問文(感情誘導 vs 認知誘導)×文字数上限×タイミング(受領直後/1週間後)」を直交比較し、再購入率・紹介率を主要KPIに置く。関連研究は、eWOMの信頼やSNS上のエンゲージメント設計がロイヤルティに波及しうることを別方向から示している。


SNSの反応と周辺文脈(11月6日AM時点)

記事公開(現地11月5日)から時間が浅く、個別ポストの拡散はまだ限定的だが、マーケ界隈のコミュニティでは「レビューは読者だけでなく書き手の行動も動かす」という視点への支持が見られる。具体的には、

  • “感情誘導のレビュー設計は合理的”:従来のSNS研究でも、ブランドの感情的ポジティビティやUGCがエンゲージメントと推奨行動に関与する知見があり、本研究は“書き手側の行動変容”を補強したと受け止められている。

  • “AI生成の感情は逆効果の恐れ”:一部では、AIが過度に感情的コピーを自動生成することへの警戒も共有される。真偽不明感はブランドの信頼を損ないうるという先行報告が再掲され、**「感情はオーセンティックに」**が合言葉に。

  • “ブランドロイヤルティの定義整理”:コミュニティ解説では、価格動機中心の「カスタマー・ロイヤルティ」と感情・同一化中心の「ブランド・ロイヤルティ」の違いを踏まえ、本研究の示唆は後者に強くかかるとのまとめが流通。

注:上記は11/6(木)日本時間朝時点での公開情報とオープンなコミュニティ投稿を横断し、観測できた傾向の要約です。固有のSNS投稿IDや個人ポストの直接引用は避け、再現可能な公開資料に基づいています。


ブランドへのチェックリスト(保存版)

  • レビュー設問の1問目は感情を問う

  • 高額・シンプル商材では文字数上限を低めに

  • 体験直後の“短いエモ”→1週間後の“補足情報”の二段回回収

  • NPS自由記述は「ハイライト/気分変化/一言」テンプレで短文化

  • KPIは再購入率・紹介率を主指標、星評価や語数は従属に

  • 生成AIの文案はオーセンティシティの担保(明示やハイブリッド編集)


研究の位置づけと今後

本研究は、UGC研究の重心を「読む人の効果」から「書く人の効果」へと拡張し、レビューは自己帰属と行動を再設計するという重要な視点を提示した。今後は、感情の離散カテゴリ(喜び/怒り/驚き等)や文化差、業界差の影響も精緻化されるだろう。すでに文化や商材タイプで感情の出方が変わるという新しい予備的報告も現れており、設問設計のローカライズが次のフロンティアになる。



出典

  • Phys.orgニュース「感情的な商品レビューは書き手のブランド・ロイヤルティを高める」(2025/11/5)。研究の要点、サンプル規模、設問例、トレードオフの概念。

  • City St George’s経由のEurekAlert!プレスリリース(2025/11/5)。各実験の設計と主要結果の詳細。

  • Journal of Marketing掲載情報(タイトル・DOI)。

  • SNS/コミュニティ文脈の参照:ブランド・ロイヤルティの定義解説(Reddit for Business)、感情的メッセージのSNS効果研究、AI生成メッセージの“真正性”に関する注意喚起。


参考記事

研究によると、感情的な商品レビューを書くことがブランドへのロイヤルティを高めることがわかりました。
出典: https://phys.org/news/2025-11-emotional-product-brand-loyalty.html

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.