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カーペット、服、ダッシュボード ─ 肺の奥で何が起きている? 室内由来マイクロプラスチックのリアル

カーペット、服、ダッシュボード ─ 肺の奥で何が起きている? 室内由来マイクロプラスチックのリアル

2025年09月12日 01:50

1. 「見えない霧」は家と車にある

「マイクロプラスチック」と聞くと海や食品を想像しがちだが、最新の研究は視線を“空気”に向け直させた。Forbes JAPANが伝えたところによれば、フランス・トゥールーズ大学のチームが、家庭と車内の空気に漂う1〜10μmの微細なプラスチック粒子をラマン分光で解析。その結果、成人が吸い込む量は1日あたり約6万8000粒に達する可能性が示された。従来の推計の“約100倍”という衝撃的な見直しだ。Forbes JAPAN


2. なぜ“1〜10μm”なのか

10μm以上の粒子は上気道で捕捉されやすいが、1〜10μmは肺の深部に到達しやすい。今回の論文は、既存研究が見落としがちだったこのサイズ帯に的を絞ったことが特徴だ。研究チームは住宅と車内の空気サンプルを採取し、粒径・形状・ポリマー種を評価。住宅の中央値は528粒/m³、車内は2238粒/m³。形状は97%が断片で、住宅ではポリエチレン(PE)、車内では**ポリアミド(PA)**が優勢だった。PLOS


3. 屋内は屋外より“濃い”

研究は、屋内の浮遊MP濃度が屋外の約8倍、堆積塵では約30倍に達するという先行知見を踏まえる。加えて、先進国の人は1日の約90%を屋内で過ごし、約5%は車内にいる。つまり、私たちが毎日浴びる“主戦場”は、海でも路上でもなく家と車だという現実である。PLOS


4. 数値の裏側──推計の方法と限界

「6万8000粒/日」は、今回の観測値と既存研究データを統合し、サイズ分布のパワーローを用いて推計した値だ。サンプルは3つのアパートと2台の車(合計12サンプル、うち住宅7・車内5)と小規模で、住宅と車内の濃度差も統計的に有意ではない(p=0.5)。一方で、従来法(μFTIR)が検出しにくかった微小粒をラマン分光で拾い上げ、曝露の“見積もり漏れ”を埋めたことは重要だ。PLOS


5. 体の中で起きること

微小なMPは気道をすり抜け、肺組織に沈着して炎症や酸化ストレスを引き起こす可能性がある。さらに、MPは添加剤や残留化学物質を運び、内分泌かく乱や長期的な疾患リスクを増す懸念も指摘される。吸入後に粘液で排出された比較的大きな粒子は、消化管への間接摂取として体内負荷を押し上げる可能性があるという。PLOS


6. SNSの反応──不安、実践、政策要求

この報せはSNSで一気に拡散した。環境団体NRDCは「室内で最大6万8000粒/日を吸入」と警鐘を鳴らし、肺への浸透と健康影響への注意喚起を発信。著名記者のポスト経由でも広く共有され、「何ができるのか」という実践的な議論に火がついた。RedditではHEPAフィルターの導入、乾燥機の使用削減や部屋干しラックの活用、合成繊維衣類の見直しなど、生活目線の工夫や体感談が並ぶ一方、サンプルサイズや統計の妥当性を問う批判的コメントも少なくない。


7. 今日からできる現実的アクション(優先度順)

  1. 換気と空気清浄:定期的な換気+HEPA対応の空気清浄機を居室中心に。フィルターはメーカー推奨周期で交換。rheumatologyadvisor.com

  2. ハウスダスト対策:HEPA搭載掃除機で床・カーペット・ファブリックを丁寧に。拭き掃除は湿拭きで再飛散を抑える。PLOS

  3. 衣類・寝具の見直し:合成繊維(ポリエステル等)は微細繊維の発生源。天然素材の比率を増やし、洗濯時は低回転・低温、乾燥機の多用を避ける。PLOS

  4. 車内環境:日射と摩耗で粒子が増えやすい。走行中は外気導入+適切なフィルタ、停車時は高温放置を避ける。内装・フロアマットは定期清掃。PLOS

  5. 調理・保存:食品はプラ容器での加熱を避け、ガラス・陶器を活用。ボトル水より浄水+再利用ボトルを選ぶ。ニューヨーク・ポスト


8. 誤解しないための注記

  • この研究は観測点が少ない予備的報告であり、地域差・季節差・生活様式の影響は今後の検証が必要だ。PLOS

  • それでも、測定手法の改善で“見えなかった小粒子”が見えた意義は大きい。曝露の主ルートが屋内空気である可能性は、独立の報道・専門メディアでも繰り返し指摘されている。物理新聞


9. まとめ──“選べる粒子”は少ない、でも“選べる行動”は多い

私たちは空気を選べない。だが素材選び・清掃・換気・フィルタという日々の選択で、吸い込む粒子の“総量”は下げられる。家と車を**“見えない霧”の発生源**として捉え直すこと──それがこの研究が投げかけた最大の宿題だ。Forbes JAPAN



参考(一次情報)

  • Forbes JAPAN記事(2025年9月9日掲載)。Forbes JAPAN

  • 原著論文:PLOS One “Human exposure to PM10 microplastics in indoor air”(2025年7月30日公開)。PLOS

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