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がんを“壊す”から“戻す”へ — 韓国発・分子スイッチ治療の衝撃 : がん“正常化”という新パラダイム

がんを“壊す”から“戻す”へ — 韓国発・分子スイッチ治療の衝撃 : がん“正常化”という新パラダイム

2025年09月16日 00:44

「がんは“壊す”から“戻す”へ」——韓国発“分子復帰スイッチ”が示した治療の次の一手

韓国・国立がんセンターとKAISTの研究チームが、がん細胞を正常に近い状態へ“戻す”新概念の技術「REVERT」を発表しました。ポイントは、YY1とMYCという遺伝子がつくる“運命スイッチ”を見つけ、最終標的としてUSP7という酵素を突き止めたこと。大腸がん患者由来オルガノイド(臓器モデル)でUSP7を抑えると、増殖が抑えられ、正常組織の特徴が一部回復することが示されました。論文は2025年1月22日に Advanced Science に掲載。9月9日には国立がんセンターが発表しています。advanced.onlinelibrary.wiley.com

sbie.kaist.ac.kr



なにが新しいのか:REVERTがやったこと

  • 臨界転移状態(正常→がんへ不可逆に変わる直前の不安定な瞬間)を、単一細胞RNAデータと数理モデルで特定。ここで介入すれば正常側に押し戻せるという仮説を立て、シミュレーションを数千回回して遺伝子ネットワークの“回路図”を復元しました。sbie.kaist.ac.kr

  • 解析の結果、YY1とMYCがスイッチとして中核にあることを示し、両者の作用点を追ってUSP7を最終標的に設定。実験系(大腸がん患者由来オルガノイド)でUSP7阻害が腫瘍増殖の抑制と正常性状の回復に結びつくことを報告しました。advanced.onlinelibrary.wiley.com


要するに、“金づち”のように壊すのではなく、配線図を読み解いて間違ったスイッチを入れ直す発想です。臨床の副作用と耐性の壁を、別方向から越えようとする一手です。



どこまで進んだ?:いまは前臨床の基礎段階

  • 検証は細胞・オルガノイドレベル。患者での有効性や安全性は未検証で、臨床応用には相当の時間と再現性確認が必要です。研究側も臨床検証の必要性を明言しています。korea.net

  • 背景としてUSP7は多くのがんで過剰発現し、腫瘍進展に関与することが知られ、創薬標的として長年検討されてきました。REVERTはこの“既知のボス因子”を、正常化という新しい目的に結び付けた点がユニークです。



どう活かせる?:治療の設計図が変わる3つの示唆

  1. 副作用低減の可能性
     細胞死を強いない“表現型の書き換え”は、炎症・毒性を下げ得ます。が、**不完全な“半戻り”**が潜在的に危うい(増殖能が残る・別の表現型に逃げる)点は要監視。

  2. 個別化の加速
     単一細胞の転写地形から“戻しやすい局面”を探す発想は、がん種・患者ごとに別スイッチを見つける拡張性があります(大腸以外でも同様の枠組みが効く可能性)。sbie.kaist.ac.kr

  3. 既存標的×新目的
     USP7のような既存創薬標的に**“正常化”**という新アウトカムを設定。併用療法(免疫、低用量化学療法など)での最適化余地が広い。



SNSはどう受け止めたか:熱狂と慎重論

  • 期待の声:「細胞の運命を正常側へ戻すなんてゲームチェンジャー」——海外コミュニティでは興奮気味の投稿が伸びました。

  • 冷静な指摘:「まだ初期段階。他ラボの追試と臨床までは長い道のり」——技術系掲示板でも慎重論が目立ちます。

  • 日本語圏でも話題化:ニュース共有のポストや投資掲示板で「本当に可能なのか?」と議論。関心は高いが見極めムードも。



リアリティチェック:5つの論点

  • がん種の壁:今回は大腸がん。固形腫瘍でもがん種ごとに遺伝子景観は違い、別スイッチが必要になり得ます。advanced.onlinelibrary.wiley.com

  • 腫瘍内不均一性:同一腫瘍でも系統が複数。戻る細胞と戻らない細胞が混在する可能性。

  • 安全性:可逆的書き換えに見えても、長期安定性(再悪性化リスク)の評価が不可欠。

  • 薬理学的実装:USP7阻害剤の選択性・毒性・体内動態など、創薬上の課題は山積。

  • 臨床設計:バイオマーカー(戻りやすさ指標)とレスポンダー選別が鍵。単一細胞解析の臨床組み込みが勝負所。



関連研究の潮流

  • 2024〜25年にかけ、**“がんの正常化”**を志向する別系統のアプローチ(例:MYB/HDAC2/FOXA2の同時抑制で腸上皮への分化を誘導)も報告され、殺す→分化させる/戻すという流れが強まっています。PubMed


まとめ:いまは“地図が描かれた”段階

REVERTは、がん化プロセスの**“臨界点”を精密に特定し、戻し得るスイッチまで落とし込んだ点で画期的です。ただし現状は前臨床**。ここからは、

  • 他がん種への一般化、

  • 再現性と長期安定性の証明、

  • USP7阻害剤の薬理最適化と臨床試験、
    という王道を一歩ずつ。希望と慎重さの両方を携えて、進捗を見守る段階にあります。advanced.onlinelibrary.wiley.com

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