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海がしょっぱくなる日――衛星が捉えた南極海氷の終わりの始まり

海がしょっぱくなる日――衛星が捉えた南極海氷の終わりの始まり

2025年07月13日 11:58

1. はじめに――“想定外”の報せ

2025年7月11日、米科学メディア Live Science は「南極海氷崩壊と謎の海水塩分スパイクの相関」をスクープした。記事は「2015年から海氷減少が加速し、2023年の最小値は平均より155万km²も少ない」と報告。驚くべきは同期間に海面塩分が増えていた点だ。通常、氷が溶ければ表層は真水化するはずだが、観測は逆だった。Live Science


2. 塩分スパイクのメカニズム

欧州宇宙機関(ESA)のSMOS衛星は電波で海面塩分を測定する。研究チームが2011〜2024年のデータを解析すると、南緯50度以南で顕著な塩分上昇が現れた。これがなぜ起きたのか。


  • 深層暖水の湧昇――海氷減少で風の摩擦が強まり、普段は数百メートル下を流れる南極氷縁暖水(CDW)が表層に達しやすくなる。

  • ブライン・リジェクション――冬季に生成される海氷が塩を排出し、周囲の海水を重くする現象が異常気象で加速。

  • 極低気圧の増加――亜南極低気圧の深まりが、表層水を沖へ吹き出し塩分の高い中層水を吸い上げる。
    これらが複合し、海氷を下から溶かす負のフィードバックを生んだと研究者はみる。Live Scienceニュース.コム.オーストラリア


3. 氷が消えると何が起きるのか

  1. 炭素ポンプの弱体化
    海氷は光を反射し、冷却と炭素固定に寄与。消失すると海面はより温まり、プランクトン群集が変質する。

  2. 南極底層水(AABW)の生成停止
    重い塩水が沈み込むことで作られるAABWは地球深海を巡る熱と栄養の大動脈。塩分パターンの異常で流量が20%減少する恐れが指摘されている。ニュース.コム.オーストラリア

  3. 極端気象の増幅
    海氷後退は偏西風の蛇行を助長し、豪雨・熱波・寒波を不規則化させる。


4. モデルが外した“曲がり角”

IPCC第6次報告書の南極海氷シナリオは、今世紀半ばまで比較的安定と予測していた。しかし実測は10年以上前倒しで崩壊し始めた。研究者は「塩分上昇を組み込んだ新世代モデルなしでは、将来予測は信頼できない」と警鐘を鳴らす。Live Science


5. 現場科学者の声

  • 海洋物理学者・S. ターナー氏(記事筆者)

    「氷が溶けると塩が薄まるという常識が覆された。南極は“見えない臨界点”に近づいている」Live Science

  • 英国南極調査所(BAS)チーム声明

    「衛星とARGOフロートの双方が塩分増と氷減少を裏付ける。データは衝撃的に一致している」ニュース.コム.オーストラリア


6. SNSが映し出す“温度差”

プラットフォーム典型的反応出典
X(旧Twitter)「この研究は気候モデルの想定を吹き飛ばした」(Live Science公式ポスト、1.4万いいね)X (formerly Twitter)
〃NASA Climateは「2025年3月、地球全体の海氷面積が観測史上最少」と投稿X (formerly Twitter)
Reddit r/collapse「文明の支柱がまた一つ崩れた」(トップコメント)Reddit
Reddit r/antarctica「研究者の“完全に予想外”発言が心に刺さる」と現地隊員Reddit
X一般ユーザー気候懐疑派は「南極は循環的変動」と反論。反論への反論も活発。X (formerly Twitter)

 



SNSでは「科学的衝撃」と「政治的分断」が同時進行し、話題の中心は科学的正確さから政策責任論へと瞬時にスライドした。


7. 対策と展望

  • 観測網の拡充
    南大洋は全球海洋観測の空白地帯。低温・高波浪でARGOフロートの回収率が悪い。塩分異常をリアルタイム把握するため、浮遊型SMOS-miniブイの設置が提案されている。

  • 排出削減の前倒し
    AABW弱体化による二酸化炭素の大気再放出を考慮すると、1.5 °C目標のカーボンバジェットは約5年短縮されるとの再計算も。

  • 国際協定の強化
    氷床下の鉱物資源探査を禁じるマドリード議定書(2048年見直し予定)に、海氷保全条項を盛り込む動きが出ている。


8. まとめ――「塩が告げる終わりの始まり」

本稿で見てきた通り、南極海氷の急減は温暖化だけでなく“塩のサプライズ”が引き金となり、地球規模の循環系にドミノ的影響を及ぼし始めた。氷が大洋と大気を隔てる「白い盾」なら、塩はその盾を溶かす「見えない酸」である。観測の空白を埋め、モデルを更新し、排出を即断で減らす――残された時間はわずかだ。次に歴史の転換点を知らせるのは、氷の割れる音かもしれない。



参考記事

南極の海氷崩壊、海洋の塩分急増と関連か
出典: https://www.livescience.com/planet-earth/antarctica/antarctic-sea-ice-collapse-linked-to-a-mysterious-spike-in-ocean-salt

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