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「コピペ」が最強のAI機能に? PowerToys Advanced PasteがオンデバイスAI対応:NPUで動くAIコピー&ペーストが仕事を変える

「コピペ」が最強のAI機能に? PowerToys Advanced PasteがオンデバイスAI対応:NPUで動くAIコピー&ペーストが仕事を変える

2025年11月22日 12:10

1. なにが起きたのか:コピペがAI時代の主役に

「コピペ」がここまでニュースになる日が来るとは、多くのユーザーは思っていなかったはずだ。
しかしMicrosoftは、Windows 11向けの無料ツール集「PowerToys」に含まれるAdvanced Pasteを大きく進化させ、AI時代の入口として位置づけ始めている。


最新のPowerToys v0.96では、Advanced PasteがFoundry LocalやOllamaといったローカルAIランタイムと連携し、PC内蔵のNPU(Neural Processing Unit)でAI処理を実行できるようになった。The Verge


クラウド上の大規模モデルに頼らずとも、コピーしたテキストの翻訳や要約、コード変換が“その場で”行える──そんな未来が始まっている。


2. Advanced Pasteってどんな機能?

Advanced Pasteは、もともと「クリップボードの中身をいい感じに貼り付けし直す」ためのツールとしてPowerToys 0.81で登場した。誤字は文化


代表的な機能は以下のようなものだ。

  • クリップボードの内容をプレーンテキスト・Markdown・JSONなどに変換して貼り付け

  • ショートカットキーで直接「Markdownで貼り付け」など特定の形式貼り付けを発動

  • Word / Excel / LoopなどのOffice系アプリとMarkdownを相互変換して“行き来”させるユースケースも実証済みQiita

技術コミュニティでは「Office書式にロックインされず、Markdownとの共存ができる」と評価するQiita記事も公開されており、開発者やドキュメント職の間でじわじわと支持を集めてきた。Qiita


当初はローカル変換に加えて、OpenAIのAPIキーを登録してChatGPT系モデルに処理を投げることもできたが、これは「API課金が必要な上に、社外クラウドへテキストが送られる」という制約を抱えていた。Windows Central


3. v0.96で何が変わったのか:オンデバイスAIとマルチモデル対応

今回のv0.96アップデートのポイントを、The VergeやWindows Centralなどの報道をもとに整理すると次の通りだ。The Verge


  1. Foundry Local / Ollama を通じたオンデバイスAI対応

    • Foundry Localは、Azure AI Foundryで提供されるオープンソース系モデルをローカルPCで動かすためのランタイム。Microsoft for Developers

    • Ollamaは、LLMをローカル実行するための人気ツールで、Windows / macOS / Linux向けに提供されている。株式会社コムセント

    • Advanced Pasteはこれらと連携し、PCのNPUを活用した高速でプライバシー性の高い推論が可能になった。The Verge

  2. 対応AIモデルが大幅に拡大

    • これまではOpenAIのモデルのみ対応だったが、Azure OpenAI、Google Gemini、Mistralなどを含む複数プロバイダーをサポート。The Verge

    • クラウドモデルとローカルモデルを同じUIから切り替えて使える。

  3. UIの刷新

    • クリップボードに入っているテキストをダイアログ内に表示し、どのモデルで処理するかをプルダウンで選べるようになった。The Verge

    • どのAIに何を投げるのかが見える化され、企業利用でも説明しやすいUIになっている。

  4. 既存機能の強化

    • Advanced Pasteはテキストだけでなく、画像からの文字起こしや、音声・動画をMP3/MP4へトランスコードする機能も持つ。Windows Central

    • v0.96ではCommand PaletteやPowerRenameなど他のユーティリティも改善され、PowerToys全体が「生産性OSキット」に近づいた。Windows Central


4. 実務ではどう使える? 具体的なシナリオ

オンデバイスAIに対応したAdvanced Pasteが、日々の仕事でどんな場面で役立つのか。想像しやすいシナリオをいくつか挙げてみよう。


4-1. 長文メールや仕様書の「30秒要約」

  • メールクライアントやWordで長文をコピー

  • Win + Shift + VでAdvanced Pasteを開き、「要約(日本語)」プロンプトを選択

  • ローカルモデルが数秒でサマリーを生成し、チャットツールやメモアプリに貼り付け

クラウドAPIを介さないため、社外秘情報を含む文書でも心理的なハードルが下がる。The Verge


4-2. 多言語のチャット・サポート

  • 海外から届いた英語メールをコピーして日本語訳を取得

  • 逆に、日本語で書いた内容を英語に翻訳して返信文のたたき台を作る

「AI翻訳サービスを使いたいけど、SaaSに投げるのは怖い」という企業にとって、ローカルモデルによる翻訳は魅力的だ。The Verge


4-3. コード変換・フォーマット調整

SNSでは、「Advanced PasteでXMLをJSONに変換しながらペーストしている」という開発者の投稿も見られる。X (formerly Twitter)


  • 既存のスクリプトを別言語へざっくり書き換える

  • JSON / YAML / CSVなどフォーマット変換を一発で行う

  • コーディング規約に沿った整形をさせる

といった用途では、ちょっとした“AIコパイロット”になる。


4-4. PDFやスクリーンショットからのテキスト起こし

PowerToysの他機能「Text Extractor」との組み合わせに加え、Advanced Paste自身も画像からテキストを抽出する機能を持っている。Windows Central


  • スクリーンショットをコピー

  • Advanced Pasteで「テキスト抽出+Markdown整形」を実行

  • そのままドキュメントに貼り付け

レポート作成や取材メモの整理が一気に楽になる。


5. SNSの反応:歓迎ムードと現実的な視点

今回の「オンデバイスAI対応」は、SNSでどのように受け止められているのか。X(旧Twitter)や技術ブログの反応を眺めると、大きく3つのトーンが見えてくる。


5-1. 開発者・パワーユーザーの熱狂

 


PowerToysの開発リーダーも過去のリリースで「Advanced Pasteの進化が楽しみだ」と投稿しており、コミュニティも当初から期待を寄せていた。X (formerly Twitter)


今回のv0.96では、

  • 「Windowsがようやく“AIコピペOS”になった」

  • 「細かいけど一番仕事が変わるのはこういう機能」

といったポジティブなコメントが目立つ。

Windows開発者向け公式アカウントのアンケートでも、「どのPowerToys機能を一番使うか?」という問いに対し、Advanced PasteがFancyZonesに次ぐ人気を集めている。X (formerly Twitter)


5-2. 日本コミュニティのリアルな評価

日本ではQiitaなどで、「MS 365とMarkdownをつなぐ橋渡しとして実用十分」という詳しい検証記事が公開されている。Qiita


  • Markdownの表や見出しをOffice書式へ、そして再びMarkdownへ戻す実験

  • LoopやWord、Excelとの相互変換

  • 画像からMarkdown形式の画像埋め込みへの変換など

変換結果には余分なコメントが混ざるなど荒削りな点も指摘されているが、「置換処理を少し挟めば実運用に耐える」と総括されており、今回のAI強化でさらに便利になることが期待されている。


5-3. 慎重派・懐疑派の声

一方で、Windows 11のAI機能に対する“疲れ”もSNS上では見え隠れする。
最近のWindowsではAI関連機能の頻繁な追加に対して「また設定項目が増えた」「OSが複雑になりすぎている」といった批判も出ており、Windows部門トップが「やるべきことは多い」と認めるコメントを出したばかりだ。Windows Central


Advanced Pasteについても、

  • 「シンプルなプレーンテキスト貼り付けだけで十分」

  • 「ローカルモデルの品質がクラウド並みに安定するのか疑問」

  • 「NPU非搭載マシンではどこまで快適に動くのか」


といった慎重な意見が散見される。
それでも、「どうせAIを入れるなら、データを外に出さない方向の強化は歓迎」という現実的な評価も多い。


6. セットアップのイメージ:どう使い始める?

公式ドキュメントによると、Advanced PasteでオンデバイスAIを使うには、ざっくり以下の手順が必要になる。Microsoft Learn


  1. PowerToys v0.96をインストール

    • GitHubまたはMicrosoft Storeから最新バージョンを入手し、Advanced Pasteを有効化。

  2. Foundry LocalまたはOllamaをインストール & 起動

    • Foundry LocalはWindows AI Foundryの一部として提供され、CLIやREST API経由でローカルLLMを実行できる。

    • Ollamaはollama run llama3のような形でモデルを起動でき、最近はGUI版も登場している。Microsoft for Developers

  3. Advanced Pasteの設定で「エンドポイント追加」

    • 設定画面から「Add endpoint」を選び、プロバイダー種別(Foundry Local / Ollama / Azure OpenAI / Gemini / Mistralなど)を指定。azurefeeds.com

    • 必要ならURLやAPIキー、モデル名を入力。

  4. ショートカットとプロンプトを整える

    • Win + Shift + Vをトリガーにしつつ、「要約」「翻訳」「コード変換」などよく使うプロンプトをテンプレ化。

    • 実際の貼り付け先アプリ(Teams、Outlook、VS Codeなど)に合わせてキーボードショートカットもカスタマイズ。

  5. NPU対応マシンならさらに快適に

    • Copilot+ PCなどのNPU搭載デバイスでは、CPUやGPUをあまり占有せずにAI処理を走らせられるため、バックグラウンドでの要約や翻訳も現実的になる。Windows Central


7. 企業・チームにとっての意味:AI導入の“入口”としてのコピペ

企業がAI導入を検討する際、「データをクラウドに出したくない」「PoCのために大げさなシステムを組みたくない」という声は根強い。


Advanced Paste+オンデバイスAIの組み合わせは、そうした現場にとって次のような利点をもたらす。

  • スモールスタートが容易

    • PowerToysは無料で、既存のWindows 11環境に追加するだけ。

    • ドキュメント作成や翻訳といった“コピペ起点”の業務から徐々にAIを浸透させられる。

  • プライバシーとコンプライアンスの安心感

    • Foundry Localは「データはローカルから出ない」「Azureサブスクリプション不要」を売りにしており、コンプライアンス的にも説明しやすい。Microsoft Learn

  • Windows AI戦略との整合性

    • MicrosoftはWindows MLやWindows AI Foundryなど、ローカル推論プラットフォームを強化しており、Advanced Pasteのアップデートはその流れと完全に一致している。The Verge


一方で、ローカルモデルのチューニングや更新、ストレージ容量・NPU性能といった運用課題も無視できない。
“コピー&ペーストの延長”だからこそ、導入ハードルは低いが、運用を本格化させるならIT部門との連携が必要になってくるだろう。


8. 今回のアップデートが示すもの:AIは「OSの地味なところ」に溶け込んでいく

Copilotやチャットボットのような派手なAI機能に比べると、Advanced Pasteのニュースは一見地味だ。
しかし、日々の業務で最も頻繁に行われる操作のひとつが「コピー&ペースト」であることを考えると、このアップデートは意外なほどインパクトが大きい。


  • テキストを選択してコピーする

  • ほんの数秒待つ

  • すでに要約・翻訳・整形された形でペーストされる

こうした体験が当たり前になれば、ユーザーは「AIを使っている」という意識すら薄れていくはずだ。
それは、AIがOSやツールの“裏側”に溶け込み、インフラ化していく未来の一端でもある。


今回のAdvanced Pasteアップデートは、WindowsのAI戦略において「派手なデモ」ではなく「地に足のついた生産性向上」を重視する方向性を示していると言える。


そしてその主役は、これまでと同じく、あのシンプルな二つのショートカット――Ctrl+CとCtrl+Vなのだ。



参考記事

マイクロソフトのAI搭載のコピー&ペースト機能が、デバイス上のAIを使用できるようになりました。
出典: https://www.theverge.com/news/825668/microsoft-advanced-paste-powertoys-on-device-ai

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