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年齢は関係ない!?60歳以上でも新しい言語を学ぶ秘訣 : 学習方式よりも自己効力感

年齢は関係ない!?60歳以上でも新しい言語を学ぶ秘訣 : 学習方式よりも自己効力感

2025年09月25日 00:55

「語学は若いうちに始めないと無理」──そんな“常識”を心地よく裏切る研究が出ました。英語話者の60〜83歳、計80名がクロアチア語の基礎をオンラインで学び、文法説明あり(明示的)と説明なし(偶発的=インシデンタル)の2方式を比べたところ、どちらの方式でも平均8割超の正答で同等の成果に到達。書記(読む・書く)課題の方が聴解課題より正答率が高く、説明なしの群は回答が速い傾向まで示されました。さらに、就業中かどうかや**自己概念(健康感・有能感・幸福感)**が学び方に影響する可能性も示唆されています。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ


この知見を読み解くと、**「年齢」よりも「自分に合うスタイルを自分で選べる自律性」と「自信」**が、後年の語学力を押し上げることが見えてきます。研究の全体像はThe Conversation発の解説記事(Phys.org転載)も分かりやすいので、あわせて押さえておくと良いでしょう。Phys.org


研究の中身:何が示されたのか

  • 対象:英語話者80名、年齢60–83歳。初学のクロアチア語で、形容詞-名詞の性一致をターゲットに4レッスンを受講。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  • 条件:

    • 明示的条件=文法説明つき

    • 偶発的条件=説明なし・練習多め
      学習後のポストテストで両群が同等の高成績(平均80%超)。書記課題が聴解課題を上回る傾向。偶発的条件は反応時間が短い(速く正確に解く)という“効率”も。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  • 個人差の要因:連想記憶・音と文字の対応・言語分析力などの言語適性(LLAMAテスト)が成績を説明。就労中かどうかや自己概念との関連も観察され、自信が学習の好循環を生む可能性が論じられています。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  • 重要な含意:**「どの教え方が絶対良いか」より「本人が選べること」**が効く。**入力モダリティ(書記vs聴覚)**の調整が高齢学習者では特に重要。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

なぜ「年齢の壁」は思ったほど高くないのか

脳の可塑性は生涯続きます。加齢で処理速度や記憶の一部は緩やかに下がるものの、語彙・世界知識などの「言語的知識」はむしろ増えるため、明示的学習や転移(既知知識の活用)で補えるのです。Phys.org


また過去研究でも、高齢者の語学学習は実現可能で、語彙学習には意味記憶やエピソード記憶が寄与することが報告されています。PMC


一方で「臨界期」論は今も議論の的。ネイティブ並みの完全到達は年少開始者が有利だとする大型研究もありますが(“学習そのものが不可能”という意味ではない)、それでも17–18歳頃までは高い学習力が保たれるなど、“年を重ねたら無理”とは結論づけていません。TIME


SNSの反応と実感知:何が語られている?

今回の結果に呼応する形で、語学学習コミュニティでは**「年齢で諦める必要はない」派**の声が目立ちます。

  • Reddit(r/languagelearning)では「臨界期は“神話化”されがちで、大人でも十分学べる」という見解が根強く、年齢よりも時間配分や環境の方がボトルネックという議論が頻出。Reddit

  • 同コミュニティでは、**「年を重ねるほど難しいのは事実か?」**というスレでも、脳の変化だけでなく生活上の制約(仕事・家庭)が難易度を上げるとの経験談が多く、やり方の工夫で乗り越えられるとの声。Reddit

  • 個人発信でも「55歳で本格開始、大人の強みを活かせば伸びる」とする体験談が注目を集め、モチベーション維持や自分に合う教材選びの重要性が共有されています。Instagram

つまり、“年齢より設計”がコミュニティの合意形成として進みつつあるのです。


どう学ぶとよいか:60代からの実践レシピ

  1. モダリティを最適化
     今回の研究同様、書いて覚える・読む→聴解の順で負荷を段階化。字幕つき→字幕なしの漸進設計が有効。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  2. “説明でカバー”か“練習で慣れる”かは好みで選ぶ
     どちらでも成果は出る。選択権がモチベと自信を底上げ。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  3. 明示知識×反復のハイブリッド
     文法の骨組みをざっくり理解→短い例文で回数勝負。LLAMAで効いた連想記憶・音字対応・分析力を意識して学ぶ。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  4. “自信”を設計する
     可視化できる進捗(週ごとの到達語彙・既習パターン)を記録。就業中の人の方が暗黙学習が強かったという傾向から、日常で使う/試す場面(ミニ作文、店での定型やり取り)を定例化。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  5. 認知リザーブも意識
     語学学習は高齢期の認知予備能(cognitive reserve)を高めうる活動。脳の健康面でもメリットが期待されます。PMC

教育・EdTechへの示唆

  • 同等の学習成果が出るなら、UIは“選べる設計”に振る:
     説明を読む/読まずに例でつかむをワンタップ切替。聴覚が難しい局面にはTTS速度や反復ボタンを強化。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  • 自己概念を上げるUX:
     週次の達成バッジ+短時間の成功体験で“できた感”を積む。回答時間の短縮をフィードバック指標にするのも有効(偶発群の“速く正確”という効率をヒントに)。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

  • 中高年特化クラス:
     書記中心→聴解漸進のカリキュラム、**既知知識の転移(多言語比較・語源)**を活かす教材設計。エセックス大学オープンアクセス研究リポジトリ

「臨界期」論との付き合い方

2018年の大規模分析は**“10歳以降にネイティブ完全同等は難しい”可能性を示した一方、大人でも高い熟達に到達できる余地ははっきり残しました。今回の研究は、「完全母語話者レベルか否か」ではなく、実用域の到達なら学び方の選択と自信の設計**で十分狙えることを実証的に補強しています。TIME


まとめ:年齢ではなく、設計と自信

60代以降の語学学習は“手遅れ”ではない。むしろ、人生で培った知識と戦略性を“自分に合う形で”動員できるのが強み。明示か偶発かの方式は手段であって、選べること自体が効く。そして、できた体験を積み重ねる設計=自信の輪が、長い学びを支えます。Phys.org


参考記事

年齢を理由に新しい言語の学習を諦めるべきではない:研究が示すこと
出典: https://phys.org/news/2025-09-age-shouldnt-language.html

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