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Z世代を熱狂させる『ワンピース』の海賊旗:ポップカルチャーが抗議運動を横断する理由

Z世代を熱狂させる『ワンピース』の海賊旗:ポップカルチャーが抗議運動を横断する理由

2025年09月26日 00:31

1. 海賊旗が政治の言語になった背景

「ジョリー・ロジャー」が抗議の場に現れたとき、多くの人はそれをジョークやコスプレの延長と思ったかもしれない。しかし、2025年の夏から秋にかけて、旗はミームの殻を破り、Z世代が共有する“物語の言語”として機能し始めた。Fortuneは、この旗が国境を越えて高速に拡散した現象を、デジタル・ネイティブ特有の文化共有とネットワーク拡散が媒介したと捉える。そこでは、国家や言語よりも、物語の象徴性と画像の可搬性が重視されるのだ。 フォーチュン


2. 現場の地図:インドネシアからネパール、そしてその先へ

現場の中心のひとつはインドネシアだった。独立記念日前後、街路や家々に漫画旗が翻り、当局の対応が揺れた――取り締まりを強める動きと、表現の自由を擁護する声がせめぎ合ったのである。TIMEの現地報道は、旗を掲げる若者と、分裂する当局の姿を捉えている。
秋には抗議が各地に広がり、ネパールのデモでも同旗が掲げられた事実が記録されている。象徴は地理と文脈を越え、「圧力に抗う」という単純で強力な語彙として採用された。 ウィキペディア


この流れを俯瞰した総覧は複数ある。ガーディアンはアジア各地のZ世代抗議で旗が「解放の象徴」になったと報じ、欧州でも同様の使用例が見られたと補足した。 The Guardian


3. 抗議の色彩学:「Brave Pink/Hero Green」

旗と並走する“視覚言語”も成立した。インドネシアではピンク(Brave Pink)とグリーン(Hero Green)の配色がSNS上で連帯のサインとして爆発的に普及する。ピンクはデモで毅然と立つ女性のヒジャブに由来するとされ、グリーンは配達/ライドシェア労働者の象徴色だという説明が広く共有された。ニュースと解説は、この2色が「やわらかい勇気」と「生活者の誇り」を表すと読み解く。 ANTARA News


要求面では「17+8 Demands」というスローガンがフレームになり、SNSでの拡散と路上の動員を組み合わせる運動設計が可視化された。 ウィキペディア


4. 政府と治安当局の応答、そして国際的視線

デモの拡大に伴い、治安部隊の対応は緊張を高めた。催涙ガスやゴム弾の使用が報じられ、人権団体や国連機関が調査と自制を求める声明を出す。女性たちはピンクの装いで「腐敗を掃く」象徴として箒を掲げ、路上の豊かな象徴体系がさらに増殖した。 Reuters


5. SNSの反応――賛成・懐疑・メタな議論

可視化されるのは“喝采”だけではない。SNSでは次のような論点が繰り返し浮上した。

  • 「物語が勇気をくれる。Z世代にとって海賊旗は自由のユニフォームだ」という称賛の声(海外掲示板のスレッドでも“まさか漫画が政治を動かすとは”と驚きが共有)。 Reddit

  • 「ファンダムと政治の混淆は、主張の真剣さを弱めないか」という懐疑。ニュースのコメント欄やX投稿でも、ポップ由来の象徴の“軽さ”への違和感が表明された(例示投稿)。 X (formerly Twitter)

  • 「著作権・商標の扱いは?キャラクター由来の旗を運動のシンボルにして良いのか」というメタ議論。メディアは直接的な法的見解を断じていないが、公共空間での“引用”と商用利用の線引きなど現実的な論点が指摘されている(総括は各紙の報道を通覧)。 The Guardian

  • 「越境連帯は国内事情の複雑さを単純化しないか」という批評。国・地域ごとにデモの原因は異なるが、共通する「尊厳と自由」の訴えが旗の“可搬性”を担保しているとの見方が強い。 The Guardian


6. なぜこの旗だったのか――“仲間”という普遍語

『ONE PIECE』の旗は、作品世界で“圧政や不正に抗う仲間”の象徴として長年ファンに浸透してきた。つまり、旗は「敵対に抗う勇気」と「仲間の連帯」を同時に喚起する視覚記号だ。FortuneやWSJの報道は、若者が共有するグローバル・コンテンツが政治的語彙へと転化する回路――“物語→ミーム→運動言語”――を背景に置いている。 フォーチュン


7. 「ミームの政治学」――アルゴリズムと路上の接続

2025年の抗議は、色や旗、短いスローガン、プロフィール画像のテンプレートといった“低負荷な参加”から“高負荷な参加”へ人々を段階的に誘導した。テンポ紙のまとめが示すように、プロフィールの色替え生成ツールやテンプレ配布は拡散の加速装置となる。アルゴリズムは共感の“可視化”を増幅し、街頭の人数とオンラインの熱量が相互に増幅するループを生んだ。 Tempo.co


8. リスクと持続性:検挙、誤情報、レピュテーション

一方で、象徴の簡易さは誤情報の流布も助長する。画像の切り取りやフェイクの拡散は避け難い。治安当局との緊張が高い国では、旗の所持や掲揚が不当な取り締まりの口実となるリスクも報告されている。運動側は正確な一次情報の共有、参加者の安全ガイド、現場の記録の冗長化(多地点・多端末)など、“安全のプロトコル化”を進める必要がある。 Reuters


9. これから――“物語の共有”が示す民主主義の更新

旗が示したのは、Z世代が国家・階級・言語を横断して「物語」を共有しうる時代の政治だ。作品の作者や版権の意図を越え、受け手の解釈が公共圏で再利用される現実――そこでは責任と倫理、そして法の線引きが問われる。だが確かなのは、民主主義の言語は“正論の文章”だけではないということだ。路上で翻る一枚の旗、二色のグラデーション、短い投稿。これらが編む“共有物語”こそ、2025年の新しい政治参加の母語なのである。 フォーチュン


参考記事

世界中のZ世代の革命家たちには共通の象徴があります。それは、歴史上最も売れた漫画『ワンピース』の海賊旗です。
出典: https://fortune.com/2025/09/24/gen-z-revolution-protest-one-piece-pirate-flag-jolly-roger/

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