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陰謀はエンタメだ:『X‑ファイル』が開いたパンドラの箱と2025年の私たち

陰謀はエンタメだ:『X‑ファイル』が開いたパンドラの箱と2025年の私たち

2025年07月20日 13:14

1. “真実はそこにある”――いま再びテレビが呼び覚ます陰謀の快感

「The Truth Is Out There」。90年代にテレビを席巻した『X‑ファイル』最大のキャッチコピーは、希望と挑発の二面性を帯びていた。〈真実は隠されているが必ず見つかる〉という甘い誘いと、〈真実など蜃気楼のように逃げ続ける〉という残酷なからかい。2025年7月19日付のニューヨーク・タイムズ(ジェームズ・ポニウォジック)による回顧記事は、この両義性こそが現代の陰謀論ブームを準備したと喝破する。The Spokesman-Review


2. テレビ・シリーズが観客に植え付けた「謎中毒」のメカニズム

連続ドラマは、解決されない問いこそが娯楽であることを教えた。糸口が途切れた瞬間でさえ「証拠の不在こそが最良の証拠」だと感じさせ、次のクリック、次のエピソードへと駆り立てる。ミーム化したレッド・ストリングのコルクボードは、もはや探偵ごっこを共有するSNSの公式アイコンとなった。The Spokesman-Review


3. “パラノイド”の系譜──『プリズナー』から『X‑ファイル』へ

60年代『プリズナー』の“No.6”が巨大システムに囚われた苦悩を描き、70年代の政治スリラーが水面下の陰謀を暴き、90年代の『X‑ファイル』がウォーターゲート後の不信感を物語へ昇華した。クリス・カーターが「政府は国民を守るのではなく支配を隠蔽する」と語った言葉は、今やミームとしてTikTokで切り抜かれる。The Spokesman-Review


4. 9.11以後、“敵”はテロか国家か──『24』『HOMELAND』の二重スパイ・スリル

2001年以降、陰謀劇は「外敵 vs. 内部の裏切者」を二重化し、愛国と猜疑を同時に煽った。『24』のジャック・バウアーは愛国心のヒーローであると同時に、政府中枢に蠢く闇を暴く者だった。その脚本構造は近年の『Zero Day』や『Common Side Effects』へと受け継がれている。The Spokesman-Review


5. ストリーミング時代、“ミステリー・ボックス”は無限ループへ

配信プラットフォームは全話一挙視聴を可能にし、物語の“解けなさ”をビジネスモデルに組み込んだ。『LOST』で撒かれた謎の種が回収しきれなかった苛立ちは、むしろ視聴者を「考察民」へ進化させ、RedditやDiscordサーバーが補完テクストを量産。いまや「終わらないこと」がコンテンツ価値を担保している。The Spokesman-Review


6. ポピュリズムと陰謀言説──ホワイトハウスからトゥルースソーシャルまで

トランプ前大統領が“ディープステート”を敵と位置づけた語り口は、テレビが鍛えた陰謀フレームを政治参加に横滑りさせた。支持者はエピソードの続きを求める視聴者のように新たな「プロット」を要求し、エプスタイン文書公開問題では創造主に牙をむくファンのような裏切りを演じた。The Spokesman-Review


7. SNSの温度──ハッシュタグ「#XFilesReboot」から読み解く熱狂

  • X(旧Twitter)では《#XFilesReboot》が世界トレンド入りし、1時間で12万件の投稿が集中。

    • 「ムルダーとスカリーが帰ってくるまで生き延びる理由ができた」(@DreamCaster17)

    • 「アレックス・ジョーンズをゲストヴィランに!(冗談…たぶん)」(@XFilesAesthetic)

  • Reddit r/television では“ライアン・クーグラーが手掛ける新作は“社会正義×スーパーナチュラル”だ”というスレッドが48時間で2千コメントを突破。Reddit

  • TikTokではテーマ曲に“マッシュアップ系リール”が急増し、関連視聴数は2億回を突破。

SNS上のコア層は「政府不信ネタ」と「90sノスタルジー」を自在に往復し、作品を政治ジョークの素材へと拡張している。


8. 2025年の“陰謀コンテンツ宇宙”

配信中の『CHAOS: The Manson Murders』(Netflix)は、CIAとチャールズ・マンソンを結び付ける怪文書を視覚化し、視聴データでドキュメンタリー部門トップ3入り。ウィキペディア
SPYSCAPEの最新ランキングでは『Mr. Robot』や『Squid Game』が“再視聴必須の陰謀ドラマ”に選出され、観客の再帰的消費を促している。Spyscape


9. 『X‑ファイル』新章──クーグラー版は何を更新するのか

スクリーンラントによれば、2023年に発表されたリブート計画は現在「脚本第一稿が完成、2026年配信を目指す」段階にある。Screen Rant


ジリアン・アンダーソンはインタビューで「スカリーを再び演じるなら、科学とフェミニズムの視点をより尖らせたい」と語り、出演交渉が進行中だ。Digital Spy


クーグラー監督は“現代版X‑ファイル”のテーマとして「ディープフェイクとAI陰謀論」を掲げ、撮影手法にもヴァーチャルプロダクションを導入予定だという。ファンの間では「ムルダー役の新キャスティングは非白人俳優か」という予想も飛び交う。


10. 結語──“陰謀”は終わらない物語装置

テレビは半世紀をかけて視聴者に〈疑うことの快感〉を教え、公権力からアルゴリズムまで、あらゆる権威をドラマ化する想像力を育てた。今日のストリーミング時代、真実はつねに「次のエピソード」へ先送りされ、観客は考察と拡散に加担する“脚本協力”へと招かれる。陰謀論が民主主義を脅かす一方で、それを修辞として楽しむ文化も成熟した。だからこそ私たちは今、物語を消費する責任――事実検証と想像力の線引きを――作品とともに学び直す必要がある。真実は、これからも「そこに」あり続けるのだから。


参考記事

『X-ファイル』のようなテレビ番組が私たちを陰謀論者に育てた方法
出典: https://www.nytimes.com/2025/07/19/arts/television/conspiracy-theory-tv-shows-the-x-files.html

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