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「月を守る核?」—2024 YR4が突きつける惑星防衛の最終手段:宇宙で核は許されるのか

「月を守る核?」—2024 YR4が突きつける惑星防衛の最終手段:宇宙で核は許されるのか

2025年09月25日 00:47

月に向かう“シティキラー”と、核という最後のカード

もし月に直径60メートル級の小惑星が衝突したら——その瞬間に舞い上がるルナダスト(微小な破片)は、地球周回軌道を一時的に“砂嵐”へ変えるかもしれない。2024 YR4と名付けられたこの小惑星は、かつて2032年12月に地球へ衝突する確率が最大3.1%まで上がり、世界をざわつかせたが、その後の観測で地球衝突は否定。一方で「月に衝突する可能性」は約4%まで上昇し、今も検討対象に残っている【Live Scienceの報道。Live Science】【IAWN通知の更新。iawn.net】。


9月15日に公開された新しい研究(査読前)では、打つべき手を網羅的に比較したうえで、「時間的制約や物理パラメータの不確実性から、従来型の“そっと押す”偏向は非現実的。分割破壊、とくに“核によるロバスト破砕”が現実解として残る」と結論づける。核ミッションの打上げ窓は2029年後半〜2031年末、非核の“強い衝突で粉砕する”作戦は2030年4月〜2032年4月が目安とされる【原論文要旨より。ar5iv】。


「月衝突」の何がまずいのか

“月に当たるなら地球はセーフ”——そう単純ではない。6月に出た別研究は、月面から宇宙へ弾き出される物質(エジェクタ)が、地球低軌道の微小流星体フラックスを数日間でバックグラウンドの最大1,000倍に押し上げ得ると試算した。人間には降り注がないが、時速数万kmの「砂弾」は衛星や宇宙服、宇宙ステーションに致命傷になり得る【研究と総説、ならびに報道。physics.uwo.ca】。


さらにLive Scienceは、ISSが2031年に退役予定だとしても(計画が変わらなければ)、有人・無人の多数衛星は2032年時点でむしろ増えている、と背景を整理する【報道。Live Science】。


「押す」のは難しい、なら「砕く」のか

NASAのDART(2022年)は、人類が初めて天体の運動を変えた実証で、衛星ディモルフォスの公転周期を32分短縮した。しかし今回の対象は、質量・内部構造の不確実性が大きく、猶予も短い。論文は「わずかな見積り誤差が“月回避”どころか“地球方向へ”を招くリスク」も指摘し、偏向ミッションを“非現実的”と判断した【DARTの実績、論文の指摘。NASA】。


そのため、DART型の「優しく軌道を変える」ではなく、「強い衝突で粉砕」または「核でのロバスト破砕」を現実解として検討する流れになっている【原論文、報道。ar5iv】。


それでも立ちはだかる、条約と政治

技術的に「核がもっとも確実そう」に見えても、法的・外交的ハードルは高い。1963年の部分的核実験禁止条約(PTBT)は大気圏・宇宙空間・水中での核爆発を禁じ、1967年の宇宙条約は宇宙空間への大量破壊兵器の配備を禁じる。いずれも“宇宙での核爆発”を想定しており、例外を設けるには国際合意が要る【条約の要点。国連条約集】。2024年には国連安保理で“宇宙の核兵器禁止”再確認の決議がロシアの拒否権で否決され、政治的な機微も浮き彫りになった【経緯。ポリティコ】。


「急げ」の理由

今回の研究が繰り返し訴えるのは“時間”だ。偵察(質量や内部構造、スピンの高精度化)に最善なのは2028年後半打上げで、現時点(2025年9月)から逆算すると開発猶予は約3年。これを逸するほど、偏向・破砕いずれのミッションも設計の自由度が削られる。観測は2028年の再接近期に一段と進む予定で、そこで「月衝突の最終確率」が絞り込まれていく見通しだ【原論文と報道。ar5iv】。


SNSはどう受け止めたか

 


ニュースが拡散すると、SNSでは三つの系統に分かれて議論が沸騰した。

  1. “核でいけ”派:時間がないなら確実性重視、という声。メディアの見出しが「核で粉砕」を強調したことも背中を押した(英タブロイドや地域紙などが相次いで報道)。ただし“査読前”“資金と国際合意が壁”という留保も拡散した【各紙の言及。ニューヨーク・ポスト】。

  2. “月を巻き込むな”派:Redditでは「月に当てる(あるいは無理に当てない)議論」自体への皮肉やユーモアも混じりつつ、「エジェクタの方が危険」という技術的ツッコミが多数。核・非核を問わず“破砕後の破片管理”への懸念が共有された【スレッド例。Reddit+1】。

  3. “落ち着け”派:NASAや研究者の更新を引用し、「地球衝突は否定され、月衝突も数%」「確率は観測で変わる」と冷静さを促す投稿が伸びた。実際、2025年2月に地球衝突確率は急低下しており、公式筋の継続的アップデートが信頼の軸になっている【NASAブログや公式発信の参照。X 】。

いま、見えている現実的シナリオ

  • 最善:2028年前後の観測で月衝突リスクがさらに低下。偵察のみ実施または計画凍結。

  • 準備:月衝突の確率が残る場合、まず偵察(質量・構造の確定)。そのうえで非核の“強い衝突による破砕”を優先評価。核は最後のバックアップとして、国際合意・条約枠組み・責任分担の設計が不可欠。

  • 最悪:時間切れで情報不足のまま決断が迫られる。偏向は“誤って地球側に寄せる”リスクがあるため封印、破砕の副作用(破片分布、ルナダスト増加)に備えた衛星の緊急シェルタリングや姿勢制御計画が要る。

いずれにしても、今回の“月”ケースは、惑星防衛の定義を「地球直撃の回避」から「地球—月—地球近傍空間の一体防御」に拡張すべきだと示している。天体衝突は「確率×影響」のゲームであり、早い偵察と設計の余裕こそが最大の保険だ【研究と報道。physics.uwo.ca】。



参考記事

新しい研究によると、迅速に行動すれば、「都市壊滅」級の小惑星2024 YR4が月に衝突する前に核で破壊できる可能性があると警告しています。
出典: https://www.livescience.com/space/asteroids/we-could-nuke-city-killer-asteroid-2024-yr4-before-it-hits-the-moon-if-we-act-fast-new-study-warns

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