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植物の神秘を解き明かす!根はなぜ下へ? オーキシン×細胞壁が描く“重力曲線”

植物の神秘を解き明かす!根はなぜ下へ? オーキシン×細胞壁が描く“重力曲線”

2025年09月21日 01:04

導入

植物の根が障害物に当たっても軌道修正し、ふたたび“下向き”へ曲がっていく——この当たり前の現象(正の屈地性)を、私たちは普段ほとんど意識しない。だが、その分子メカニズムには長く空白があった。
2025年9月19日、ノッティンガム大学と上海交通大学の研究チームが、その核心にあるのは植物ホルモン「オーキシン」と、オーキシンに応答して細胞壁を“下側だけ”強化する遺伝子のスイッチであると発表。論文は Science Advances に掲載された。要は、下側の細胞壁を硬くして伸びを止め、上側は伸長を続けさせることで、根が下向きに弧を描くというシンプルかつ力強い仕組みだという。Phys.org


何が新しい?

研究チームは、イネの根角度(root angle)を制御するキナーゼ OsILA1 に注目。オーキシンによって活性化されるこの経路が、下側の細胞壁合成を促し、屈曲の非対称性を作ることを示した。OsILA1を欠損した変異体では、重力刺激後の屈地性が野生型より弱くなる——この所見が“下側の壁を固める”という仮説を後押しする。科学協会


要旨レベルでは「セルロースやリグニンといった壁成分の増強」が鍵になると報告されており、細胞壁の“補強”が幾何学的な曲がりを生むという機械論が描かれている。BIOENGINEER.ORG


背景:オーキシンの“逆泉(reverse fountain)”と根の舵取り

根の先端では、重力を感じる「スタトサイト」に沈降したデンプン粒(スタトリス)が合図となり、オーキシンの偏り(下側への集中)が瞬時に作られる。これが“逆泉”状に再配分され、上側と下側で伸長が非対称になる——というのが古典的モデルだ。今回の成果は、その下流でなぜ下側の伸長だけが止まるのかを、細胞壁という“材料科学”の言葉で説明した点が決定的に新しい。ウィキペディア


先行研究とのつながり

同じノッティンガム大のチームは2025年初頭、ABA(アブシシン酸)→オーキシンというホルモン連鎖が、乾燥時に根角度を急峻化させる(深根化を促す)ことも示している。今回のOsILA1経路と合わせ、環境ストレス→ホルモン→輸送・応答→細胞壁という“多段スイッチ”が立体的に描けるようになった。ノッティンガム大学


応用展望:作物改良から宇宙農業まで

  • 乾燥に強い根系設計:根が障害物に出会っても下向きに再誘導できるなら、硬盤層の多い圃場でも深根化が狙える。ABA系とOsILA1系のダブル制御は、干ばつ適応育種の新しい設計図になりうる。ノッティンガム大学

  • 宇宙・低重力環境の栽培:重力シグナルが薄い環境ではオーキシン再配分や壁改変がどう破綻するのか。近年のレビューは、PIN輸送やカルシウム経路の重力依存性を指摘しており、OsILA1のような“壁側”ノードの工学的操作は、低重力での根の向き制御にヒントを与える。SpringerOpen


実験の要点(論文・リリースから読み解く)

  1. 重力刺激(gravistimulation)後の屈曲:OsILA1変異体は一次根・不定根ともに屈地性が弱い。

  2. 細胞壁の下側特異的強化:オーキシン→OsILA1→細胞壁生合成の活性化により、下側の伸長が抑制される。

  3. 障害物後の“復帰”:土壌中の障害物を回避した後でも、下向きに戻る挙動を説明できる。
    — 以上はPhys.org・大学プレスリリース・論文要旨の重ね合わせで裏付けられる。Phys.org


研究コミュニティ&SNSの反応

  • ニュース配信:Phys.org、EurekAlert!、Bioengineer.orgが相次いで配信。特に「壁強化で下側伸長を止める」という分かりやすい機構が見出しで強調された。Phys.org EurekAlert!

  • 解説ポスト(Bluesky):今年春から、根の屈地性とオーキシン“逆泉”モデルを振り返るポストが植物学者の間で共有されており、今回の発見はその古典と自然につながるという受け止めが見られる。例:Marc Somssich氏がPIN/AUX1による逆泉モデルを再解説(2025年3月)。Bluesky Social+1

  • 国内の反応:日本語圏でもブログ/ノート記事で「根はなぜ下へ?」をかみ砕く解説が登場。オーキシン偏在→壁強化→曲がりという“材料×情報”の統合モデルが分かりやすいと好評だ。note(ノート)


※SNS上の個別コメントは速報性が高く流通先も多様なため、上記は代表的な公開ポスト・解説の例を引用しています。


図解で押さえる“下側だけ固める”ロジック

  1. 重力検知(スタトリス沈降)

  2. オーキシンの下側偏在

  3. OsILA1経由で下側の細胞壁を強化(セルロース/リグニン等)

  4. 下側=伸長停止、上側=伸長継続 → 弧を描いて下へ
    このストーリーを上のアイキャッチに落とし込んだ。


ここがポイント(編集部視点)

  • “オーキシンは伸ばすの?止めるの?”問題への決着:部位依存で“伸長促進”にも“伸長抑制”にも働く二面性は、壁強化という物性制御で説明がつく。

  • 育種の操作点が増えた:輸送体(PIN/AUX)や受容体に加え、細胞壁合成の側(OsILA1軸)という“設計余地”が明確化。

  • 環境応答の統合:ABAによる角度制御の先行研究と接続し、干ばつ→深根化の絵がホルモン間クロストークを通じて描ける。ノッティンガム大学



参考記事

植物ホルモンがどのようにして根を曲げ、重力に向かって下方に成長させるか
出典: https://phys.org/news/2025-09-hormone-roots-downward-gravity.html

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