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地球の内核の謎に迫る:「3.8%の炭素」が世界を守る?地球最深部を動かした少量の炭素

地球の内核の謎に迫る:「3.8%の炭素」が世界を守る?地球最深部を動かした少量の炭素

2025年09月19日 00:07

2025年9月4日にNature Communicationsで公開された論文は、地球の内核(インナーコア)がどのように“凍り始めた”のかを原子スケールのシミュレーションで再検討し、「炭素」が鍵だった可能性を強く示した。純粋な鉄だけでは凍結に必要な過冷却が現実的でないのに対し、質量比約3.8%の炭素を含む場合、観測される内核の大きさ・性質と矛盾しない温度差(約266℃の過冷却)で結晶化が始まり得るというのだ。さらにこの結晶化が、地球の磁場や長期的なプレートテクトニクスにも影響してきたという大きな文脈に接続してくる。これらのポイントは、9月17日にPhys.orgが配信した解説記事(The Conversation掲載原稿の再掲)でも丁寧に一般向けに整理されている。Nature



なぜ「炭素」なのか:内核“凍結”の物理

  • 過冷却の壁:内核は液体の外核から“内側に向かって”ゆっくり凍り、今日の大きさに成長してきたと考えられる。だが、純鉄だと**800~1000℃**もの大過冷却が必要になり、そうなると内核が不自然に大きくなったはず、という矛盾にぶつかっていた。フィジオルグ

  • Fe–C(鉄‐炭素)系の効果:研究チームは分子動力学で**核生成(nucleation)**を追跡。炭素2.4%では必要過冷却が約420℃、**3.8%では約266℃**まで低下。これなら地球史の妥当な冷却条件と、現在の内核サイズの両方を両立できる。フィジオルグ

  • シリコン/硫黄はむしろブレーキ:しばしば候補に挙がるSiやSは核生成を遅らせ、より深い過冷却を要する方向に働くと示唆。O(酸素)や少量のSiを含む**Fe–C–O(–Si)**の混合が整合的ではないか、という結論に至る。フィジオルグ


地球スケールの意味:磁場・プレートテクトニクス・居住可能性

内核の成長は、外核の対流を通じて地球磁場(ジオダイナモ)を駆動する“エンジン”の一部だ。磁場は太陽風から大気と海を守る盾であり、内核の熱放出はマントル対流やプレート運動にも影響する。内核の化学組成が定まれば、地球の長期的な熱史と生命が持続し得た条件の理解が大きく前進する。フィジオルグ



研究の出どころと信頼性

  • 論文:“Constraining Earth’s core composition from inner core nucleation”(Nature Communications, 2025年9月4日公開・オープンアクセス)。原著で炭素混入時の核生成・過冷却見積りが詳細に報告されている。Nature

  • プレス・解説:University of Oxford/University of Leedsのリリース、Phys.orgやScienceDailyなどの一般向け解説が相次いで配信。主要数値(2.4%→約420℃、3.8%→約266℃、純鉄→約1000℃規模)も各所で一致している。



どこまで分かった?どこが未解決?

  • 分かったこと

    • 内核の結晶化開始には**炭素が“点火役”**だった可能性が高い。

    • Fe–C系なら過冷却量が観測事実に整合。内核の現在のサイズ・密度にも合う。フィジオルグ

  • まだ不明なこと

    • 正確な元素の内訳(Cに加えOやSiがどの程度?)は未確定。

    • 内核の形成年代(約20億年前説~5億年前未満説)への最終的な制約は今後の地震学データや高温高圧実験、ダイナモ数値モデルの統合が必要。フィジオルグ

  • 観測の限界

    • 核へは直接到達できず、実験・シミュレーション・地震波の“間接証拠”を突き合わせるしかない。だからこそ複数の独立手法で収束していくことが重要だ。フィジオルグ


SNSの反応:期待、誤解、冷静な補足

 


  • 驚きと要約の拡散:X(旧Twitter)では、インフルエンサー系アカウントが「内核は炭素が作った」「3.8%の炭素がカギ」と端的に紹介。話題化に貢献した一方、“鉄ではなく炭素で出来ている”といった過度な短絡も見られた。X (formerly Twitter)

  • コミュニティでの読み解き:Redditのr/geologyでは、“数%の炭素が核生成を促す”というメカニズム重視の受け止めが多く、「密度や地震波の制約とも整合するのか」といった技術的な質疑が交わされた。Reddit

  • メディア経由の一般層:ScienceDailyやIFLScienceなどの一般向けサイトの配信が、**キーワード(炭素・過冷却・磁場)**を押さえつつ拡散。研究者コメントの引用も複数メディアで反復され、認知の土台を作った。ScienceDaily


研究の“読み方”ガイド

  1. “内核=ほぼ鉄”は不変:今回示されたのは**“鉄に炭素などの軽元素が数%混ざる”可能性。“内核が炭素主体”**という話ではない。フィジオルグ

  2. “過冷却”はトリガー:どのくらい冷やせば核が出来始めるか、化学組成で閾値が変わる。炭素は核生成を加速し閾値を下げる役。フィジオルグ

  3. 地球史への波及:内核がいつ生まれたかの議論(古い?若い?)に上限・下限の新しい手掛かりを与える。磁場の歴史や生命史にも間接的に関わる。フィジオルグ


未来のチェックポイント

  • 高圧高温実験でFe–C–O(–Si)系の融点・拡散・弾性をさらに詰める。

  • グローバル地震観測網の更新で、内核境界の速度構造や異方性に新データを追加。

  • ダイナモモデルに今回の核生成条件を組み込み、磁場の強度・反転頻度などの再現性を検証。

  • 惑星比較:火星・水星・スーパーアースでの**“内核の引き金”**の違いを探る。フィジオルグ



まとめ:今回の「発見」の位置づけ

  • 主張:炭素が数%混じることで、内核の結晶化開始条件が地球にとって現実的になる。

  • 意義:内核の成分推定の幅を狭め、「なぜ地球に持続的な磁場があるのか」という問いに一歩近づいた。

  • 注意点:これは複数の独立証拠(地震学・宇宙化学・数値実験)を束ねた最良推定であり、今後の観測・実験でさらに検証されるだろう。Nature


参考記事

地球の内核:その構成は正確には誰も知らないが、今、私たちはその真実を解き明かし始めている
出典: https://phys.org/news/2025-09-earth-core-weve-uncover-truth.html

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