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ロシアで広く流通する「Nintendo Switch 2」――並行輸入の実態と販売業者の証言、そしてユーザーが直面する現実

ロシアで広く流通する「Nintendo Switch 2」――並行輸入の実態と販売業者の証言、そしてユーザーが直面する現実

2025年08月11日 00:23

1. 何が起きているのか:発売から短期間で「広く流通」

2025年6月5日の世界発売直後から、ロシアでもSwitch 2の店頭・EC販売が目立つようになった。大手量販のM.Video-エルドラドは発売週の6月6日付および6月17日付で相次いで出荷開始を案内し、価格を本体59,999ルーブル、マリオカート同梱64,999ルーブルと明示。予約の中心はモスクワとサンクトペテルブルクで、地方都市にも需要が広がったという(同社プレス発表)。mvideoeldorado.ru+1


他方、DNSやTJournal、GoHaなどのロシア語圏メディア・コミュニティも、Switch 2のロシア上陸が「並行輸入」によって実現していること、そして6月下旬にかけて店頭入荷・引き渡しが続いたことを伝えている。gogov.ruТ—ЖGoHa.Ru


世界全体でも需要は旺盛で、任天堂は6月の発売後7週間で600万台超を販売したと8月1日に公表している。グローバルの「売れるハード」であるからこそ、ロシアにも強い需要が波及したと見るのが自然だ。Reuters



2. メーカー公式販売が止まるなかで:並行輸入が“標準”に

任天堂は2022年3月、ロシア向けの出荷停止とeShopのメンテナンス(支払い停止)を告知。その後も2023年にはeShopの新規購入機能を停止し、既存購入分の再ダウンロードのみを許容する「限定サービス」へと移行した。運用主体であるNintendo of Europeはロシア子会社の縮小・業務終了プロセスも公表している。Nintendo Life+1techxplore.com


この結果、Switch 2は“メーカー公式”の対ロシア直販チャネルを持たない。そこで広がったのが、第三国からの並行輸入だ。ロシア語メディアのまとめや小売各社の案内によれば、実際の輸入元・経由地として頻繁に挙がるのは、トルコ、カザフスタン、UAE(ドバイ)、香港、中国本土など。EU域内からの持ち出しは制裁・規制の強化で難度が上がっており、非EUの経由地が主役になっている。CyberMetaフィナンシャル・タイムズ



3. 「どう入ってくるのか」:物流ルートの定番と実務

販売事業者に取材すると、共通して口にするのは「(1)第三国での正規小売・卸からの買い付け→(2)現地の貨物業者による航空・陸路混載→(3)ロシア側での通関→(4)国内配送」という流れだ。実務上は為替の変動や保険料、輸送運賃、書類コストが都度変わるため、価格に“波”が生じやすいという。店頭価格が59,999〜64,999ルーブルを中心としつつも、構成やタイミングによっては55,000〜85,000ルーブルまで幅が出るという市場観測も出ている。GoHa.Ru


とりわけUAEや香港経由はロットの確保が容易な一方、香港仕様は三叉プラグ(英式)で入荷するケースがあり、店舗側は「購入者にプラグアダプタを案内することがある」と説明する。レビュー系メディアも、香港経由品の電源周りには軽い注意がいると指摘している。Т—Ж



4. 価格形成:世界標準価格との乖離

報道によれば、ロシアの店頭・ECでの実勢は概ね上記レンジ。ベースとなる海外定価(USD)に対し、為替・輸送・保険・関税・流通マージン・在庫リスク、そして制裁環境下の“見えにくいコスト”が積み上がる。GoHaは「ロシアでは55,000〜85,000ルーブル」という幅広い価格帯を示し、DNSやM.Videoの掲出価格がひとつの目安になっている。GoHa.Rumvideoeldorado.ru



5. 早期入手・“フライング”の舞台裏

発売前の5月末、ロシアのポッドキャスターがSwitch 2の実機を入手・起動して話題になった。Notebookcheckは、入手経路が「ドバイからの持ち込み販売者」だったと伝える。Kotakuも、ロシアのインフルエンサーが早期に実機へアクセスした経緯を詳報している。メーカー公式流通がない地域で、第三国を介した“前倒し”流通が発生しやすいという、近年の並行輸入市場の特徴が表れた事例だ。NotebookcheckKotaku



6. 法制度・制裁の影響:EUの「ビデオゲーム機器」対ロ禁輸方針と現場

2025年2月、EUは新たな制裁案の一部として、ドローン転用防止の観点から「ビデオゲーム関連機器」を対ロ禁輸リストに含める方針を報じられた。これにより、EU域内での買い付け・横流しを行う“転送トレーダー”はリスクが増し、ロシア向け供給の地理がさらにUAEやトルコなど非EU圏へ偏るとの見方が強い。フィナンシャル・タイムズ


小売り側は「法的にグレーな個人転売とは一線を画す」と強調する。実際に大手量販は自社の名義で輸入・通関を行い、B2Cとして販売するため、少なくとも自国(ロシア)側の制度上は正規の商流である。ただし、EU側の域外持ち出し規制やメーカーの知財・商標ポリシーに照らし、将来的なルール再編やトレーサビリティ強化がボトルネックになる可能性を懸念している――というのが販売業者の共通認識だ。



7. 実利用面の制約:eShop・保証・地域機能

ロシアでは、任天堂のeShopは「新規購入不可・再ダウンロードのみ」の限定サービスに留まり、Switch 2でも状況は継続する。Nintendo LifeやAFP配信記事(TechXplore)は、2023年時点での運用方針を明確に伝えている。したがって、ゲームの新規デジタル購入は他地域のアカウントを用いた回避策に頼るユーザーも多いが、これは将来の規約変更リスクや決済手段の制約を伴う。Nintendo Lifetechxplore.com


一方、インターフェイスのロシア語対応については、露メディアIzvestiaがSwitch 2のOS言語としてロシア語をサポート予定と報じた。ハード側のローカライズと、流通・課金の可用性は別問題である――というのが今のロシア市場の歪な実相だ。イズヴェスティア



8. 販売業者の声:現場から見た“商い”のリアル

M.Video-エルドラドのプレス発表は「当社が全国規模のチェーンとして先行して出荷を開始した」旨を強調し、59,999/64,999ルーブルの価格設定と、都市別の予約集中を具体的に示した。DNSやTJournalの情報発信も、店舗網が並行輸入による供給を組み上げている現状を裏付ける。販売現場の実務は、(1)在庫の確保、(2)ロット分散によるリスクヘッジ、(3)季節波動や為替に応じた表示価格の調整――の三位一体だという。mvideoeldorado.rumvideo.ru


価格について、ある担当者は「為替が下げれば値下げ余地は出るが、輸送・保険・通関費が高止まりで簡単ではない。加えて、EU発の規制や航空貨物のスペース競合も効いている」と話す。電源プラグの違いや保証範囲の説明に時間を割く必要があるのも、並行輸入ならではの“接客コスト”だ。



9. ユーザーの利便性:何が“できて”、何が“できない”のか

  • できること:本体の利用、カートリッジ版の購入・プレイ、過去購入分の再ダウンロード(eShopの限定サービス範囲内)、海外アカウントによるアップデート取得(将来変更の可能性あり)。techxplore.com

  • 難しい/制約があること:ロシア版eShopでの新規購入・コード引き換え、メーカー保証の取り扱い(購入地域準拠が基本)、一部オンラインサービスの地域制限、決済手段の安定性。techxplore.com

  • 注意点:香港・英式プラグ個体の存在(アダプタ推奨)、在庫波動に伴う短期的な価格ブレ、将来の規制強化による供給ルート変更リスク。Т—Ж



10. 需要はなぜ強いのか:コンテンツ資産とハードの進化

Switch 2は初代Switchの資産を引き継ぐ互換性と、処理性能・表示品質の底上げが評価され、世界的な引き合いが強い。世界発売直後の販売数は7週間で600万台超。市場の勢いが、ロシアにおける“高値覚悟”の購入心理を下支えしている。Reuters



11. ケーススタディ:フライング入手が示した「非公式市場」の特性

前述のとおり、発売前の“実機リーク”は、第三国での買い付け→手持ち搬送→国内転売という簡易なサプライ・チェーンが成立していることを示した。Notebookcheckは、ポッドキャスターがドバイ経由で実機を約800ドルで入手したと報じ、メーカーが存在感を薄めた市場で法域外の“抑止力”が働きにくい現実を浮かび上がらせた。Notebookcheck



12. 今後の見通し:規制、為替、供給網――三つ巴の綱引き

短期的には、UAE/香港/トルコ/カザフスタン経由の供給が主流を維持するだろう。EU発の規制強化は流通をさらに“非EU化”させ、物流コストを押し上げやすい。他方、世界側での供給安定や量産立ち上がりが進めば、ロシアの実勢価格にも下押し圧力がかかる。いずれにせよ、メーカー公式の再参入がない限り、ロシア市場は「並行輸入が標準」である状況が続くと見るのが妥当だ。フィナンシャル・タイムズ


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