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専業主婦のリアル──“肩身の狭さ”と“生きづらさ”とは?当事者の声「稼ぎに繋がらない。収入がないことがダメな人みたい…ご飯を食べていて申し訳ない」

専業主婦のリアル──“肩身の狭さ”と“生きづらさ”とは?当事者の声「稼ぎに繋がらない。収入がないことがダメな人みたい…ご飯を食べていて申し訳ない」

2025年08月20日 00:00

1. 「申し訳なさ」の正体――当事者の声から見えること

「稼ぎに繋がらない。収入がないことがダメな人みたい…ご飯食べてて申し訳ない」
この言葉は、家計に“現金収入”として現れない貢献(家事・育児・介護・地域活動)が、社会的に低く見積もられている現実から生まれます。家の中が安全に回ること、子どもが健康で学校へ行けること、家族が働き続けられること――それらはすべて無償労働の上に成り立っています。にもかかわらず、履歴書にも給与明細にも数字として残らないため、本人が自らの価値を疑い、自尊感情がすり減る。これが「肩身の狭さ」の根っこです。


無償労働の“見えなさ”を助長する4条件

  • 時間の長さ:女性の無償労働時間は日本で依然として突出して長い。OECD資料はその規模差を可視化しています。 OECD

  • 家事の断片性:短いタスクが無限に連なるため、達成感が数値化されにくい。

  • 結果が“問題が起きないこと”:事故がない、忘れ物がない――「何も起きないこと」が成果なので評価が難しい。

  • 慣行と通念:「家事は自然とできるもの」という誤解が技能性を見えなくする。



2. データで読み解く:日本の家事・育児の現実

  • 女性の無償労働は依然として重い。日本女性の無償労働時間はOECD平均より長く、逆に男性の無償労働は短い――国際比較でギャップが大きいことが確認されています。 OECD

  • **総務省「社会生活基本調査」**でも、6歳未満児のいる世帯で、夫より妻の家事・育児時間が大幅に長い構造が続いています。内訳を見ると「食事の管理」「乳幼児の身体の世話と監督」で差が特に大きい。 総務省統計局

  • 週全体平均の推移を見ると、男性の家事・育児時間は伸びたとはいえ、依然として女性の数分の一。報告記事でも「男性1時間台、女性はその数倍」という実態が繰り返し示されています。 保健指導リソースガイド


この客観データは、「家で何もしていないわけではない」どころか、「家の基盤を支える労働が過剰に偏っている」ことを示します。




3. 専業主婦は少数派?――“多数派化する共働き”と「選べない」事情

1997年を境に日本では共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、以後は差が拡大してきました。2024年までの長期推移でも、その傾向は明確です。 JIL労働政策研究所


ただし、「共働きが当たり前」だからといって、専業主婦が“ラク”という話にはなりません。長時間労働慣行、通勤負担、保育アクセス、病児対応、転勤・単身赴任などの制約下で、「外で働く/家を回す」を家庭ごとに最適化するしかないからです。OECDも日本の長時間労働とワークライフバランスの課題を指摘しています。 OECD




4. 制度の壁:税・社会保険が意思決定に与える影響

4-1. 税制の“壁”の最新動向

2025年度税制改正では、配偶者控除の年収要件が103万円から123万円に、配偶者特別控除の満額要件も拡大し、年収160万円まで満額控除が受けられるように(所得税は2025年分、住民税は2026年度分から)。制度の段階的減額も明示され、就業調整の圧力を緩める方向です。 国税庁MUFG Bank首相官邸ホームページ


4-2. 社会保険(106万/130万の壁)への当面対応

厚労省は「年収の壁・支援強化パッケージ」で、繁忙期等で一時的に130万円超となっても事業主証明があれば引き続き被扶養認定できる仕組みを運用。106万円の壁に対する助成も整備。 厚生労働省+1
さらに、19〜23歳の被扶養者については年収要件を150万円未満へ緩和する通知が2025年に示されています(配偶者を除く)。 厚生労働省


ポイント:税と社保は別物。税の壁が緩和されても、社保の加入要件・保険者運用は別建て。勤務先と自分の条件で“何がいつから変わるか”を必ず確認しましょう。 政府オンライン共済会県庁


4-3. 制度が生む心理的圧力

制度は中立に見えて、現実には**「働きすぎると損をするかも」**というブレーキを家計に与えがち。専業を選ぶ・一時的に離職する――いずれの選択でも、「最適化の結果としての専業」まで“肩身の狭さ”で塗りつぶしてしまうのは筋違いです。




5. “見えない重責”がメンタルに与える影響

  • 他者評価の不在:同僚も上司もいない/KPIがない世界で、「自分の仕事価値」を測れない。

  • 24時間・365日の待機:子の体調不良・学校行事・親の通院など突発対応の常時待機。

  • 金銭的自立シグナルの欠如:「給与明細や年金記録が増えない」ことが将来不安と直結。

  • 社会との接点の希薄化:通勤・同僚関係がないことで、承認・相談・雑談の機会が消える。


こうした要因が積み重なると、「役に立っていないのでは」という無価値感が生じやすくなります。家族・地域・制度の側に見える化と評価の仕組みを足すことが、自己責任論より先に必要です。




6. 国際比較:政治・経済の意思決定における女性の少なさ

日本のジェンダーギャップは国際比較で依然厳しく、政治・企業の意思決定層に女性が少ない現実があります。女性役員・CEOの割合の低さや政治の女性比率の低迷は、無償労働の価値づけにも間接的に影響します。 東京大学The GuardianReuters




7. 「無償労働」を“仕事”として可視化・評価する実践

7-1. 家庭内ジョブディスクリプション(JD)化

  • 家事・育児・介護・地域対応をタスク分解(例:買い物・献立・調理・片付け・検診予約・学校連絡…)

  • それぞれに所要時間・頻度・期日を付す

  • 担当者・バックアップを割り当て、交代可能設計に

  • 月1回、見直し会議でタスク移管・効率化を実施


家族会議テンプレ(項目例)

  1. 今月のイベント・病欠リスク 2) タスクの総量と偏り 3) 外注/機械化候補 4) 予算配分 5) 緊急時連絡網


7-2. 「名もなき家事」棚卸し

郵便物の仕分け、粗大ごみ申請、学校プリント管理、ストック管理、家電の掃除・フィルタ交換…“やらなければ気づかれない”タスクをすべて可視化。スマホの共有メモでチェックリスト化。


7-3. タイムトラッキングの導入

1週間だけでよいので、30分刻みで無償労働を記録。**家計の“見えない支出(時間)台帳”**を作ると、本人も家族も納得感が上がります。

  • 参考:政府統計の分類(食事の管理、乳幼児の身体の世話、送迎など)をラベルに流用。 総務省統計局


7-4. “価値換算”で自尊感情を回復

外部委託時の料金(家事代行、シッター、送迎、調理代行等)で仮の市場価値をざっくり積算。「見えない貢献=0円」ではないと家族全員で共有。




8. お金の安心をつくる:家計と制度の実務チェック

A. 家計

  • 家族単位の月次キャッシュフロー&年次見通し表を更新

  • “個人の可処分資金”(自由に使えるお金)を双方に設定

  • 生活費の口座ルール(引き落とし先、カード運用、緊急予備費)を文書化


B. 制度(税・社保)

  • 2025年分の配偶者控除・特別控除の改正点を確認(123万/160万)。 国税庁MUFG Bank

  • 106万/130万の壁の**当面対策(事業主証明)**と勤務先の運用を照合。 厚生労働省

  • 被扶養認定の基準・手続を保険者で確認(再確認通知やQ&A)。 共済会県庁

  • 子の年齢帯による特例や見直し(19–23歳の収入要件緩和など)の適用時期もチェック。 厚生労働省


実務TIP:「年収見込み」と「支給ベース」(交通費・臨時手当含む)を混同しない。源泉徴収票と給与明細で積算方法を合わせ、月末時点の累計で管理。




9. 家の外とつながる:孤立を防ぐ仕組みづくり

  • 週1回の“外部予定”を固定(PTA/地域/図書館/サークル/学び直し)

  • 同じライフステージのピア・グループ(オンライン/対面)と愚痴・情報交換

  • スキマ収入の小さな実験(在宅ワーク、スキルの物々交換、短期講座)

  • 「再就職の地ならし」:月1本の職務経歴メモ、保育園・学童・放課後デイの空き状況チェック



10. 夫婦・パートナーの関係調整:“公平”は“50:50”ではない

  • 可処分時間の公平:勤務時間+通勤+睡眠+家事=1日の合計拘束時間で見る

  • 負荷のピーク平準化:繁忙期に家事外注を一時投入/家族シフトを組む

  • “ありがとう”を仕組みに:感謝は善意ではなく“運用”――毎週1回の相互レビューを定例化



11. 社会レベルで必要なこと

  • 保育・学童のさらなる拡充:日本は保育アクセスが改善してきたが、パート短時間層や単発就労の預け先はまだ薄い。 OECD

  • 長時間労働慣行の是正:ワークライフバランスの底上げが、家庭内の再分配を促す。 OECD

  • 無償労働の国民的な可視化:政府統計やホワイトペーパーの継続的公開・周知。 総務省統計局男女共同参画局



12. よくあるQ&A(当事者視点で)

Q1. 「専業でいる自分が甘えているのでは?」
A. 家族が選び、合意した役割分担です。家庭運営は価値ある仕事。可視化と合意の再確認が第一歩。


Q2. 「再就職が怖い」
A. 恐れは“情報の非対称”から生じます。スキル棚卸し→短期講座→週1稼働→週2…と段階的に。履歴書には家庭運営で培った調整力・段取り力を具体的成果で書き出す。


Q3. 「親の介護が始まりそう」
A. 地域包括支援センターに早めの相談。介護保険の要介護認定、通所・短期入所、ケアマネの手配は前倒しで。




13. まとめ――“選べる社会”に向けて

専業であれ共働きであれ、本人の選択が尊重されることと、選び直せる流動性が担保されることが大切です。無償労働の可視化、税・社保制度の理解、家族内の運用設計――この3点を押さえれば、「申し訳ない」から「誇り」に視点が変わる。社会はすでに動き出しています。私たちは見えない労働に光を当て、その価値を公正に数えるところから始めましょう。 OECD国税庁

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