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英国・日本・韓国が観測史上“最も暑い夏”を経験──気候危機が同時多発する極端高温の理由と私たちの備え

英国・日本・韓国が観測史上“最も暑い夏”を経験──気候危機が同時多発する極端高温の理由と私たちの備え

2025年09月02日 13:17

1. 2025年の「灼熱の夏」はなぜ同時多発したのか

2025年夏は、英国・日本・韓国で同時に記録が塗り替えられた。英国の季節平均16.10℃は、2018年の15.76℃を上回る“史上最暖”で、平年差+1.51℃。季節内に4つの熱波が走り、乾いた土壌と周辺海の高温、持続的な高気圧場が寄与したと整理されている。さらに**「この規模の夏は、自然の気候より70倍起きやすい」という帰属評価が示された点も重要だ(Met Office) Met Office。


地球規模の背景としては、2025年7月が観測史上3番目に暑い7月、12か月移動平均で
+1.53℃(前産業化比)に達したという客観指標がある(C3S/ロイター、WMO) ReutersWorld Meteorological OrganizationCopernicus Climate Explorer。地球温暖化の長期的上昇トレンド**の上に、北大西洋・北太平洋の海洋高温、広域ブロッキング高気圧などが重なり、地域ごとに“しぶとい暑さ”として現れた、と理解できる。



2. 国別にみる「記録」と“暑さの質”

2-1. 英国:平均16.10℃、“涼しい国”の設計思想が裏目に

  • 記録:季節平均**16.10℃(+1.51℃)**で史上最高、1884年以降の系列を更新。4熱波、少雨・多日照が重なる(Met Office) Met Office。

  • 暮らしの脆弱性:住宅は冬の保温重視、公共交通(例:ロンドン地下鉄)や学校・職場にも空調が乏しい施設が多く、**持続高温に弱い“設計ギャップ”**が露呈。水不足宣言や農業への影響も報告された(AFP/IBTimes, ガーディアン) International Business Times Australiaガーディアン。

  • 意味:ピーク気温の派手さ(40.3℃=2022年)に届かなくても、**「平均値の異常な底上げ」**が健康・社会基盤に長く効くことを示した夏だった(ロイター) Reuters。



2-2. 日本:+2.36℃、最高気温の全国記録も更新

  • 記録:季節平均は**平年比+2.36℃**で統計開始(1898年)以来の最高。**3年連続で“記録級の夏”**が続く(JMA発表を伝える各社) 新華社Al Jazeera。

  • 極端現象:国内最高気温は41.6℃(8月、伊勢崎)で全国記録を再更新。前週には兵庫・丹波で41.2℃を観測していた(ロイター) Reuters。

  • 健康影響:5/1〜8/24の熱中症搬送者は8万4521人(総務省消防庁速報値、各社報)で、都市部では連続熱帯夜やピーク電力対策が課題に。月次の詳細速報でも搬送者急増が裏付けられる(消防庁資料) International Business Times Australia消防庁。



2-3. 韓国:平均25.7℃で1973年以降の最高、熱帯夜・渇水も

  • 記録:6〜8月平均25.7℃で1973年以降の史上最高。昨年(25.6℃)を上回った(KMA発表を伝えるMBC等) MBC NEWS。

  • 暑さの質:熱帯夜の連続や昼夜の高温持続が顕著で、江陵市では国家災害宣言と給水制限に至る地域も(AFP/IBTimes) International Business Times Australia。

  • 含意:**「日最低気温の顕著な上昇」**は健康被害リスクを押し上げ、冷房需要の夜間偏重や電力ピーク構造の変化を招く。



3. 何が“しぶとい高温”を作ったのか──物理メカニズムの要点

  1. 温暖化のベースアップ
    地球全体の12か月移動平均+1.53℃(前産業化比)という“高温プラトー”の上で、地域の極端が起きやすくなった(C3S/ロイター)。これは**「もはや外れ値ではない」**ことを示す。 Reuters

  2. 海洋の異常高温と湿潤大気
    英国周辺海の高水温や、北太平洋の温暖域が下層高温・高湿の空気を供給。放射冷却が効きにくい夜の暑さを増幅し、熱帯夜の多発につながる(Met Office, WMO/C3S 概況) Met OfficeWorld Meteorological Organization。

  3. ブロッキング高気圧の持続
    高気圧の定常化で、晴天・少風・少雨が続き、土壌乾燥→昇温促進の正のフィードバックが作動(Met Office) Met Office。



4. 影響評価:健康・電力・農業・観光

  • 健康:日本では8万超の熱中症搬送が確認され、東京など大都市で昼夜を問わない救急出動が増加。屋内不使用エアコンの高齢者世帯で重症化が目立つ(消防庁・各社) 消防庁テレ朝NEWS。

  • 電力:夜間の冷房需要増により負荷曲線の変形が進む。日本・韓国とも熱帯夜の連続が電力需給の新たなボトルネックを生む(MBC, Guardian の熱帯夜報道状況) MBC NEWSガーディアン。

  • 農業:英国では水不足宣言や収量不良懸念が広がり、日本の果樹・畜産、韓国の稲作でも**高温障害(白未熟粒・受粉障害・乳量低下)**の警戒が深まる(AFP/IBTimes) International Business Times Australia。

  • 観光・都市生活:京都・ソウル・ロンドン等の観光都市で屋外滞在の危険閾値(WBGT)を超える時間帯が増え、屋内回遊やナイトタイム観光へのシフトが進む(ガーディアンの現地ルポ等) ガーディアン。



5. 日本の“いますぐ”対策:命を守る行動と生活の工夫

行動の優先順位(家庭・個人)

  • 暑さ指数(WBGT)と熱中症警戒アラートを毎朝確認。「のどが渇く前に」水分・電解質補給、屋内でも扇風機+エアコンで室温管理。カーテン・すだれ・断熱シートで日射遮蔽。高齢者・単身世帯は見守りを(環境省/気象庁連名の注意喚起) 気象庁。

  • 夜の備え:冷感寝具と適正設定温度(就寝時こそ重要)、サーキュレーターで気流を。連続熱帯夜は無理せず夜間も冷房を。

  • 屋外作業:WBGT基準で作業中止・短縮、休憩頻度の厳守、涼しい服装(通気・吸湿)と日傘。



職場・学校・自治体

  • 時間割のシフト(朝夕の活動集約)、冷房の計画運用、避難所の“夏モード”整備(大型ファン・氷・冷水)。

  • ヒートアイランド緩和:街路樹・高反射舗装・透水舗装・クールルーフを段階導入。ミスト散水は湿度条件を踏まえた運用設計を。



6. インフラとビジネスの適応:中期ロードマップ

  • 建築・住宅:英国の事例が示すように、「冬の省エネ設計」だけでは持続高温に脆い。日本も断熱×日射遮蔽×蓄冷の夏最適化改修を加速。

  • 電力:**分散型蓄電+DR(デマンドレスポンス)**で夜間ピークの平準化。ヒートポンプ給湯の夜間運転、蓄冷空調の再評価。

  • 産業・小売:コールドチェーン・倉庫の温度管理強化、屋内待機の滞在価値設計(商業施設のシェルター化)で熱リスクを需要に転換。

  • 保険・金融:暑熱関連の指数保険、気候レジリエンス投資の評価枠組み(TCFD/ISSB)を実装。



7. 秋以降の見通しと“次の夏”への教訓

WMOとC3Sの最新指標は、“高温プラトーが継続”する確率を示す。2025年7月は全球で3番目の高温、海洋も高水温持続。この条件下では、秋口の残暑や初冬の暖かさが長引くリスクがあり、電力・防災の季節計画も更新が必要だ(WMO/C3S) World Meteorological OrganizationCopernicus Climate Explorer。韓国気象庁の9月見通しでも平年より高温傾向が示され、日本も2週間気温予報や熱中症アラートの活用が引き続き重要となる(KMA, 環境省・気象庁) kma.go.kr気象庁。



8. まとめ──「異常」から「通常」へ。適応を前提に、緩和を加速する

2025年の英国・日本・韓国の同時最暖夏は、気候危機が地域の設計思想や日常の前提を揺さぶる段階に入ったことを示す。平均値の底上げと夜間も続く暑さは、健康・電力・経済の三位一体課題であり、短期の行動(命を守る)×中期の適応(設計を変える)×長期の緩和(排出を減らす)を同時並行で進めることが唯一の解だ。
日本では
WBGT/アラートに基づく日常運用
を“当たり前”にし、住宅・都市・職場の夏設計を上書きする。次の夏は遠くない。**「備えを常態化」**することが最大のリスク低減となる。




参考記事

英国、日本、韓国が観測史上最も暑い夏を経験
出典: https://www.ibtimes.com.au/uk-japan-south-korea-endure-hottest-summer-record-1860334

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