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次のパンデミックは“米州発”か ─ 牛、鳥、人、そして豚:再集合の連鎖が招く“最悪のシナリオ”

次のパンデミックは“米州発”か ─ 牛、鳥、人、そして豚:再集合の連鎖が招く“最悪のシナリオ”

2025年09月23日 01:16

1) 「震源は米州」——専門家が見る現在地

「次のパンデミックは“もし”ではなく“いつ”だ。その焦点はいま米州、とりわけ米国にある」。ブラジルの感染症医・ウイルス学者ナンシー・ベレイ(UNIFESP)は、H5N1高病原性鳥インフル(以下H5N1)の地理的広がりと宿主の多様性を根拠にこう断じた。発言の舞台はブラジル感染症学会(CBI)での講演。家禽だけでなく乳牛や海生哺乳類など、種をまたぐ感染が“常在化”し、ウイルスの遺伝型が素早く動いていることが不安材料だ。InfoMoney


2) 何が“米州リスク”を高めているのか

まず、米国の乳牛で確認されたH5N1の持続的な感染拡大は、これまでの「鳥→人」直撃型とは異なる横展開だ。家禽、野鳥、乳牛、そしてヒト——接点の多い生業環境で、ウイルスは変異や再集合(reassortment)を試みる機会を得る。CDCは「現時点の公衆衛生上のリスクは低」とする一方、定期的なヒト監視を継続し、2025年7月には緊急対応を終了して定常監視へ移行した。表現は落ち着いたものの、「低リスク=無視して良い」では決してない。CDC


3) ヒト感染の実態:軽症中心だが油断禁物

H5N1は2024年以降、米国で数十例規模のヒト感染が把握されており、職業曝露(乳牛・家禽関連)に伴う結膜炎など軽症例が目立つ。しかし、2025年初頭までに集計された症例解析では、検出の大半が労働者由来であること、地域差が大きいこと、そして監視の網目や検査適応が指標に影響することが示唆された。軽症例が多いからといって、ヒト間持続伝播が成立しない保証にはならない。CDC


目の“受容体”はなぜ重要か

ベレイ氏が指摘したように、鳥型インフルが好むシアル酸受容体はヒトの目表面に豊富で、乳牛の乳腺にも多いとされる。乳牛クラスターで結膜炎が多いのは、ウイルスの“入り口”がそこにあるからだ——この機序自体は古くから示唆されてきたが、哺乳類での感染連鎖が続く現状では、ヒト適応への足がかりになり得る。InfoMoney


4) “火種”はH5N1だけではない:季節性インフル、低接種率、他の流行

パンデミックの引火点は、単一病原体の“強さ”だけで決まらない。季節性インフルAの大流行や、ワクチン接種率の低迷は、医療逼迫や二次感染リスクを押し上げ、H5N1の“紛れ込み”を検出しにくくする。ブラジルの監視システムInfogripeの分析では、2025年の重症急性呼吸器症候群(SRAG)死亡の52%をインフルAが占めた。平時の“燃えやすさ”が増すほど、火花が大事になる。agencia.fiocruz.br


加えて米州全体では、2024年に記録的なデング流行、2025年も高水準の発生が続いた。衛生・気候要因が絡むベクター感染症の多発は、保健資源を消耗させ、呼吸器感染症への備えを相対的に弱める。多発脅威(poly-crisis)の中でH5N1に専心しづらい現実がある。Reuters


5) 「豚」という見落としがちな交差点

過去のインフルエンザ・パンデミックの多くは、鳥由来ウイルスが別系統と“再集合”して誕生している。ヒトと鳥の受容体を併せ持つ豚は、その交差点だ。専門家が「豚の監視が手薄」と懸念するのは、まさにこのためである。畜産現場横断のサーベイランスが、いまの米州では“急所”になっている。InfoMoney


6) ワクチンと医療技術の現在地

良い知らせもある。H5N1に対する既存の候補ワクチンや、mRNAを含む新規プラットフォーム研究は前進しており、更新・スケールの迅速化が見込まれている。もっとも、「備蓄がある」だけでは足りない。曝露の多い職種(酪農・家禽・と畜・獣医等)からの段階的接種、州・国レベルの配分計画、コールドチェーン、記録・追跡体制までを含む“最後の一マイル”設計が問われる。ASM.org


7) 政策はどこまで進んだか

CDCは2025年7月にH5N1の緊急対応を終了し、季節性インフル監視の枠組みに統合した。状況安定化の表明である一方、報告頻度や指標の変更は、市民が「落ち着いた」と誤解しやすい側面もある。リスクは“低いがゼロではない”。見え方の調整(リスク・コミュニケーション)は、パンデミック回避のキーパーツだ。Reuters


8) SNSは今、何を語っているか(短観)

  • 研究・技術志向の関心:空気中H5N1を検出する試作センサーなど、対策技術の共有・拡散。科学コミュニティ由来のポストが地道に支持を集めている。Bluesky Social

  • “現場”の不安と実務情報:家畜や伴侶動物の感染事例共有、曝露後の対応(オセルタミビル等)に関するコミュニティ間学習。Reddit

  • 警報疲れ(alarm fatigue)と警鐘派のせめぎ合い:リスク低下の公式発信に安堵する声と、「秋に再燃も」と慎重論。公的対応の“段階変更”ニュースが火種になる。Reddit

  • データ志向のモニタリング:感染 herd の追加や系統情報の追跡、科学記者・研究者による補足解説。Bluesky Social


※SNSは多声的で、断片はしばしば誇張・矮小化を伴う。上記は複数プラットフォームの代表的傾向を筆者が要約したもの。


9) これから3〜6か月の“注視ポイント”

  1. 曝露労働者の健康監視(結膜炎・軽症群の把握強化/簡易検査の現場配備)

  2. 豚・牛・家禽の横断監視(バイオセキュリティ遵守とサンプリングの標準化)

  3. 季節性インフル対策の底上げ(高齢層・慢性疾患患者の接種率回復)

  4. ワクチン・治療薬の“最終一マイル”設計(優先接種リストと演習)

  5. リスク・コミュニケーション(“低リスク=油断可”の誤読を防ぐ)


10) 日本への教訓

米州で生じているのは、多宿主・広域流行 × 接種率低迷 × 多発脅威という“複合リスク”。日本では畜産規模や作業動線が異なるものの、職業曝露の定義と支援、迅速検査のアクセス、季節性インフル接種の底上げは共通の弱点になりやすい。国・自治体・産業界・医療界の“面”での備えが、単独病原体への“点”対策を生かす。



参考記事

「現在、新たなパンデミックのリスクは主にアメリカ大陸から来ている」とウイルス学者が述べる
出典: https://www.infomoney.com.br/saude/risco-de-nova-pandemia-nesse-momento-vem-principalmente-das-americas-diz-virologista/

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