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テック富豪はニュースをどこへ連れていくのか — ラリー・エリソンの「右傾化」戦略を追う

テック富豪はニュースをどこへ連れていくのか — ラリー・エリソンの「右傾化」戦略を追う

2025年09月25日 00:43

1. いま、メディアは「編集」より「資本」で動く

2025年の報道産業を語るとき、キーワードは“編集方針”ではなく“資本配置”だ。とりわけ、オラクル創業者ラリー・エリソンの存在感は急速に増し、米国メディアの座標軸を右へ押しやる推進力として注目されている。オーストラリアの有力紙が「世界のメディアを右へ動かすテック富豪」と評した論調は、その後の米・英メディアの続報でより具体性を帯びた。要点は三つ——CBSを含む放送帝国の統合、TikTokの米国化における主導権、そして“次の買収”。これらは個別事案に見えて、規制・政治・技術を束ねる一つの構想線として読み解ける。Ground News


2. スカイダンス×パラマウント統合——CBSの「空気」は変わったか

8月7日、スカイダンスとパラマウントの統合が完了。新会社「Paramount, a Skydance Corporation」始動で、デヴィッド・エリソンが経営の舵を握る。この取引はFCC審査で、CBSニュースの“偏向”苦情を検証するオムブズマン設置やDEI(多様性・公平性・包摂)の見直しなどを含む“体質転換”の誓約が注目された。編集権への露骨な介入を避けつつ、制度設計で報道のトーンをじわり変える——このスタイルが「右傾化」論の核だ。Paramount Reuters


現場の肌感としても変化は伝えられる。米国の経済メディアは「取引を得て、次は何をするのか」と描き、CBS内部の空気を探った特集も出た。ここで語られるのは、個別のニュース原稿ではなく、予算配分・クレーム処理・出演者の起用といった“編集室の外”のレバーである。ブルームバーグ


3. 「1.7億人の接点」を握る者——TikTok米国化の勝者は誰か

右傾化論をより切実にするのがTikTokだ。トランプ大統領は、ラリー・エリソン、マードック父子、マイケル・デルらが米国側の投資家連合に加わる見通しを示した。報道各社の突き合わせでも、オラクルがアルゴリズム監督・安全保障面で中枢を担う構図が濃厚とされる。これはニュース企業買収以上に大きい。なぜならTikTokは米国内だけで約1.7億人のユーザー接点を持つ“情報の入口”だからだ。フィナンシャル・タイムズ


投資家連合の輪郭は日ごとにニュースが塗り替える。だが、アルゴリズム監督をオラクルが握るという一点だけでも、コンテンツの露出頻度、広告の最適化、政治コミュニケーションの動線に長期の影響を及ぼしうる。ここに政権と規制の“追い風”が重なるとき、編集室がどれほど独立であっても、土台の配電盤はすでに別の場所にある。フィナンシャル・タイムズ


4. 次の標的はWBD(CNN/HBO)か——“総合格闘技”としてのM&A

CBS(パラマウント)に続く“次の一手”として、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)買収観測が繰り返し報じられている。締結・不成立は時々刻々であるにせよ、「パラマウント=スカイダンス」体制がWBDに触手を伸ばすなら、CNNやHBOといった報道・文化の中枢が同一の資本網に編み込まれる未来は、少なくとも“想定内”になった。デッドライン


5. 「MAGAメディアの改造」か、「偏りの是正」か——評価を分ける文脈

こうした動きは「トランプ再登場後のメディア再配列」としても語られる。米Axiosは、ムスクのX買収からユニビジョンの再編、パラマウント統合、TikTok再編に至る連鎖を「MAGA的改造」と総括した。一連の再編は政治勢力の勝ち負けで解像度を上げてしまいがちだが、実態としては規制当局の“条件闘争”と、配信・広告の“規模の経済”が背景にある。Axios


6. SNSの反応——“掌握”か“カウンター”か

SNSでは、賛否がはっきり二極化している。

 


  • 警戒派:公共ラジオのベテラン記者は「新オーナー下のCBSが政権・規制への“宥和策”を重ねている」と指摘。批判派の市民団体やローカル政党アカウントも「MAGAメディア帝国化」を懸念する声を次々に投稿した。X (formerly Twitter)

  • 歓迎派:保守系ブログや掲示板では「長年のリベラル偏重への対抗軸が必要」との論調が目立ち、エリソンの動きを“カウンターウェイト”と捉える発信が拡散。Newsweekの関連記事をシェアする投稿も相次いだ。Ground News

  • 現場目線の冷静論:政治記者は「TikTok入札でエリソン一家が『米国最大級の分配装置』の支配権に近づく」と要点整理。ここでは、善悪より“分配とガバナンス”が論点化している。X (formerly Twitter)

SNSは“熱”の可視化には向くが、検証には向かない。だからこそ、買収条件や監督体制、苦情処理の仕組みといった「冷たい制度」のほうを丹念に追う必要がある。


7. 何が本当に変わるのか——編集室の外にあるレバー

右傾化の有無は、個々のニュース原稿よりも、(1) 苦情処理の設計、(2) コンテンツ推薦アルゴリズム、(3) 出演者・制作会社への発注、(4) 広告在庫の粒度 といった“見えない配線”に現れる。スカイダンス統合に付随したオムブズマンの導入はその象徴であり、TikTokのアルゴリズム監督にオラクルが関与する案も、配線を握ることの意味を端的に示す。バラエティ


8. 誰が監督するのか——規制と透明性のチェックリスト

この地殻変動が民主主義に資するかは、以下で決まる。

  1. 監督の多層性:政府規制だけでなく、独立オムブズマン、社外取締役、監査法人、NPO監視をどう重ねるか。Reuters

  2. アルゴリズムの説明可能性:レコメンドのバイアス検証、独立研究者へのアクセス窓口、年次透明性レポートの実施。フィナンシャル・タイムズ

  3. 編集権の防波堤:スポンサーや政権との距離を測る社内規程の明文化、編集トップの任免プロセスの公開。バラエティ


9. 結び——「誰が語るか」より「誰が届けるか」

メディアの右傾化をめぐる是々非々は続くだろう。ただ、2025年の本質は「誰が語るか」だけでなく「誰が届けるか(配信の支配権)」にある。資本、規制、アルゴリズム——この三つの配線図を読み解くことが、ニュースの未来を見通す最短ルートだ。Axios


参考記事

世界のメディアを右寄りにシフトさせるテック界の億万長者
出典: https://www.smh.com.au/business/companies/the-tech-billionaire-shifting-the-world-s-media-to-the-right-20250922-p5mwwo.html?ref=rss&utm_medium=rss&utm_source=rss_business

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