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左利きはなぜ卓球とフェンシングで強いのか ─ 20年・数万人分のランキングが示した“希少性アドバンテージ”

左利きはなぜ卓球とフェンシングで強いのか ─ 20年・数万人分のランキングが示した“希少性アドバンテージ”

2025年09月26日 00:35

1. 「左利きが強い」は都市伝説か、統計的事実か

「左利きは卓球とフェンシングで有利」──長年プレーヤー間で語られてきた通説に、20年・トップ300のランキング分布を材料にした実証が乗った。Phys.orgのまとめによれば、最新のRoyal Society Open Science掲載研究は、フェンシング(エペ/フルーレ/サーブル)、卓球、テニス、バドミントンを対象に、利き手の過剰代表(overrepresentation)をパフォーマンス層別に検証。結果は明快で、卓球とフェンシングで左利きが恒常的に多い。とくに卓球ではトップ50の2割超が左利きという数値が示された(一般人口では約1割) 。Phys.org


2. 20年×トップ300という“厚み”

この研究は2004–2023年の年末世界ランキングトップ300(男女)をカバーし、単なる「人数の多寡」だけではなく、順位分布のかたちまで見ている。つまり、「トップに近づくほど左利き比率が上がるのか?」という問いにデータで向き合っている点がポイントだ。研究の補助資料(figshare)も、各競技・性別のトップ300における利き手頻度の集計を提示している。rs.figshare.com


3. なぜ卓球とフェンシングで左が増えるのか

最もよく挙げられる説明は希少性アドバンテージだ。右利きが多数派の世界では、練習・試合の相手が右利きに偏り、左から来る回転や角度、コース取りへの露出が少ない。対して左利きは、右利きと当たる機会が多い分、右への適応が進む──この非対称性がパフォーマンスに乗るという考えである。加えて、意思決定の時間的制約が厳しいスポーツほど左利きの割合が増えるという既往研究(2017)とも整合的。卓球はまさに高タイムプレッシャー競技の代表格だ。Phys.org


4. データは“トップで濃くなる左”を示す

今回の研究は、上位に行くほど左利きが濃くなる傾向を示した。卓球でトップ50中20%超、フェンシングでも一般人口比を上回る左利きの過剰代表が確認された。これは、左利きが技能発達の早い段階で優位を得て上位に上がりやすい、あるいは上位の環境でも優位を維持しやすい可能性を示唆する(ただし因果は本研究だけでは断定できない)。Phys.org


5. 「じゃあ右利きは不利なの?」に答える

Noだ。まず、プロの現場では左対策が進むほど優位は縮むという実感もある。SNSには「上のレベルほど差は小さい」という声が複数見られた(Redditの議論やコミュニティでの体験談)。また、技術・戦術・フットワークの差は利き手を凌駕する。結局のところ、左利きは**“初見殺し”の率を高めやすいが、長期的には対策の質と量**が勝敗を分ける。Reddit


6. 実務への落とし込み:コーチング&スカウティング

(1) 練習設計の再配分

  • スパーリングの左利き比率を意図的に引き上げる。大学・実業団なら合同練習で左利きを“レンタル”するのも一手。

  • サーブ/レシーブの左右ミラーを作り、左の横回転への触れを増やす。Reddit

(2) データ活用のスカウティング

  • ジュニアで左利き選手を早期発見し、対人戦の露出を増やす。

  • 強化試合における左相手の成績を別トラックで管理し、**苦手コース(たとえばレフティのクロス/ストレート)**を可視化。

(3) モデル化された知見との接続

  • 左利き優位は、対人・高速競技で理論的に説明されてきた(例:一対一競技での左利き効果のモデル化研究)。**「競技の時間圧×対人性」**が鍵だ。De Gruyter Brill


7. 有名選手の「左」が作る風景

卓球の世界を見渡すと、王楚欽、林高遠、林昀儒、水谷隼、丹羽孝希ら、トップ〜元トップの左利きが枚挙にいとまがない。選手紹介や公式・メディアプロフィールでも左利きが明記されている。日本勢では水谷・丹羽の系譜が、右前提の作戦盤に**“左の線”**を描いてきた。オリンピック公式サイト ウィキペディア


8. SNSの反応:賛否と“あるある”

 


  • 速報転載系:研究結果を端的に紹介するポストがXで拡散。「一般1割に対し、トップ50では2割超」というフレーズが刺さっている。X (formerly Twitter)

  • 体感派:「左は“角度と回転”が厄介」「サーブの横下が見えにくい」「バック対バックの配球がズレる」。卓球コミュニティの定番トピックだ。Reddit

  • 冷静派:「プロは左対策が常識。慣れが進むと差は縮む」「左右より基礎と意思決定が勝敗を決める」。Reddit

  • 選手名トーク:「今強い左はだれ?」で林昀儒/林高遠/王楚欽の名前が頻出。Reddit


9. 見落としがちな留意点

  • 因果ではなく相関:左利きが多い=左利きが必ず有利、ではない。母集団の年代構成、競技スタイルのトレンド、地域差など交絡の余地はある。

  • 競技差:すべての対人競技で左が多いわけではない。既往研究では、時間圧の低い競技では過剰代表が見られない例もある。PubMed

  • 環境のフィードバック:左対策が広がるほど、優位は縮小方向に動く可能性がある(“軍拡”の均衡)。


10. 結論:左の線を自分の戦術地図に引く

今回のRSOS論文とPhys.orgの報道は、「左利きの過剰代表は実在し、しかもトップで濃くなる」という、現場感覚に近い実証を提示した。実務者にできる最初の一歩は、練習設計に左を組み込むこと。そして、左対策の蓄積をデータで可視化することだ。右利きにとっては“苦手”の空白地帯を埋める作業、左利きにとっては優位を持続させる作業──いずれも、勝ち筋を太くする。



参考記事

左利きの人はフェンシングや卓球で高い順位を占める
出典: https://phys.org/news/2025-09-left-handers-high-table-tennis.html

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