メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

iRobot崖っぷち:延命リミット12/1、ユーザーはどう備える? 三重苦に沈むiRobotが示すハード×クラウドの難しさ

iRobot崖っぷち:延命リミット12/1、ユーザーはどう備える? 三重苦に沈むiRobotが示すハード×クラウドの難しさ

2025年11月12日 10:19

1) 何が起きたのか:数字で見る“崖っぷち”

米The Vergeは11月10日(UTC)、「iRobotの収益が急落し現金が底をつきかけている」と報じた。Q3の会社説明では「市場逆風・生産遅延・輸送混乱」で売上が想定を大きく下回り、キャッシュ消費が加速。手元資金は2,500万ドル未満で「新たな資金の当てがない」とCEOのGary Cohenが述べている。The Verge


実際の業績数値を見ると、2025年Q3売上は1億4,580万ドルで前年同期比約25%減。6月末4,060万ドルあった現金同等物は9月末に2,480万ドルへ縮小、制限付き現金5百万ドルも9月末で使い切った。バキューム・ウォーズ


加えて、資金繰りの命綱である借入契約の「制約免除(ワイバー)」は10月27日の8-Kで12月1日まで延長されたに過ぎない。つまり“延命”の賞味期限が明確にある。Business Insider


2) こうなった背景:破談、遅延、競争

この急坂は、アマゾンによる約14億ドルでの買収計画(2022年発表)が規制審査で頓挫し、2024年に正式に破談となったことが大きい。破談の余波で創業者CEOのコリン・アングル氏が退任、3割超の人員削減、借入増加と再編が続いた。Business Insider


競争環境も厳しい。Roborock、Ecovacs、Dreameなど中国勢はハード性能と価格で攻勢を強め、iRobotは2025年にLiDAR採用の新ラインを投入して巻き返しを狙ったが、アプリ機能の見直しなどもあって“差別化の再構築”は道半ばだ。The Verge


3) 12月1日という“時間割引”

同社は「戦略的選択肢(売却、資本提携、負債再編など)」を引き続き模索中だが、借入契約の制約免除延長は12月1日まで。これ以降の見通しは不透明で、資金提供者の支援が途切れれば破産法の活用に踏み切る可能性も示唆している。Business Insider


株式市場は2025年の年初来で大幅安。春には「継続企業の前提」に重大な疑義(going concern)が付く局面もあり、構造課題が長期化している。バロンズ


4) “もし止まったら”あなたのRoombaはどうなる?

ユーザーにとって切実なのは、会社の命運がクラウドサービスにどう波及するかだ。The Vergeによれば、iRobotの回答は「日常業務は継続中で、製品やサポートの変更はない」。仮にクラウドが停止しても多くのRoombaは物理ボタンによる“オフライン運用”が可能で、基本的な開始・停止・ドック帰還はできる。一方、アプリからの部屋指定清掃やスケジュール、音声連携などは機能しない恐れがある。The Verge


先行例としてNeatoがある。2023年に事業停止した同社は、2025年Q4にクラウドを段階停止。結果としてアプリ経由の機能が使えなくなり、物理ボタンでの運用に戻った──というユーザー報告がRedditに相次いだ。クラウド前提のスマート家電が抱える“停止リスク”は、iRobotでも論点となる。Reddit


AppleInsiderも「Roombaはオフラインで最低限は動くが、クラウド機能が落ちれば高度機能は使えない」と指摘。先のNeatoのクラウド運用終了も併記し、消費者視点の影響を整理している。AppleInsider


5) SNS/コミュニティの反応:移行、プライバシー、そして規制論争

「移行を検討」派

r/RobotVacuumsでは「iRobotから他ブランドへ移るなら?」という相談が目立ち、RoborockやDreameへ切り替えた体験も共有されている。ブランド選好だけでなく、クラウド依存の度合い、LiDARの地図生成精度、消耗品コストなど“運用面”の比較が活発だ。Reddit


「プライバシーが不安」派

Hacker Newsでは「カメラ搭載機のクラウド送信が不安」「LiDARのみの機種を選ぶ」といった声が並ぶ。価格や清掃性能に満足でも、データの扱いに敏感な層はクラウド前提のUI/機能に慎重だ。Hacker News


「規制が悪いのか?」論

アマゾン買収が規制審査で潰えた点をめぐっては、政治・規制の是非に踏み込む議論も。Business Insiderは、買収破談後の“最後の買い手”との交渉も破談に終わったと伝え、危機が長引いた構図を補足している。一方で、「巨大プラットフォームの垂直統合を制限する規制の意義」を支持する声も見られる。Business Insider


6) ユーザーが“今”できる実務的な備え

(1) オフライン前提の運用手順を確認する。 物理ボタンでの開始・停止・ドック帰還を試し、最小限の清掃ができることを確かめる。The Verge

(2) 時限機能に依存しすぎない。 アプリの部屋指定やスケジュール、音声連携が“一時的に”使えなくなる事態を想定し、ルーティンを見直す。AppleInsider

(3) 代替機の比較基準を持つ。 マッピング精度(LiDARの世代)、水拭きユニットの構造(回転モップ/ローラーモップ)、消耗品・メンテ性、クラウド依存度、データ取り扱い方針などを評価軸に。The Verge

(4) 返金・保証の可否を整理する。 先行例Neatoでは「機能消失」を理由に小売り・カード経由の救済を模索したユーザー事例がある。各国の消費者法や購入チャネルの規約を確認したい。Reddit


7) それでも、再起はあり得るのか

iRobotは創業35年、Roombaで市場を切り開いたパイオニアだ。新ラインではLiDAR採用やハード刷新も進めている。とはいえ“時間割引”が厳しい現状では、(A) 機動的な資本注入、(B) 事業売却・合従連衡、(C) クラウド運用のコスト最適化とローカル機能の強化——少なくとも二つを短期間で実行する必要がある。The Verge


再起のカギ

  • クラウド前提の見直し:クラウドは“強化”であって“前提”ではない設計へ。オフラインでのスケジュール・部屋指定等、ローカル完結の選択肢を広げる。The Verge

  • プロダクトの分かりやすさ:掲示板の声は、セットアップ・メンテ・消耗品コストの“体験差”を評価軸にしている。ここを勝ちに行けるか。Hacker News

  • 資本政策と規制戦略:規制対応を前提に、提携・売却・再編の“次善策”を早く用意する。Business Insider


8) タイムライン整理(主要トピック)

  • 2022年:アマゾンがiRobot買収を発表。審査長期化へ。Business Insider

  • 2024年初:買収破談。レイオフ、CEO交代など再編。Business Insider

  • 2025年3月:継続企業に関する懸念が表面化、株価急落。バロンズ

  • 2025年10月27日:借入契約の制約免除、12月1日まで延長。Business Insider

  • 2025年11月10日:Q3発表、現金2,500万ドル未満、追加資金の当てなしと報道。The Verge


編集後記:Roombaの“次の20年”の条件

この騒動は、ロボット掃除機という“動く家電”がクラウドと結びついたときの社会実装の難しさを映す鏡だ。停止リスク、プライバシー、規制、資本市場。どれもiRobot一社だけの問題ではない。たとえ企業体としてのiRobotがどのような形に落ち着こうとも、**「つながることで良くなるが、つながらなくても困らない」**という設計思想こそ、スマートホームの成熟に不可欠だと感じる。The Verge


参考記事

iRobotの収益が急落し、資金がほとんど尽きかけています。
出典: https://www.theverge.com/news/817536/irobots-revenue-has-tanked-and-its-almost-out-of-cash

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.