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インターネットアーカイブがアメリカ政府の公式文書図書館に!著作権の逆風を追い風に? IA連邦図書館指定の舞台裏と波紋

インターネットアーカイブがアメリカ政府の公式文書図書館に!著作権の逆風を追い風に? IA連邦図書館指定の舞台裏と波紋

2025年07月26日 12:27

1. 発表のインパクト

「インターネット・アーカイブが公式に“米政府文書館”になった」──Engadgetの見出しは、デジタル保存界隈のみならず一般のSNSタイムラインをも賑わせた。米上院がIAに連邦政府刊行物寄託図書館(FDLP)としての地位を与えた瞬間、同団体は1100を超える公立・大学図書館と肩を並べることになった。エンガジェット


2. FDLPとは何か

FDLPは1813年創設という長い歴史を持つ制度で、地図から議事録、環境報告書まで「公共の知る権利」を担保する目的で成り立ってきた。だが紙の山は図書館の床面積を圧迫し、デジタル移行の遅れが課題となっていた。カーレらが率いるIAは、まさにそのデジタル化ノウハウを武器に指名を勝ち取った格好だ。KQED


3. 指名の舞台裏——パドリーヤ議員の狙い

カリフォルニア選出のアレックス・パドリーヤ上院議員は、GPO(政府出版局)あての書簡で〈デジタル時代に最適な寄託館〉としてIAを推挙。「Universal Access to All Knowledge」の理念に共鳴したと語る。インターネットアーカイブブログ


4. IA側の受け止め

創設者ブリュースター・カーレはKQEDの取材で「ウィキペディア等と連携させ、政府資料をネット生態系に織り込む」と抱負を述べた。KQED この“エコシステム”という言葉に、IAが単なる倉庫ではないという自負が滲む。


5. “Democracy’s Library”構想の加速

IAは既に政府レポートを集約する「Democracy’s Library」を2022年に公開している。FDLP入りで一次資料の取得が容易になり、同プロジェクトは実質的な「国民のためのオンライン国立図書館」へと発展する見通しだ。KQED


6. デジタル時代の公共アクセス

GPOも2016年以降ディジタル保存を強化し、govinfo.govを通じた電子公開を推進している。しかし予算・人員の制約から網羅性には限界がある。クラウドスケールで運用するIAの参入は、政府自体のDXを後押しする形だ。KQED


7. 立ちはだかる法的リスク

祝賀ムードの一方、IAは現在も出版社4社との電子書籍貸与訴訟で500万冊以上の削除を余儀なくされ、音楽業界からはGreat 78 Projectを巡り7億ドル規模の訴訟を抱える。KQED FDLP指定が“図書館である”という法的お墨付きを強め、裁判の論点に影響する可能性も指摘されている。


8. SNSの歓迎ムード

 


X(旧Twitter)ではEngadget公式の告知ツイートに「歴史的快挙!」とハートが連打され、図書館員やアーキビストからも「#OpenAccess の勝利」といった祝福が相次いだ。X (formerly Twitter)
Blueskyでも「これでトランプが資金を断とうとするんじゃ…?」との皮肉交じりの投稿が拡散。Bluesky Social


9. 懸念の声——「政府支配になる?」

Redditの/r/Destinyスレッドでは「政府にコントロールされないか?」と疑問を呈するスレ主に対し、「IAが受け入れるわけがない」と反論するコメントが伸びた。Reddit 政府寄託館=検閲というイメージは根強いが、実際には寄託館側の自主運営が原則だ。


10. 専門家の見立て

政府情報専門ブログ「Free Government Information」は「デジタルファーストのFDLPモデルを示す好例」と歓迎。freegovinfo.info 一方で著作権訴訟を注視する大学図書館関係者からは「公共性の高さが裁判所の判断をどう揺らすかが次の焦点」との声も上がる。


11. IAとGPOの相互補完

FDLPのデジタル移行はGPO単独では追いつかない。Archive‑Itなど既存のIAインフラでウェブクロール量を拡大し、政府公式 PDF・HTMLの保存先を二重化することで、いわば“バックアップ付きGovInfo”が実現する。


12. トランスペアレンシーの強化

2017年以降の政権交代で起きた気候変動情報の削除や、2025年の再選後に行われたウェブサイト書き換え問題は「デジタル・デケイ」を可視化した。Wayback Machineが救ったページは数千万件に上る。FDLP指定は、こうした民間主導アーカイブを公式ルートに組み込む初の試みとも言える。Vox


13. 国際的波及効果

欧州連合は2026年までに域内の公共文書を完全オープンアクセス化する方針を掲げる。今回の米国の動きは“デジタル公共財”戦略の世界的標準化を後押しし、各国アーカイブ間での相互リンク強化につながる可能性が高い。


14. 文化保存とプライバシー

大量のPDFやスキャン画像には個人情報が混入するリスクもある。IAは既に顔・署名・住所の自動マスキングAIを試験導入しており、プライバシーと保存の両立を模索中だ。


15. 今後のロードマップ

カーレは10月に予定される「1兆ページアーカイブ達成」を節目に、FDLP資料100%デジタル公開とリンク切れ自動修復APIを発表する計画を示唆している。KQED


16. 結語

紙からクラウドへ──212年目のFDLPにソフトウェア発想を持ち込んだのがインターネット・アーカイブだ。祝福も懸念も含めて可視化された議論こそが、公共情報の未来をかたち作る。デジタル時代の「図書館」をどう定義するか。その実験は、いま始まったばかりである。


参考記事

インターネットアーカイブが正式にアメリカ政府の文書図書館となりました。
出典: https://www.engadget.com/general/internet-archive-is-now-an-official-us-government-document-library-123036065.html?src=rss

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