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家庭用乾燥機が引き起こす見えない脅威:マイクロファイバー汚染の真実

家庭用乾燥機が引き起こす見えない脅威:マイクロファイバー汚染の真実

2025年10月17日 00:26

1. 「洗う」だけじゃない——“乾かす”が出す繊維の雨

洗濯機は下水へ、乾燥機は空へ。DRIと非営利団体Keep Tahoe Blueが住民ボランティアと実施した調査は、家庭用乾燥機のベント(排気口)から、日常使用の範囲でマイクロファイバーが継続的に放出されていることを示した。米国全体の電気乾燥機台数と家計の乾燥回数から逆算した推定排出量は、年間3,543トン(自由の女神の約30倍の重量)。繊維の主体は意外にもコットンなど天然由来で、合成繊維(ポリエステルなど)より多かったという。phys.org


2. どうやって測ったのか:市民科学×メッシュ捕集

方法はシンプルだ。6世帯が3週間、屋外側の乾燥機ベントに細かいメッシュを装着し、乾燥したアイテムと素材をスマホアプリで記録。DRIで重量や化学組成を分析した。76回の乾燥ログ(+対照の記録)から、1回あたり平均約138mgが外気へ出ている計算。ばらつきは機種や年式、衣類の状態で大きく、素材はコットン・ポリエステルが中心だった。全国推計では天然由来が約2,728トン、合成由来が約460トン。PubMed


3. ベント式が“抜け道”に——方式差と米国事情

米国で主流の「ベント式」(タンブル乾燥)では、温風を屋外に排出する構造上、リントフィルターをすり抜けるサイズの繊維が外へ出やすい。欧州で普及する凝縮式やヒートポンプ式は排気の扱いが異なるため、排出挙動も違い得る(今後の検証が必要)。いずれにせよ、乾燥機は“空気系”の排出源として、洗濯機の“水系”排出と並ぶ存在だ。phys.org


4. なぜ問題か:繊維は化学物質の“運び屋”

繊維自体に加え、染料、防炎剤、撥水用PFAS、形態安定のためのホルムアルデヒドなど、仕上げ化学が繊維に付随して環境へ移動する可能性がある。ヒト・生態への影響評価は進行中だが、生殖・発達影響など懸念も指摘されている。乾燥機からの放出は街区スケールの大気へ広がり、降下・堆積後に水系へ二次流入する経路も考えられる。DRI


5. SNSはどう反応したか(初動スナップショット)

  • 環境団体・メディアの拡散:Earth.comなどがニュースとして素早く配信し、Instagram等で共有が広がる。啓発系アカウントは「1回の洗濯・乾燥で数百万〜数千万本の繊維」という既存知見と結び付け、フィルター導入やエアドライを促す投稿が散見された。Earth.com

  • 生活者コミュニティの実務目線:Facebookの地域・団体ページでは「効率的なリント管理」「外部ベントの清掃」「二次フィルター(後付け)検討」といった、すぐできる対策の共有が見られる。Facebook

  • テック系コミュニティの懐疑と検証欲:Hacker Newsでは「サンプルが少ない」「健康リスクの大きさは未解明」など、研究の外挿に慎重な声が続く一方、乾燥機を主因とみる見立てへの支持・反論が往来。議論は“リスクの相対化(例:タイヤ粉じんとの比較)”にも及ぶ。news.ycombinator.com

まとめると、SNS上では「いますぐできる生活改善」と「エビデンスの妥当性評価」が並走し、拡散は環境系アカウントをハブに初動が立ち上がったという印象だ。


6. 何ができる?——個人・製品・政策の3層で

個人の行動

  • 乾燥条件の最適化:低温・短時間、満タンすぎない装填、脱水強化で乾燥時間を短縮。可能ならエアドライ(部屋干し・外干し)へ一部シフト。

  • メンテナンス:サイクルごとのリント清掃、屋外ベントの定期点検。

  • 二次フィルターの導入:外部排気ラインに後付けフィルター(市販)や捕集メッシュを装着して回収・廃棄する。研究プロジェクトでも二次フィルターの有効性を検証対象にしている。sfei.org

  • 衣類ケア:毛羽立ちやすいタオル・フリースは頻度や乾燥条件を見直し、摩耗した衣類は補修・交換で“粉化”を抑える。


製品・設計

  • 方式の選択:住環境・電力事情が許すなら、ヒートポンプ式/凝縮式などベントに依存しにくい方式を検討(ただしエネルギー・コスト・捕捉挙動は機種ごとに検討が必要)。既存のベント式でも後付け二次フィルターで改善可能。phys.org


政策・規格

  • 先行例:フランスは洗濯機へのマイクロファイバーフィルター装着を2025年から義務化。乾燥機への適用や国際的な制度化は今後の論点だ。US EPA

  • 米国の動き:Fighting Fibers Act of 2025など、マイクロファイバー対策の法整備を求める声が台頭。乾燥機の設計・フィルター義務化、排出評価の標準化が議題化しつつある。Merkley


7. 研究の限界と次の一手

今回の研究は市民科学としての強み(実生活条件・迅速な実装)を持つ一方、参加世帯が少数で地域偏りがある。ベント式偏重の米国事情もあり、凝縮式・ヒートポンプ式での比較試験や季節差の評価、微細繊維の二次拡散・沈着先(都市大気→土壌→水系)の追跡が課題だ。公表論文の結論も「排出は有意、削減策の実装が急務」という実務的メッセージに収斂する。PubMed


8. 結論:ドラムの外に広がる“ケアの範囲”

乾燥機の快適さは、目に見えない繊維の霧を伴う。だが、後付けフィルター、条件最適化、エアドライの組み合わせで今日から減らせる。同時に、メーカーの設計改善と制度整備が噛み合えば、生活の質を落とさず環境負荷を下げられる。問題は「大気中に出る繊維の総量」をどう下げるか——答えは、家庭・製品・政策の三位一体の“微差の積み重ね”にある。phys.org


参考記事

研究によると、家庭用乾燥機はマイクロファイバー汚染の重要な原因であることが判明しました。
出典: https://phys.org/news/2025-10-household-dryers-significant-sources-microfiber.html

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