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ハワイ固有「赤いブルーベリー オヘロ」は日本生まれだった:ブルーベリー属が描く環太平洋ルート

ハワイ固有「赤いブルーベリー オヘロ」は日本生まれだった:ブルーベリー属が描く環太平洋ルート

2025年11月12日 10:18

1)「青くないブルーベリー」の出自が覆った日

11月10日(米国時間)のPhys.orgは、ハワイの野生ブルーベリー「オヘロ」の起源が北米ではなく北東アジアにあるという研究を紹介した。DNA比較の結果、ハワイ産オヘロは日本のヒメウスノキ(Vaccinium yatabei)に最も近縁で、太平洋をまたぐ“意外な血縁”が浮かび上がったという。Phys.org


ヤタベイ自体も
日本および樺太などの寒冷域
に分布する低木で、温帯適応という「素地」をもつ。Plants of the World Online


2)渡り鳥が運んだタネ、噴火が用意した居場所

研究チームは、約500–710万年前に祖先集団がハワイ(とくに古い島・カウアイ)へ渡ったと推定。渡り鳥がベリーを食べ、消化管を経てタネを運搬した可能性が高い。火山島の高標高の冷涼・多湿環境は、元来寒冷適応をもつ祖先にとって“居心地のよい”ニッチだった。PubMed


オヘロは新しい溶岩流でも生育できる“タフな先駆者”で、噴火直後の荒涼地をいち早く彩る。文化的にはネネ(ハワイガン)の餌でもあり、ハワイの神話・祭祀と結び付く「赤いブルーベリー」として知られる。Phys.org


3)DNAが描く「ポリネシア→北米への逆走」まで

今回の論文(American Journal of Botany, 2025/10/21 online ahead of print)は、HybSeqによるターゲットキャプチャ配列データを用いて、系統・祖先域・分岐年代・ネットワーク解析を統合。ハワイ産クレードは日本起源で、のちに南東ポリネシア(V. cereum)へ拡散し、同地で別系統との交雑起源が裏付けられた。さらに、ハワイ→北米沿岸への“出島(back-dispersal)”とV. ovalifoliumへのイントログレッションを示唆するシグナルも報告されている。PubMed


4)「3種」から「15–18種」へ?分類見直しの衝撃

ハワイ産Vacciniumは従来**3種(V. reticulatum / V. dentatum / V. calycinum)**と整理されるが、標本・現地観察と広域DNA解析の予備結果から、15–18の“実質的な種”が見込まれるという。これは保全の単位と優先順位を塗り替え、小分布の系統や島内の局所適応を見逃さない戦略が不可欠になる。Phys.org


5)SNSの反応:学会・研究者アカウントが拡散の火付け役

一般向けメディア露出は始まったばかりだが、Botanical Society of America(米国植物学会)や関連コミュニティはInstagramで論文・図版を紹介し、#plantscience #botanyなどのタグで共有を促進。学会公式リール/投稿が**DOI(10.1002/ajb2.70113)を直接案内しており、研究者・自然愛好家の間で拡散が進む。Instagram


地元テキサスでは
Fort Worth Botanic Garden(BRIT)**との関わりを伝えるローカル記事も登場し、研究の“発信拠点”としての存在感が可視化された。Fort Worth Magazine


※本稿作成時点:2025年11月11日(JST)。Phys.org掲載は11月10日。SNS上の一般ユーザー反応は今後増える見込みで、文化・観光・保全の観点からの議論が拡散軸になりそうだ。Phys.org


6)なぜ大事か:島の進化・文化・保全を一本で結ぶ

  • 進化生物学:島嶼での多様化(adaptive radiation)像を、大陸→島→“逆走”大陸という非対称な分散史で更新。PubMed

  • 生態学:**鳥散布(endozoochory)**の長距離効果を、環太平洋スケールで実証的に補強。Phys.org

  • 保全:未認識の系統多様性(15–18)を踏まえた“細かな単位”の保全へ方針転換。Phys.org

  • 文化:食・祭祀・象徴としてのオヘロの価値を、系統史とともに語り直せる。ウィキペディア


7)研究のミクロ:どんなデータでわかったのか

  • データ:ハワイ産と近縁群からのHybSeqパネル+既存ワクシニエア系統データを統合。

  • 解析:系統推定+祖先域推定+化石較正年代推定+ネットワーク解析を併用し、**核と葉緑体の不一致(discordance)**を手がかりに交雑史まで検討。

  • 主要結論:東アジア起源(約7.1–5.2 Ma)、V. cereumの交雑起源、北米への逆流シグナル。PubMed


8)用語&背景ミニ解説

  • オヘロ:ハワイの高標高帯に多い低木群。果実は赤~橙~黄など多彩で、“ブルーベリー”の名に反して青くないものが多い。ネネの重要な餌でもある。Phys.org

  • V. yatabei(ヒメウスノキ):日本(本州中部以北・樺太など)の冷温帯に分布する近縁種。今回、ハワイ産の“姉妹群”候補として浮上。Plants of the World Online

  • ハワイ産3種:V. reticulatum / V. dentatum / V. calycinum。ただし詳細解析ではさらに細分化が示唆される。ウィキペディア


9)これからの論点:保全とリブランディング

  1. 分類再編:未記載系統の記載・評価が急務。保全指定・モニタリング単位の設計にも直結。Phys.org

  2. 生息地保護:火山活動・観光・外来種圧へのレジリエンス評価。

  3. 文化資源化:“赤いブルーベリー”のストーリー(日本→ハワイ→ポリネシア→北米)を活かしたサイエンス・ツーリズムや教育普及。PubMed


参考記事

ハワイのブルーベリー、意外にも北東アジアに起源があることが判明
出典: https://phys.org/news/2025-11-hawaiian-blueberries-northeast-asia-discovery.html

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