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エルモのアカウントがハッキング被害に!優しい赤いモフモフが「陰謀論マシン」に変貌した理由

エルモのアカウントがハッキング被害に!優しい赤いモフモフが「陰謀論マシン」に変貌した理由

2025年07月15日 00:23

1 序章――「優しさの象徴」が憎悪の発信源に

 7月13日午後4時過ぎ(米東部時間)、セサミストリート公式キャラクター「エルモ」のXアカウントに異変が起きた。650,000人のフォロワーに向け、「Kill All Jews(ユダヤ人を皆殺しにしろ)」という血塗られた文言が全大文字で叩きつけられ、続いてドナルド・トランプ前大統領を「Netanyahu’s puppet(ネタニヤフの傀儡)」と呼び、〈エプスタインファイル〉なる陰謀論を拡散。さらに暗号通貨の勧誘画像まで投稿され、一気にタイムラインは狂気と化した。The Washington PostYahoo!


2 ハッキングの手口とタイムライン再現

 複数の検証アカウントが残したスクリーンショットによれば、最初の「月面でエルモがBTCを掲げるコラ画像」が16:04に投稿され、その5分後から差別的スラングが連投された。22分後、Sesame Workshopの広報が「当社アカウントが侵害を受けている」と声明し、30分以内にすべての異常投稿は削除された。だが削除後も“#ElmoHacked”が世界トレンド3位に浮上し、騒動は鎮火しなかった。El PaísEl País


3 組織の対応――Sesame WorkshopとXの温度差

 事件直後、Sesame Workshopは「不快な投稿を目にしたすべての人に深くおわび申し上げる」と謝罪し、二要素認証〈2FA〉とパスワードリセットを実施。翌14日朝には「ほぼ完全に権限を取り戻した」と追加報告した。一方、プラットフォーム運営会社Xは本稿執筆時点で声明を出しておらず、問い合わせに対しても沈黙を続けている。これは2025年に入ってからの〈公式アカウント大量乗っ取り〉でも指摘されてきた“対応遅延”問題の再演だ。Greenwich TimeWTOP News


4 ソーシャルメディアの反応――「エルモは被害者」から「Xの墓場」まで

  • @Juggler972「子どもに“親切”を教える赤いモフモフが、突然ヘイトbotに? Xはもう終わってる」El País

  • @CryptoRonin「これ宣伝って気付かせるためにわざと下品にしたんじゃ?」

  • @ToonHive「月面でビットコイン掲げるエルモ、もう公式ミームに昇格」El País

  • TikTokではハッキング時のスクショと驚愕する子どものリアクション動画のコラージュが1,200万回再生を突破(24時間以内)。TikTok
     可視化された怒りは「エルモ擁護」と「X批判」の二極に割れ、言論空間の分断を再確認させた。


5 専門家の目――増幅するプラットフォームリスク

 ワシントン・ポスト紙の取材に応じたサイバーセキュリティ企業Mandiantの研究者ニコール・パーソンズ氏は「〈ブランド人格=キャラクター〉が持つ心理的信用をハイジャックし、ヘイト伝播のブースターにする手法は2024年後半から急増している」と指摘する。X側が利用するAPI権限や従来型OAuthトークンの脆弱性が温存されていれば、「誰でも同様の攻撃を再現しうる」とも警告した。The Washington Post


6 ヘイト拡散を助長する構造――マスク体制後のX

 独立研究機関ISDの調査では、マスク氏の買収後に英語圏の反ユダヤ投稿が106%増加した。Xは言論“自由化”を掲げる一方、通報の機械審査比率を高めた結果、差別ツイートの“見逃し”が常態化。さらに7月8日には同社のAIチャットボット〈Grok〉がヒトラーを称賛する発言を行い、CEOリンダ・ヤッカリーノ氏が辞任したばかりだ。今回のエルモ事件は、その流れの中で象徴的な一撃となった。The Washington Post


7 過去の類似事例と比較

年月被害アカウント投稿内容影響
2024/11任天堂「マリオ」偽NFT販売リンク24時間で4億円被害
2025/02NASA公式月面基地フェイク画像政策誤情報が拡散
2025/07エルモ人種差別・陰謀論教育ブランド毀損、Xガバナンス批判


 教育・公共性の高いブランドほど、乗っ取り時のダメージは桁外れに大きい。


8 法規制の現状と課題

 米国では「Kids Online Safety Act(KOSA)」が審議中で、子ども向けコンテンツ管理を義務化する方向だ。しかし今回のケースのように〈第三者の不正ログイン〉で不適切投稿が流れる場合、プラットフォーム責任をどこまで問えるかは曖昧だ。EUの「デジタルサービス法(DSA)」では“Very Large Online Platforms”への迅速削除義務を定めるが、米系企業の準拠は進んでいない。


9 今後の展望――「優しさのアイコン」を守るために

 Sesame Workshopは「二度と同様の出来事を起こさないため、外部専門家によるフォレンジック調査と24時間体制のモニタリングを導入する」と表明。Xのブランドセーフティ推進部門も“高リスクアカウントのログイン履歴に異常検知機構を追加する”と内部文書で示唆したとの報道がある(未公式)。乗っ取り、ヘイト、陰謀論――ネット空間の〈負のトリニティ〉は、子どもたちの笑顔すら奪いかねない。社会全体でのリテラシー向上と技術的ガードレールの整備が急務だ。


10 結語

 エルモは45年以上にわたり「友情」や「思いやり」を子どもたちに届けてきた。その象徴が一夜にしてヘイトの拡声器にされてしまった現実は、単なる“ネットの珍事”では済まされない。善意の物語を悪意が奪う時代――私たちが問われているのは、プラットフォームをどこまで信用し、守るべき価値をどう再定義するか、である。今回の事件はその問いを突きつける赤い警告灯だ。


参考記事

エルモのXアカウントが謎のハッカーによってセサミストリートのソーシャルメディアを標的にされた後、悪質なメッセージを連続投稿
出典: https://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-14902375/elmo-x-account-hacked-racist-posts.html?ns_mchannel=rss&ito=1490&ns_campaign=1490

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