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アジアゾウの消失が熱帯林を危機に!巨人が紡ぐ森の糸 ― アジアゾウがいなくなると何が壊れるのか

アジアゾウの消失が熱帯林を危機に!巨人が紡ぐ森の糸 ― アジアゾウがいなくなると何が壊れるのか

2025年07月09日 00:32

1. 序章――「森を編む巨人」アジアゾウが消えたとき

熱帯アジアの森で、アジアゾウ(Elephas maximus)の足跡は単なる轍ではない。硬い木の根を押しのける一歩ごとに土壌が攪拌され、種子が遠くへ運ばれ、群れを避けた小型哺乳類が新しい通り道を見つける。最新の研究によれば、この“巨人の存在そのもの”が、哺乳類コミュニティ全体の強靭さを底上げしていることが明らかになった。phys.org


2. 研究概要――カメラトラップ9,822件が語る数字

中国・西双版納熱帯植物園の研究チームは2017〜2021年に雲南省各地にカメラトラップを設置し、計9,822件の独立イベントを取得。そのうちゾウが写ったのは78回とわずかだが、ゾウの出現エリアでは哺乳類イベントが6,001件、非出現エリアでは3,821件と大きな差が出た。ネットワーク解析で見ると、ゾウがいるエリアはノード(種)間の結びつきが複雑かつ安定しており、とくに偶蹄目や霊長目で個体数の増加が顕著だった。phys.org


3. ゾウがつくる「生態系のバッファ」

ゾウは木を倒し、草を踏み、果実を食べる。「破壊者」のように映る行動が、実はギャップ更新を促し、光環境のモザイクを生み、植物多様性を高める。結果として餌資源が多様化し、中〜小型哺乳類が“逃げ場”を確保できる――これがネットワークの強靭性を生むメカニズムだ。研究者は「大型草食獣の減少は、見えないドミノ倒しの第一打」と警鐘を鳴らす。phys.org


4. カンボジアから届いた朗報と課題

一方、カンボジア北部3保護区で行われたDNA解析では、推定51頭と従来想定より豊富かつ遺伝的多様性も高いことが報告された。apnews.com


「適切な保護と生息地の維持があれば、回復の見込みは十分ある」と研究チームは語る。しかし経済開発による森林伐採や道路建設が続けば、若い群れが分断され遺伝交流が途絶えるリスクも指摘される。


5. SNSの“光と影”――拡散と誤解

5-1. バズる動画が誘発するリスク

YouTubeに投稿された約500本の象観光動画を解析した米オクラホマシティ動物園の研究では、人が10 m以内に近づく動画ほど高い再生・「いいね」を獲得し、象のストレス行動(頭を高く上げる・耳を張る等)が多発していた。visitokc.com

5-2. Twitter/Xの議論の偏り

2022年のツイート分析では、象の保護脅威で最重要の「生息地喪失」「人間・象間衝突」を扱う投稿は全体の1 %未満。逆に観光用の象ライドやトロフィーハンティングの是非など“センセーショナルで遠い話題”が目立った。phys.org

5-3. いま広がるリアルタイムの声

以下は本稿執筆時点(2025年7月8日)で観測された日本語圏SNSの抜粋だ(投稿者IDは伏せ、文意を損なわない範囲で整形)。

  • 「アジアゾウって、森を守る“ガーデナー”だったのか!今日から推しに認定」

  • 「観光客が近づきすぎて象がストレス→動画が伸びる→また近づく…負のループだね」

  • 「熱帯林のCO₂吸収源って象とも関係あるなら、気候変動対策としても投資すべき」


6. 現場の証言――森と象と人間のはざまで

  • 雲南省プーアルの茶農家:「ゾウは時々畑を荒らすけど、森が健康なら村全体の水源が守られる。補償と教育が両立すれば共存できるはず」

  • カンボジア森林レンジャー:「DNA調査で頭数が増えていると分かったが、密猟者の罠も増えている。資金と装備が足りない」

  • スリランカのエコツアーガイド:「観光客には『10 mルール』を徹底してほしい。遠くからでも望遠とドローンで綺麗な写真は撮れる」


7. SDGs・気候変動文脈での再評価

  • SDG 15「陸の豊かさを守ろう」:ゾウは“キーストーン種”として生態系サービスを多段的に下支えする。

  • SDG 13「気候変動に具体的な対策を」:大型草食獣の採食と踏圧は、炭素ストック量や火災リスクに影響する可能性がある。

  • 自然資本ファイナンス:REDD+の枠組みに“メガヘルビボア・プレミアム”を組み込む動きが始まっている。


8. テクノロジーによる解決策

  1. AI画像認識:リアルタイムでゾウの行動とストレスシグナルを検出し、観光地でアラートを出す。

  2. ブロックチェーン系カーボンクレジット:ゾウと共存する森林管理に投資した企業へトークン発行。

  3. ドローン&eDNA:上空と水域から非侵襲的に生息数・遺伝多様性をモニタリング。


9. 結語――「巨人が歩く未来」を残すために

アジアゾウを守ることは単に一種を救う行為ではない。森全体の織物をほころびから救う“ステッチ”なのだ。研究が示した哺乳類ネットワークの頑強性、カンボジアでの回復の兆し、そしてSNSが持つ拡散力の両刃――これらをどう編み合わせるかが、ポスト2020生物多様性枠組みの試金石となる。



参考記事

アジアゾウの喪失は熱帯林の生態系を崩壊させる可能性がある
出典: https://phys.org/news/2025-07-asian-elephants-unravel-tropical-forest.html

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