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都市化の裏でひそむ吸血者――トコジラミが“人類最古のご近所トラブル”だった!

都市化の裏でひそむ吸血者――トコジラミが“人類最古のご近所トラブル”だった!

2025年06月15日 01:54

1. プロローグ──ある夏の夜、枕元で動く影

都市の深夜。スマホを覗き込んでいたあなたは、タイムラインに流れてきた**「#トコジラミやばい」というポストに目を止める。そこには電車の紫色シート上を走る小さな茶褐色の虫の写真と、震える絵文字の列――「乗ってた路線でも出たらしい」「もうどこにも座れない」。東京の通勤電車では実際に乗客がテープで虫を捕獲し駅員に届けた**という報告がバズったnlab.itmedia.co.jp。


この“新顔の恐怖”は、実は人類と最も長い歴史を共有する旧友だった。6万年前、ネアンデルタール人が洞窟を出た時、コウモリに取り付いていたトコジラミも一緒に旅立ち――そして今夜も私たちの寝具で、密やかに命をつないでいる。



2. ゲノムが語る「最初の都市害虫」

2025年5月、英王立協会誌 Biology Letters に掲載された論文が世界の昆虫学者を驚かせた。

  • 研究チーム:米バージニア工科大のリンジー・マイルズ博士、ウォレン・ブース准教授ら

  • 手法:チェコなどで採集した19標本(ヒト系統9・コウモリ系統10)の全ゲノム比較

  • 主な結果

    1. 約24.5万年前に2系統へ分岐

    2. **氷期(約2万年前)**に両系統とも個体数が激減

    3. ヒト系統のみ1.3万年前に急回復—農耕定住の始まりと同期

    4. 7000年前のメソポタミア都市誕生期に再び急増、以降指数関数的に拡大

研究者は「ベッドバグはゴキブリや黒ネズミより歴史的に早く“都市生物”になった可能性が高い」と結論づけ、“最古の都市害虫”という称号を与えたphys.orgsmithsonianmag.com。


さらにチームは殺虫剤抵抗性関連遺伝子の変異も特定。DDT導入で一度激減した個体群が、わずか5年で耐性を持って復活した謎をゲノムが裏付けた。



3. 日本に忍び寄る「リバイバル・トコジラミ」

3-1. 再流行のトリガー

  • 1970年代、日本では衛生環境改善と薬剤普及で絶滅寸前へ

  • 2000年代後半、訪日旅行者の増加・物流のグローバル化で再侵入

  • 2024年パリ五輪前後のフランス・韓国の大発生報道が火に油

国内皮膚科外来相談件数は2023年にパンデミック前の3倍超に跳ね上がり、都道府県によっては保健所の相談電話がパンクしたというデータもあるhealthist.net。


3-2. 浸透する生活圏

  • 電車の座席:乗客投稿が1万以上リポスト、「布シートの車両は要注意」と拡散nlab.itmedia.co.jp

  • ネットカフェ:潜入動画が82万再生、「血糞を見つけたら即撤退」の合言葉が誕生nlab.itmedia.co.jp

  • 民泊・格安ホテル:チェックリスト画像や“浴室にスーツケース待避法”がバズ

こうした投稿がYahoo!リアルタイム検索の急上昇ワード1位を度々獲得し、「#ベッドバグ」「#トコジラミ警察」といったハッシュタグ文化が形成された。



4. SNSが映し出す日本人の“3つの温度差”

タイプ典型ポスト背景心理
パニック層「布団が信じられない、寝られない!」可視化しづらい被害への不安
対策層「シルクシーツ持参+ディート塗布で海外遠征」nlab.itmedia.co.jp自己防衛情報を求め拡散
ネタ化層「ついに推し活遠征にも南京虫ガチャ爆誕w」恐怖の共有をエンタメ化


ITmediaねとらぼが行った読者アンケートでは、回答者の57%が「実物は見たことがないが怖い」と回答し、実害より“情報災害”が先行していることが浮き彫りになったnlab.itmedia.co.jp。



5. 専門家が教える「正しく恐れる」5ステップ

ステップポイント理由
1. 持ち込まない荷物は浴室orビニール袋へ体表⇒荷物付着を遮断
2. 持ち帰らない帰宅直後に玄関で検品、衣類高温洗濯家庭侵入をブロック
3. 早期発見**“ウソ寝作戦”**30分で活動個体を確認夜行性の習性を逆利用healthist.net
4. 多層駆除ブロフラニリド燻煙+メトキサジアゾン残効スプレーピレスロイド耐性対策
5. 情報の真偽確認行政・専門団体のリーフレット参照デマ・過剰恐怖を防ぐ



6. トコジラミと共進化する私たち

ヒトが洞窟を出て火を焚き、都市を築き、国境を越えて旅をするたびに、トコジラミも“フリーパス”で同行した。ゲノムはその足跡をほぼ完全にトレースし、SNSは現在進行形の拡散を可視化している。


生物学者マイルズ博士は「都市害虫研究は人間社会のミラーだ」と語る。個体群推定曲線が13,000年前と7,000年前の二段加速を示すように、人間の“密集”と“移動”がカギなのだ。


一方でSNSは感染症以上に速く恐怖を拡散させる。情報の耐性を持たなければ、害虫よりも先に私たちの生活が損なわれる。



7. 結論――「都市とは、ヒトとトコジラミの“共生圏”」

  • ベッドバグは都市化の副産物であり、都市が続く限り完全排除は不可能。

  • 科学は進化のロジックを解明し、薬剤・行動指針をアップデートする。

  • 市民は正確な情報とソーシャルリテラシーで“共存しない共生”を選ぶしかない。

深夜にスマホをスクロールするあなたが、次に「#トコジラミやばい」を見かけたら――恐怖で布団を蹴飛ばす前に、その投稿の根拠と対策をチェックしよう。それが6万年続く「隣人」との、私たちなりの賢い付き合い方なのだから。



参考文献・ウェブ情報


主な参照ソース:

  • Biology Letters 論文・Phys.org記事phys.org

  • Smithsonian Magazine 解説smithsonianmag.com

  • Healthist「世界的人流の活発化で急増!トコジラミの傾向と対策」healthist.net

  • ITmediaねとらぼ「電車の中にトコジラミ」「ネットカフェで発見」nlab.itmedia.co.jpnlab.itmedia.co.jp

  • Wikipedia「トコジラミ」基礎情報ja.wikipedia.org

参考記事

初期の人類が都市に定住。トコジラミもそれに続いた。 - ニューヨーク・タイムズ
出典: https://www.nytimes.com/2025/06/12/science/bedbugs-humans-urbanization-study.html

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