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ADHDの運転、何が危ない?「長距離・単調・非薬物時」に強まる落とし穴:スティグマか、啓発か

ADHDの運転、何が危ない?「長距離・単調・非薬物時」に強まる落とし穴:スティグマか、啓発か

2025年09月30日 00:19

なぜ今「TDAHと運転」がニュースなのか

2025年9月28日、ブラジルの大手メディアが相次いで「TDAHの運転者は事故リスクが約2倍」という見出しを報じ、話題を呼んだ。発信源は、サルバドールで開かれた第16回ブラジル交通医学会(Abramet)の会場からのリポートだ。会場では交通医学医のJoan Faber氏が、国際研究の蓄積を踏まえた“注意の谷”と“衝動の波”が運転に与える影響を解説。これを受け、ニュースは各地のメディアに拡散した。ブラジル国内のTDAH推定有病率(年齢層別に5~7%程度)とあわせ「公共の安全」課題として再注目されている。InfoMoney


何が「2倍」をつくるのか――場面別にみるリスク

Abrametの提示は“一律に危険”という話ではない。報道によれば、長距離・交通量の少ない単調路・非薬物時の組み合わせで事故リスクは上がりやすい。一方、都市部の混雑路やマニュアル車など注意配分が常に求められる環境では、パフォーマンスが相対的に改善する可能性があるという。背景には「刺激やタスクの少なさが集中の谷を深くする」こと、反対に「適度な課題負荷が覚醒水準を保つ」ことがある。さらに、飲食・選曲・スマホ操作といった二次作業は、TDAHの特性と相まって有害に働く――この“ながら運転”は誰にとっても危険だが、TDAHでは特に回避優先度が高い。InfoMoney


証拠はあるのか――過去研究の座標

この警鐘は突飛な新説ではない。スウェーデンや米国のレジストリを用いた研究では、TDAH薬物治療(メチルフェニデート等)を服用している期間は、交通事故の発生率が有意に低下することが示された(JAMA Psychiatry, 2017)。また2023年のレビューでは、ADHD保有で自己申告ベースの事故リスクが約88%増とするメタ分析の知見が引用され、速度超過・車線維持不良などの不安全行動の増加が報告されている。古くからのレビューも「実車・シミュレーターの双方で運転成績の不利」を一貫して示してきた。つまり今回の“2倍”は、過去の蓄積と整合的な“オーダー感”だ。PubMed


スティグマではなく“条件づくり”へ――実践のヒント

では、運転をあきらめるべきなのか。答えはNoだ。エビデンスは「危険な条件を避け、治療と運転設計を最適化すれば、リスクは下げられる」と読める。

  • 服薬アドヒアランスの最適化:主治医の指示のもと、運転時間帯に効果が切れないスケジュール設計を。“必要なときに効いているか”が肝心。PubMed

  • 二次作業の徹底排除:飲食・選曲・通知確認は“停車中にまとめて”。車内の刺激を減らす設計を。InfoMoney

  • ルートと時間の工夫:単調な長距離を避け、短い休憩を頻繁に。都市部の細かな操作が続く道が向く人もいる。InfoMoney

  • 車両選び:ATが主流でも、マニュアル車や運転支援(レーンキープ/前走追従など)で“適度な課題”と“外部支援”を組み合わせる。InfoMoney

  • 訓練とモニタリング:近年はドライバー状態監視や行動訓練の介入案も議論されている。義務化の是非は議論があるが、リスク層への重点訓練は有望だ。tsr.international

注意:ここでの助言は一般情報です。診断や治療は医療専門職に相談を。


SNSはどう反応したか――賛否の二極化

 


ニュースはSNSで瞬く間に拡散した。Instagramの複数の投稿では「二倍リスク」の見出しが短尺動画で共有され、コメント欄では「偏見を助長しない慎重な伝え方を」との声と「現実的な対策が必要」との声が交錯。**X(旧Twitter)**でも地方紙アカウントの投稿が拡散し、「運転禁止の議論ではなく、条件づくりと治療アクセスを」といった実務的な意見が目立った。以下は代表的な動向だ(内容は要旨、固有名詞以外は要約)。

  • 「“ながら運転”を禁じる啓発を強化すべき」という支持的反応(Instagramリールの説明文・コメント要旨より)。Instagram

  • 「“2倍”だけが独り歩きするとスティグマになる。薬物治療や環境で下げられる点も伝えるべき」との指摘(ニュース共有ポストの反応要旨)。X (formerly Twitter)

  • 「単調路×長距離×非薬物時は避けよう」という具体策の共有(複数のInstagram投稿のキャプション要旨)。Instagram

SNSの熱量は、問題の“当事者性の広さ”を映す。TDAHは子どもだけの話ではなく、成人運転者に直接かかわる。だからこそ**“危険を煽る”ではなく“危険を扱う”**伝え方が求められる。


争点:規制か、支援か

学会の議論は規制強化の即時導入を求めたわけではない。むしろ、治療と教育、テクノロジーによる支援的アプローチが焦点だ。近年の政策研究でも、免許取得前の「画一的な適性検査」だけでは効果が限定的との指摘があり、ハイリスク場面を特定して“行動訓練+運転監視+一時的制限”を組み合わせる選択肢が検討されている。tsr.international


結論:ラベルから、レバーへ

“2倍のリスク”はレッテルではない。服薬・習慣・環境というレバー(てこ)を適切に引けば、リスクは現実的に下げられる。ドライバー個々の特性に合わせ、単調な長距離を避ける運転設計、二次作業の排除、必要なときに効く治療、支援技術の活用を積み重ねること。議論は感情ではなく、エビデンスと実務で前に進めたい。InfoMoney PubMed


参考記事

ADHDを持つドライバーは、事故に巻き込まれる確率が2倍高い
出典: https://www.infomoney.com.br/mercados/motoristas-com-tdah-tem-2-vezes-mais-chance-de-se-envolver-em-acidente/

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