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止まらないが速くはない : 紅海ケーブル障害でAzureに遅延、世界の“細い首”が露出

止まらないが速くはない : 紅海ケーブル障害でAzureに遅延、世界の“細い首”が露出

2025年09月09日 00:32

2025年9月6日(UTC)前後、紅海で複数の海底ケーブルが相次いで障害を起こし、アジア~中東の広範な地域で接続品質が低下した。MicrosoftはAzureのステータスで「中東経由の一部トラフィックで遅延が増大」と公表、経路を付け替えてしのぐ対応に入った。被害はSMW4(SEA-ME-WE 4)とIMEWEとされ、パキスタンやインド、UAEなどで体感的な“重さ”が報告された。クラウドの裏側に広がる“物理の制約”と、その備えをあらためて突きつけたインシデントだ。golem.deazure.status.microsoftReuters



何が起きたのか:時系列で整理

 


  • 9月6日 05:45 UTCごろ:紅海沖で海底ファイバーの切断が検知。監視団体NetBlocksが「紅海での一連の海底ケーブル障害により複数国の接続性が低下」と最初期にアラート。地理的にはサウジアラビア・ジッダ近傍が焦点とされた。X (formerly Twitter)

  • 同日~7日:MicrosoftがAzureステータスで「中東経由のトラフィックは迂回ルートに切替、サービスは継続するがレイテンシは上がる」と告知。中東を通らない経路は影響なしと明記した。azure.status.microsoft

  • 影響範囲:インド、パキスタン、UAEなどで顕著。UAEの主要キャリア(Etisalat/e&、du)の名前も報道で挙がり、各国で「遅い」「繋がりにくい」との報告が増えた。Reuters


紅海が“詰まりやすい”理由

欧州—中東—アジアを結ぶ大動脈として、紅海~スエズ運河~地中海の回廊には多数の海底ケーブルが集中する。通信調査会社の推計では、この回廊は**世界のトラフィックの約17%**を担う“チョークポイント”。2~3系統の同時障害でも広域で体感品質が悪化する構造的リスクがある。Gulf News



どのケーブルが影響したのか

報道と運用側アナウンスを突合すると、SMW4とIMEWEの少なくとも2系統で障害が確認された。いずれも欧州とアジアを中東経由で結ぶ幹線級で、冗長化されていても“遠回り”のルートに切り替われば往復遅延(RTT)は増える。Microsoftは実際に代替経路への振替を行ったが、地理的に遠いルートの使用や帯域逼迫により一時的な遅延増は避けがたい。golem.deazure.status.microsoft


(補足)一部メディアはFALCONなど他系統への波及可能性も指摘。海底ケーブルの修理は通常“数週間”規模の作業になることが多い。AP News



ビジネス現場では何が起きたか:SNSとコミュニティの声

  • 監視系アカウントの速報性:NetBlocksの投稿が素早く拡散。「パキスタンやインドで顕著な遅延」との記述がエンジニア界隈のタイムラインを席巻した。X (formerly Twitter)

  • 現地ユーザーの体感:UAEでは「動画が止まる」「会議の音声が途切れる」といった生活・業務影響のポストが相次ぎ、現地メディアもキャリアの告知を引用して注意喚起。Reuters

  • クラウド運用者の冷静な分析:「完全停止ではないが、フローの収束までジッタが増える」「東西間のデータ同期をオフピークへ」など、実務に即した暫定対策のスレッドが伸びた(経路最適化やCDNのPoP切替に関する技術議論が中心)。

  • 過去事例との比較:「紅海は地政学イベントの影響を受けやすい」「局地的でも世界のエッジで波紋が出る」との総括が多数。

※SNSの個別投稿は速報性・主観が強い一方、一次情報(公式ステータス/報道)と整合している点が今回の特徴だ。



クラウド/SaaS運用者の実践チェックリスト

1. 経路の“偏り”を数値化

  • アジア—欧州横断トラフィックの割合、Middle East経由比率、平均RTT・95/99パーセンタイル、Jitter、再送(tcp retrans)を可視化。

  • Anycast DNSやマルチCDNを採用している場合、ヘルス判定のしきい値を一時的に緩和し、TTLを短縮して切替を機敏に。


2. クラウド・リージョン戦略の再点検

  • Azure/他クラウドで同一コンチネンタル内のアクティブ—アクティブを基本に、アジア内完結ルートへのフォールバックを用意。

  • データ同期系(DBレプリカ、ストレージGeo-Replica)はRPO/RTOとコストの見直しを。遅延時は非同期/遅延許容に一時スイッチする運用Runbookを事前整備。


3. アプリ層で“遅い世界”に最適化

  • コネクションの再利用(HTTP/2,3)徹底、圧縮(Brotli)や画像の遅延読み込み、バルクAPIの分割、タイムアウト/リトライの指数バックオフを標準化。

  • ビデオ会議/ストリーミングは解像度アダプティブと音声優先の切替プリセットをユーザー側に公開。


4. サプライチェーンの連携

  • キャリア/クラウドのステータスRSSを監視ジョブに組み込み、重大度ルールでオンコールを最適化。

  • お客様告知テンプレート(影響範囲・暫定対応・復旧見通し不確実性)を平時から準備。



何が“守られた”のか:レジリエンスの現在地

今回、Microsoftはトラフィックのリルートで可用性を維持し、「止めない」ことを最優先に舵を切った。完全停止を避けられたことはクラウドの強みだが、遅延・ジッタ増というユーザー体験の劣化は残る。通信路の物理距離・混雑・装置処理の総和がレイテンシであり、“止めない”と“速い”はトレードオフになり得る――それが可視化された。azure.status.microsoftReuters



先行き:復旧は“待つだけ”ではない

海底ケーブルの修復は週間単位で見ておくのが通例だ。回線の復旧そのものに加え、トラフィックの収束(convergence)と最適化にも時間がかかる。運用側は、暫定のチューニングを“戻し忘れない”チェックリスト化が重要になる。AP News



日本への波及は?

日本国内の多くの業務はアジア域内で完結するため影響は限定的になりやすいが、欧州向けB2B/越境SaaS、グローバルCI/CD、多地域DRなど東西を横断するワークロードでは迂回によるRTT増の影響が出やすい。ダッシュボードの地域別レイテンシを平時からウォッチし、一時的な地域回避(例:EUリージョン→北欧/北米経由)も選択肢だ。



まとめ:クラウドの“空気”は海の底でできている

今回の障害は、クラウドが“どこでも同じように使える”という幻想に対し、物理インフラの地理的偏りという現実を思い出させた。だからこそ、

  • 観測(メトリクス/合成監視)、

  • 切替(マルチリージョン/マルチCDN)、

  • 説明(透明性の高いステータス運用)
    の3点をチームの標準動作に落とし込む。次のボトルネックで“止めない・遅くしない”の両立に近づくためだ。



参考・一次情報(主要ポイント)

  • Golem:SMW4/IMEWEの障害とAzureの遅延注意喚起を報道。golem.de

  • Azureステータス:05:45 UTC以降の中東経由トラフィックの遅延、非中東経由は非影響を明記。azure.status.microsoft

  • Reuters:影響国、UAEのキャリア名、Microsoftのリルート対応。Reuters

  • NetBlocks(SNS):紅海での複数ケーブル同時障害を確認。X (formerly Twitter)

  • Gulf News経由の指標:紅海回廊が**世界トラフィックの約17%**の“チョークポイント”。Gulf News

  • AP:修理は数週間規模になりがち、FALCON言及。AP News


参考記事

海底ケーブルの障害:マイクロソフト、Azureの遅延増加に警告
出典: https://www.golem.de/news/seekabel-ausfall-microsoft-warnt-vor-erhoehter-latenz-fuer-azure-2509-199856.html

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