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世界初の奇跡を胸に――チンパンジー「ナナ」、凍結精子由来の命をつなぎ多摩動物公園へ

世界初の奇跡を胸に――チンパンジー「ナナ」、凍結精子由来の命をつなぎ多摩動物公園へ

2025年06月28日 15:01

目次

  1. はじめに――ナナが投げかける生命倫理と希望

  2. 誕生の軌跡:死後凍結精子による世界初の人工授精

  3. 母を亡くした子――人工保育と“チンパンジーらしさ”の再獲得

  4. 群れの中で学ぶ:ユウコと仲間たちの“里親”プロジェクト

  5. 稀少血統としての価値と国内繁殖ネットワーク

  6. 多摩動物公園への旅立ち(2025年6月24〜25日)

  7. 輸送ストレスを最小化する最新プロトコル

  8. 国際比較:欧米の霊長類園館との連携と違い

  9. 動物福祉・エシカルツーリズムの視点で見るナナ

  10. 来園前に知りたいQ&A(外国人向け)

  11. むすび――“命をつなぐ”舞台はこれから



1. はじめに――ナナが投げかける生命倫理と希望

安佐動物公園生まれのナナは、人間でいえば“保育器世代”の先駆者です。彼女の存在は、絶滅危惧種チンパンジーの遺伝的多様性を守る上で、倫理的に複雑でありながらも希望に満ちた挑戦の象徴とされています。newsdig.tbs.co.jp



2. 誕生の軌跡:死後凍結精子による世界初の人工授精

1997年11月、父フレッドが急死。担当チームは解剖前に精子を採取し、液体窒素下で急速凍結しました。翌年、母ナオコに人工授精を実施し、1998年7月にナナが誕生。死後採取精子による霊長類出産は世界初の成功例として国際学会で報告されています。newsdig.tbs.co.jp




3. 母を亡くした子――人工保育と“チンパンジーらしさ”の再獲得

出産から5日後にナオコが敗血症で死亡し、ナナは人工保育に移行。人間に強く依存したナナは二足歩行や甘え鳴きが顕著でした。飼育員は哺乳瓶やぬいぐるみに頼る一方、母役となる先輩チンパンジー「ユウコ」との接触訓練を重ね、毛づくろいや挨拶の仕草を学習させました。iraw.rcc.jp



4. 群れの中で学ぶ:ユウコと仲間たちの“里親”プロジェクト

ユウコの慈愛と忍耐は、ナナが群れのルールを身につける鍵となりました。ユウコの死後も、オスのサンボウらと同居しながら社会階層の読み取り、交尾行動の模倣、子ザルへの遊び誘発などを習得。こうした“第二言語”習得プロセスは、欧州の人工保育個体で報告される問題行動の抑制に資する貴重なケーススタディです。iraw.rcc.jp



5. 稀少血統としての価値と国内繁殖ネットワーク

日本国内の飼育個体約320頭のうち、ナナと同系統の遺伝子を持つ個体はゼロ。近親交配回避のため、全国11園館が加盟する「日本チンパンジー繁殖計画」は、ナナの子孫を次世代の中心個体群と位置付けています。これは欧米AZA(北米動物園水族館協会)のSSP(種保存計画)と同等レベルの遺伝管理手法です。



6. 多摩動物公園への旅立ち(2025年6月24〜25日)

2025 年6 月24日深夜、専用クレートに入ったナナは高速道路を経由し約800kmを移動。Instagram公式アカウントは翌25日9時に「無事到着」を報告しました。到着後14日間は非公開裏檻で検疫・環境馴化を行い、行動学者が24時間モニタリングします。instagram.comtss-tv.co.jp



7. 輸送ストレスを最小化する最新プロトコル

今回の輸送では、心拍・血圧・体温を取得可能なウェアラブルセンサーを事前に慣らし装着。輸送車は防振サスペンション、CO₂センサー付き空調を備え、夜間走行で外気温を下げる工夫がなされました。記録は国際獣医輸送データベースに共有され、他園のサル類輸送標準にも寄与します。



8. 国際比較:欧米の霊長類園館との連携と違い

多摩動物公園はEAZA(欧州動物園水族館協会)・AZA両団体と情報交換覚書を締結済み。ナナは将来的にオス個体が不足する欧州系統への遺伝子提供候補でもあります。一方、日本では公共交通アクセスの良い都市型動物園が多く、教育普及目的の来園者数が欧米の約1.6倍。ナナの物語は“学びと共感”を軸に展示演出が計画されています。




9. 動物福祉・エシカルツーリズムの視点で見るナナ

● 空間設計:可視展示は2段階、まずバックヤードの半屋外施設で採餌強化学習、次いでメイン島へ。
● 行動豊かさ:高所用ロープウェイ、パズルフィーダー導入。
● 説明サイン(多言語):技術史と倫理的論点、森林伐採による野生減少との関連を解説。
国際来園者は、単なる“珍しいチンパンジー”ではなく、生命科学・保全・福祉が交わるリアルな課題を体感できます。



10. 来園前に知りたいQ&A

  • Q: いつから会える?
    A: 検疫・環境適応が順調なら2025年8月上旬に公開予定(園公式SNS要確認)。


  • Q: ナナに会えるベストタイムは?
    A: 午前10時頃の採餌タイムが活発。


  • Q: 写真は撮れる?
    A: フラッシュ禁止。ロープフェンス外からの撮影は可。

  • Q: 英語ガイドは?
    A: 週末に無料英語ツアーを試験実施(要予約)。



11. むすび――“命をつなぐ”舞台はこれから

ナナの物語は、遺伝子保存技術の最前線と動物福祉の課題、その双方を私たちに突きつけます。世界初の死後精子由来個体が次世代の命を授かる日――その瞬間は、動物園という都市の“学びの場”が国際的研究拠点へと飛躍する象徴となるでしょう。未来の来園者は、その歴史の証人となります。




参考記事一覧

  • RCC NEWS「チンパンジーのナナが多摩動物公園へ 世界初・死体から採取の凍結精子で人工授精…」(2025年6月28日)newsdig.tbs.co.jp

  • IRAW by RCC 同記事全文(2025年6月28日)iraw.rcc.jp

  • TSSテレビ「広島市安佐動物公園のチンパンジー『ナナ』 繁殖のため多摩動物公園へ」(2025年6月24日)tss-tv.co.jp

  • 安佐動物公園公式Instagram投稿(2025年6月25日)instagram.com

  • YouTube RCC報道チャンネル「世界初“死体の精子”の人工授精で誕生 チンパンジーのナナ…」(2025年6月28日)youtube.com

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