メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

「餅は消化に良い」は誤解?――年末年始に増える“餅イレウス(腸閉塞)”の正体と、世界に伝えたい安全な食べ方

「餅は消化に良い」は誤解?――年末年始に増える“餅イレウス(腸閉塞)”の正体と、世界に伝えたい安全な食べ方

2025年12月30日 18:13

1) そもそも「餅は消化に良い」のどこが誤解なのか

「餅は消化に良い」と言われる背景には、餅が“お米由来の炭水化物”であり、脂っこい揚げ物や繊維の多い野菜と比べると胃に負担が少ない、という感覚があります。さらに、餅の主成分はでんぷんで、栄養学的には“体が利用しやすいエネルギー源”という側面も否定できません。


ただし、ここで落とし穴になるのが「消化」という言葉の意味です。
消化には大きく分けて、

  • 化学的に分解される(酵素で分けられる)こと

  • 胃や腸の中をスムーズに“通過”できること
    の2つが含まれます。

餅は、でんぷんとしては分解され得ても、よく噛まずに飲み込むと“塊”として通過できないことがあります。つまり「成分としての消化」と「物体としての通過」は別問題。ここを混同すると、「餅=胃腸にやさしいから丸飲みでも平気」という誤った安心感につながります。実際、餅が原因で小腸閉塞を起こした症例報告が複数あります。 PubMed+2casereports.bmj.com+2



2) 餅イレウス(rice cake ileus)とは何か

餅イレウスは、食べ物が腸に詰まって起こる「食餌性イレウス(食べ物による腸閉塞)」の一種で、原因が餅(rice cake)であるケースを指して使われます。医療文献では「Small bowel obstruction due to mochi」「rice cake ileus」といった形で報告され、腹部CTで高吸収の塊が確認されることがある、とされています。 Wiley Online Library+3PubMed+3casereports.bmj.com+3


どうして“餅”が詰まりやすいのか

ポイントは次の3つです。

  1. 粘着性(ねばり):冷めると貼り付きやすくなり、口の中でも胃の中でも“まとまり”やすい。

  2. 弾力・かたさ:十分に噛み砕かれないと、塊が大きいまま消化管へ到達しやすい。

  3. 飲み込みやすさの錯覚:柔らかいと「飲めてしまう」ため、噛む回数が減りやすい。

「喉に詰まる」危険性が注目されますが、喉を通った後でも腸で詰まることがあり得る——それが餅イレウスの怖さです。 仙台市立病院 - 仙台市立病院は仙台市により設置された急性期医療の総合病院です。+2仙台市立病院 - 仙台市立病院は仙台市により設置された急性期医療の総合病院です。+2



3) 腸閉塞の症状:危険サインは「腹痛+嘔吐+張り」

腸閉塞(intestinal obstruction)の典型的な症状として、医療機関は次のような徴候を挙げています。

  • 波のある腹痛(差し込むような痛み)

  • 吐き気・嘔吐

  • お腹の張り(膨満)

  • 便やガスが出ない(完全閉塞で目立つ)

  • 食欲低下

海外の一般向け医療情報でも、これらは代表的なサインとして整理されています。 Mayo Clinic+2Cleveland Clinic+2


「お正月に餅を食べた後、こんな状態」は要注意

  • 餅を食べた数時間〜翌日に、腹痛と吐き気が出てきた

  • だんだんお腹が張ってきて、ガスが出ない

  • 痛みが強くなって、冷や汗・ぐったりする

症例報告でも、餅を十分噛まずに食べた後に腹痛や嘔吐で受診し、画像で閉塞が疑われた例が提示されています。 PubMed+2casereports.bmj.com+2



4) 誰がなりやすい?──「高齢者だけ」とは限らない

餅トラブルは高齢者の窒息が有名ですが、餅イレウスも「高齢者だけの話」とは言い切れません。


リスクが上がりやすい要因

  • 早食い、丸飲み、噛む力の低下(歯の欠損、入れ歯の不具合を含む)

  • 腹部手術の既往(腸の動きが落ちたり、狭い部分ができて詰まりやすくなる可能性)

  • もともと腸が詰まりやすい体質・病歴

  • 大量摂取(短時間に何個も)

  • 子どもの“丸飲み癖”(小児例でも報告あり)


例えば、病院の臨床報告では「歯の問題」「早食い」「大量摂取」などが背景にあるケースが記載されています。小児でも、噛まずに丸呑みした後に消化管通過障害を起こした報告があります。 TBS NEWS DIG+3仙台市立病院 - 仙台市立病院は仙台市により設置された急性期医療の総合病院です。+3jschild.med-all.net+3



5) 医療現場ではどう診断する?──CTで“高吸収の塊”が手がかり

餅イレウスの診断でしばしば鍵になるのが腹部CTです。餅は画像上、腸管内に“塊”として見え、報告によってはCT値が示されることもあります。病院の症例検討では、CTで高吸収域の構造物を確認し、経過と画像所見から餅イレウスと診断した例が記載されています。 仙台市立病院 - 仙台市立病院は仙台市により設置された急性期医療の総合病院です。+1

また、海外の症例報告でも「餅をよく噛まずに食べた」病歴と、画像検査から閉塞が疑われた流れが示されています。 PubMed+1



6) 治療は?──多くは保存的治療、ただし“手術が必要”なことも

腸閉塞の治療は原因や重症度で変わります。餅イレウスでは、報告上「保存的治療で改善する例」がある一方、状況によっては内視鏡的処置や手術が必要になることもあります。


保存的治療(入院での基本)

  • 絶食(腸を休める)

  • 点滴(脱水補正)

  • 経過観察(症状・画像・血液検査など)

市立病院の症例検討でも、保存的治療で改善し退院に至った経過が記載されています。 仙台市立病院 - 仙台市立病院は仙台市により設置された急性期医療の総合病院です。+1


手術など侵襲的治療が必要になり得るケース

  • 閉塞が解除しない

  • 腸が強く傷んでいる(血流障害が疑われる等)

  • 痛みが強く、腹膜刺激症状など重症のサインがある

実際に、餅による閉塞で手術(開腹)に至った症例報告もあります。 PubMed+1


※ここはとても重要ですが、「餅を食べた→お腹が痛い」だけで餅イレウスと決めつけることはできません。腸閉塞には癒着、ヘルニア、腫瘍など多様な原因があり、症状が似ます。だからこそ自己判断で我慢せず、医療機関で評価が必要です。 国立バイオテクノロジー情報センター+1



7) 予防はシンプル:「小さく」「ゆっくり」「よく噛む」

餅の事故予防として、公的機関や自治体等は「小さく切る」「よく噛む」「見守る」などを繰り返し注意喚起しています。これは窒息対策として語られがちですが、“噛むこと”は餅イレウス予防としても理にかなっています。 国民生活センター+2ふくしまポータル+2


家庭でできる具体策(世界の読者にも通じる形で)

A. サイズを小さくする

  • 口に入れる前に、あらかじめ小さめにカット

  • ひと口を欲張らない


B. 食べ方を変える

  • 熱々を急いで飲み込まない(落ち着いて)

  • 会話しながらの“ながら食い”を避け、食べることに集中

  • 水分をとりつつ、口腔内を乾かさない


C. “噛む回数”をルール化する

  • 目安として「いつもより意識して噛む」

  • 高齢者や子どもには、同席者がペースを作る

D. リスクがある人は“代替”も検討

  • 嚥下(飲み込み)や咀嚼(噛む力)に不安がある場合は、より安全な代替食品・調理形態に切り替える
    (口腔ケア関連の啓発では、餅を安全に食べる工夫や見守りの重要性が述べられています。) houmonshika.org+1



8) 「餅=すぐ消化される」論もある。じゃあ何が本当?

少しややこしい点として、「餅(もち米)はでんぷん(アミロペクチン)が中心で、消化・吸収が速い」といった説明も見かけます。たとえば食品関連の解説では、餅の主でんぷんであるアミロペクチンに言及し、消化の話をしています。 キッコーマン

一方で、食感(粘り・硬さ)やでんぷん構造が“消化過程の挙動”に影響する研究もあり、単純に「速い/遅い」で片づけられません。 PMC


ここで押さえるべき結論はこうです。

  • 成分としての消化・吸収の議論と、

  • **塊としての通過障害(詰まり)**の議論は、別レイヤー。

餅イレウスのリスクは、後者(通過障害)の問題が大きい。だから対策も、サプリや“消化に良い食べ合わせ”より先に、**「噛み方」「サイズ」「食べる速度」**が最重要になります。症例報告の多くが「十分に咀嚼しなかった」「丸呑みした」ことを背景として挙げています。 PubMed+2jschild.med-all.net+2



9) もし疑ったら:家庭でできること/やってはいけないこと

すぐ受診を考えるべき目安

  • 強い腹痛が続く、または波があっても改善しない

  • 繰り返す嘔吐

  • お腹がパンパンに張る

  • ガスや便が出ない状態が続く

  • ぐったり、冷汗、発熱、血便など「いつもと違う」サイン

腸閉塞は、状況によっては緊急対応が必要になり得ます。典型症状は国内外の医療情報でも一致しています。 Mayo Clinic+2Cleveland Clinic+2



自己流でやりがちなNG

  • 痛み止めでごまかして放置

  • 無理に食べたり飲んだりして押し流そうとする

  • 強い下剤で無理やり出そうとする

詰まりが疑われるときは、医療側が状態を見ながら「絶食・点滴・減圧」などを選びます。家庭で無理に動かすのは危険です。 国立バイオテクノロジー情報センター+1



10) “日本の正月の話”で終わらせない:世界に向けたメッセージ

餅は日本文化の象徴であり、年末年始の風物詩です。だからこそ「注意喚起=文化否定」にならない言い方が大切です。伝えるべきはシンプルで、食文化を守るための知恵です。

  • 伝統食は、食べ方も含めて伝統

  • 小さく切り、ゆっくり噛んで、味わって食べる

  • 高齢者や子どもがいる食卓では、周りがペースメーカーになる

公的機関が呼びかける窒息予防の基本は、結果として餅イレウスの予防にもつながります。 国民生活センター+2ふくしまポータル+2



まとめ(要点だけ)

  • 「餅は消化に良い」は、成分の話と通過の話が混ざると危険な誤解になる

  • 餅イレウス=餅が腸で塊になって詰まる腸閉塞

  • 症状は「腹痛・嘔吐・膨満・便やガスが出ない」など

  • 予防は「小さく・ゆっくり・よく噛む」。同席者の見守りが効く

  • 疑わしい症状があれば我慢せず受診(腸閉塞は原因が多様で、評価が必要) 仙台市立病院 - 仙台市立病院は仙台市により設置された急性期医療の総合病院です。+3Mayo Clinic+3Cleveland Clinic+3

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.