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モバイルバッテリー再資源化を義務付け、政府検討——レアメタル回収と発火事故防止を両立へ

モバイルバッテリー再資源化を義務付け、政府検討——レアメタル回収と発火事故防止を両立へ

2025年10月31日 16:51

1. 何が起きているのか:日本の「義務化」検討の中身

  • 政策の方向性
    報道によれば、政府はモバイルバッテリー等の回収・再資源化を認定事業者に義務化する方針を検討し、小型家電リサイクル法の回収対象に追加する案が俎上にあります。対象品目として、モバイルバッテリー、加熱式たばこ機器、(電池内蔵の)ハンディファンなどが想定され、年内に関係省庁連絡会議で対策をまとめると報じられました。狙いは発火事故の抑止と、レアメタルの回収促進です。名古屋テレビ〖メ~テレ〗

  • 検討の位置づけ(既存制度の課題)
    経産省の審議会資料では、小型リチウム蓄電池の回収・再資源化は既に“努力義務”の枠組みがあるものの、①回収・再資源化の実施状況をモニタリングする仕組みが弱い、②広域回収に自治体ごとの個別許可が必要でスキーム構築が難しい、③バッテリー一体型製品の増加で義務対象外が広がる、などのボトルネックが指摘されています。今回の「義務化」検討は、これらの実装上の隘路を制度で埋める狙いがあると見られます。経済産業省

  • 火災という“目の前のリスク”
    自治体の現場では、廃棄段階でのリチウム電池発火が顕著です。東京都稲城市の周知ページは、2023年度に全国で8,543件の電池起因事故が発生したとし、一般ごみ混入の危険性を強調しています。義務化の検討は、ごみ処理現場の安全確保の面でも急務です。city.inagi.tokyo.jp



2. 日本の制度像(案):何が変わる?

  • 法的「義務」による回収網の強化
    「認定リサイクル事業者」に回収・再資源化の法的義務を課すと同時に、販売者・輸入事業者・プラットフォームにも一定の役割(回収拠点の設置、情報提供、費用分担)を求める可能性があります。既存の無料回収BOXや家電量販店回収を制度ベースで拡張し、宅配回収や通販返品回収のような新しい導線が整備されることも考えられます。審議会資料には、**表示の在り方(第三者評価含む)**や国際標準(JIS/ISO)への対応も盛り込まれています。経済産業省

  • 一体型製品へのアプローチ
    EU同様、「取り外し・交換容易性」の要件を段階導入していく可能性があります。一体型でユーザーが電池を分離できない製品が増える現状を踏まえ、製品設計段階での循環配慮(Eco-design)と情報トレーサビリティが鍵になります。EUR-Lex

  • 事故防止と資源回収の二正面作戦
    ごみ処理系の火災抑止(現場の安全投資・啓発強化)と、コバルト/ニッケル/リチウムの回収(国内製錬・前処理の高度化)を同時並行で最適化するのが本丸です。自治体×事業者の費用負担配分、不適正回収や野積みの監視、違反時罰則などの実装ディテールが政策の成否を分けます。city.inagi.tokyo.jp+1



3. 海外との比較:EU・米国・中国・カナダ

  • EU:先行する包括規制(Battery Regulation 2023/1542)
    EUは回収率をポータブル電池で63%(2027年)/73%(2030年)へ段階引き上げ、再生材含有率や資源回収率の法定化を進めています。さらに**デジタルバッテリーパスポート(2027年以降対象電池にQR等で実装)により、製品設計・含有物・カーボンフットプリント・安全な取り外し方法等の可視化を義務化。「取り外し・交換容易性」**も規則本文に明記され、循環と安全の両立を制度で後押ししています。EUR-Lex+2circularise.com+2

  • 米国(州制度中心):カリフォルニアのEPRがドライバー
    米国は連邦横断の一本化規制は未整備で、州単位のEPRが主導。カリフォルニア州はAB 2440/SB 1215(2022)で電池内蔵製品の回収・リサイクルの生産者責任を拡張、2026年以降の料金・2027年の報告義務など具体的なタイムラインを進めています。オンライン販売事業者も対象になり、消費者からの回収導線を州全域で整える狙いです。natlawreview.com+2call2recycle.org+2

  • 中国:巨大市場ゆえの“回収・前処理”能力拡張
    中国はEV用動力電池を中心に回収ルールを整備しつつ、2024〜25年にかけて資源循環の国家グループ設立支援や、ブラックマス(電池前処理産物)輸入ルールの見直しを進めています。これにより精錬・再資源化の国内容量を高め、資源自給度向上を狙う動きが強まっています。Reuters+1

  • カナダ:州ごとのスチュワードシップ
    Call2Recycleが複数州で公式の電池ステュワードシップ・プログラムを担い、拠点網と認知向上キャンペーンを展開。連邦一本化は限定的ながら、州制度の実効運用で回収率の底上げを図っています。Call2Recycle Canada+1


要点整理(比較)

  • EU:包括規則+数値目標+DPP/交換容易性でトップランナー。

  • 米国:**州EPR(CA先導)**でオンライン事業者まで巻き込む。

  • 中国:回収〜前処理の巨大能力を政策で後押し。

  • カナダ:州主導のステュワードシップで回収拠点と認知を拡充。

  • 日本:事故多発×資源確保を起点に**義務化(法定回収)**へ——設計情報の標準化・トレーサビリティの制度化でEUに寄せる可能性。



4. 日本の論点:実装でつまずかないために

  1. 回収率KPIと費用配分
    EUのように年次KPI(回収率・資源回収率・再生材利用率)を設定し、自治体負担の軽減と事業者負担の見える化を両立。通販・越境ECも巻き込む**拡大生産者責任(EPR)**の設計が鍵です。EUR-Lex

  2. 取り外し・交換容易性(Eco-design)
    一体型製品の増加は回収の敵。JIS/ISO連携で取り外し・交換容易性と**安全なデポリシー(放電・絶縁)**の標準を整備、第三者評価+表示で消費者に分かりやすく伝える必要があります。経済産業省

  3. 火災リスク低減の運用
    収集・中継・破砕の各工程で発火・爆散対策(耐火設備、発熱監視、鎮火資機材)を明示的に義務化。自治体向けにハザード・マニュアルと訓練、消費者向けに**出し方の徹底(端子養生・不燃化)**を全国標準で。city.inagi.tokyo.jp

  4. データとトレーサビリティ
    EUのデジタル・バッテリーパスポート(DPP)に準じ、QR連携の製品情報(型式、容量、含有物、再生材、適正回収先)を整備。中古転売・輸出の流れにも追随可能な電子台帳を整えると、違法な不適正解体の抑止にも効果的です。edgecomply.com

  5. 国内再資源化サプライチェーン
    前処理(破砕・選別)→ブラックマス→湿式精錬の国内連携を強化し、EV電池・定置電池の将来需要に回すクローズドループを確立。中国の動向(ブラックマス輸入規制の最適化)をにらみつつ、自国内の技術・設備投資を促す政策金融が肝要です。Reuters



5. 生活者・事業者は何をすればいい?

  • 消費者

    1. ごみ袋に入れない(混入が火災の主因)、2) 端子をテープで養生、3) 家電量販店や自治体の回収拠点に持ち込み、4) 通販で買った製品は販売サイトの回収案内を確認。自治体キャンペーンや広報を**「見たら回す」**を習慣化。city.inagi.tokyo.jp

  • 小売・ECプラットフォーム
    店頭・返品導線に回収を組み込む。危険物物流の要件に合わせ、安全梱包資材・ラベルを標準化。“回収でポイント”などのインセンティブ設計も有効です。

  • メーカー・輸入事業者
    EPR対応の基金/拠出スキーム、製品の取り外し容易化、DPP/QRのデータ基盤整備を前倒しで。国内前処理・製錬との長期契約で再生材の安定調達を確保すると、EU調達要件にも適合しやすくなります。EUR-Lex



6. よくある疑問(FAQ)

Q1. いつから始まる?
年内に対策方針を整理するとの報道。法改正・省令整備→周知期間を経て、段階導入が現実的です。自治体・事業者の準備行程を考慮すると、2026年前後からの本格施行の可能性があります(※正式時期は今後の政府決定次第)。名古屋テレビ〖メ~テレ〗


Q2. どの製品が対象?
モバイルバッテリー・加熱式たばこ機器・小型ファン等、電池内蔵の小型製品が想定。ハンディファンはすでに指定再資源化製品への指定を検討すると報じられています。The Japan Times


Q3. なぜ厳格化するの?
火災事故の多発とレアメタル回収のため。国内資源循環の強化は経済安保と脱炭素サプライチェーンの双方で重要です。city.inagi.tokyo.jp


Q4. EUや米国との違いは?
EUは包括法+数値KPI+DPPで最も厳格。米国は州EPRが主体で、カリフォルニアが電池内蔵製品まで広げる先進例。日本は今回の義務化で制度の骨格を近代化し、設計標準とトレーサビリティをどこまで織り込むかが焦点です。EUR-Lex+1



7. 展望:日本発「安全×循環」の実装力

日本の強みは現場運用のきめ細かさと製造業の設計力です。Eco-design+安全運用+DPPを中小企業まで浸透させれば、事故を減らしながら資源を国内で回せるモデルになり得ます。EU調達要件に適合する再生材の品質保証やサプライチェーン・データ連携は、輸出競争力にも直結します。制度設計のスピード感と現場の実装支援(補助・税制・人材育成)が、次の勝負どころです。経済産業省

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