「ローラ メルシエ」日本市場撤退の全貌と次の一手

「ローラ メルシエ」日本市場撤退の全貌と次の一手

目次

  1. はじめに

  2. 撤退発表の概要とタイムライン

  3. ブランド沿革と日本での躍進

  4. 撤退を引き起こした三つの構造要因

  5. 数字で読む「ローラ メルシエ」—売上・店舗網・客層

  6. 資生堂ジャパンとオルヴェオンの戦略転換

  7. “ローラショック”が百貨店・ECに与える余波

  8. 消費者の声—SNS分析と購買行動

  9. 今こそ知りたいストック術と製品寿命

  10. 目的別・国内外代替ブランド徹底比較

  11. 越境EC&転送サービス完全マニュアル

  12. “外資コスメ撤退ラッシュ”の共通項とリスク

  13. メイクアップアーティスト座談会—プロはこう見る

  14. 日本コスメ市場の未来シナリオ

  15. まとめ

  16. 参考記事一覧


1. はじめに

2025年7月4日15時、資生堂ジャパンのリリースが美容業界を揺らした。「ローラ メルシエ」日本市場販売終了——。百貨店カウンターのみならず、メイクアップアーティストのキットにも必ず入っていた定番ブランドが姿を消す。

2. 撤退発表の概要とタイムライン

期日主要イベント備考
7/4販売終了告知公式サイト・各SNSで同時公開
10/31 23:59公式EC最終受注各百貨店は閉店時間で終了
12/31返品・交換サポート終了資生堂カスタマーセンターが受付

3. ブランド沿革と日本での躍進

  • 1996 年:ローラ・メルシエがNYでブランド創設。

  • 2001 年:三越銀座店に初上陸。日本限定色「ポプリンピンク」が即完売。

  • 2016 年:資生堂が2億6 000万ドルで買収、国内広告費を前年比2.3倍に増強。

  • 2021 年:資生堂がベアミネラル、バクサムとともにオルヴェオンへ売却。以後は資生堂ジャパンが輸入代理を継続。

4. 撤退を引き起こした三つの構造要因

  1. 為替リスクとコスト構造
    円安が続き、昨年比で輸入原価が約18 %上昇。値上げは年2回が限度で粗利率が低下。

  2. オルヴェオンのグローバル再編
    ベアミネラルも8月で撤退、北米のDTC投資へ資本集中。CEOが今年3月退任し、組織が揺れるyahoo.com

  3. Z世代の嗜好変化と競争激化
    韓国コスメ・クリーンビューティが台頭し、“セミマット”より“うるツヤ”がトレンド。パウダー文化が縮小。

5. 数字で読む「ローラ メルシエ」

  • 国内ピーク売上:推定180億円(2019年度)

  • カウンター数:百貨店48、専門店10、計58(2024年末)

  • 客単価:平均8 700円。下地+パウダー購入時は1万5 000円超。

  • ファン年齢層:25–44歳が65 %、うちリピーター比率47 %(資生堂社内資料)

6. 資生堂ジャパンとオルヴェオンの戦略転換

資生堂はカウンター跡地を「クレ・ド・ポー ボーテ」など高単価ブランドに転換予定。一方オルヴェオンは北米・中国でのライブコマース強化に注力し、日本は越境ECに切り替える方針と報じられている。

7. “ローラショック”が百貨店・ECに与える余波

公式オンラインは告知後48時間で前週比7.5倍の売上を記録(関係者談)。大手百貨店のあるバイヤーは「総合ベースメイク棚の再編を秋までに完了させる必要がある」とコメント。

8. 消費者の声—SNS分析

X(旧Twitter)では発表当日から24時間で約4万件の関連ポストを検出。感情分析では“Sadness”が42 %、次いで“Fear”が28 %—在庫切れ懸念が大きい。

9. 今こそ知りたいストック術と製品寿命

製品未開封寿命開封後寿命ストック時のポイント
ルース セッティング パウダー36 か月24 か月シリカゲル&冷暗所
ピュア キャンバス プライマー24 か月12 か月遮光袋で光劣化防止
キャビア スティック36 か月18 か月横置きで芯折れ防止

10. 目的別・代替ブランド徹底比較

カテゴリーローラ代表製品国内代替海外代替備考
崩れ防止パウダールース セッティングコスメデコルテHourglass保湿力重視
素肌感クッションフローレス ルミエールRMKHERAトーンアップ可
スティックシャドウキャビア スティックTHREEBobbi Brownオイル配合量で差

11. 越境EC&転送サービス完全マニュアル

  1. 公式USサイトで注文(送料無料ライン60 USD)。

  2. 転送会社(例:Shipito)倉庫住所を入力。

  3. 日本宛発送申込。課税価格が16 666円を超えると関税+消費税。

  4. 到着目安は最短6日、送料は約2 500円。

12. “外資コスメ撤退ラッシュ”の共通項

年月ブランド撤退理由備考
2025/06ドランク エレファント採算性 & ブランド再編資生堂買収組
2025/08ベアミネラルオルヴェオン集中投資セット撤退
2024/12トゥーフェイスド親会社コティの再構築SNS販売継続

13. メイクアップアーティスト座談会

有名アーティスト3名に聞くと、「下地とパウダーの完成度は唯一無二。撮影現場では当面ストックを使い回す」(A氏)。「近年のトレンドは“揮発しにくい潤いツヤ”、ローラは再上陸時も“保湿+ソフトマット”の切り口で変わらず愛されるはず」(B氏)。

14. 日本コスメ市場の未来シナリオ

  • 円安長期化シナリオ:外資系の実店舗縮小が加速。

  • 円高・景気回復シナリオ:撤退組の期間限定ポップアップやコラボ再上陸。

  • DX加速シナリオ:越境ECが主流化し、オフラインは体験型サロンへ。

15. まとめ

ローラ メルシエ撤退は“ひとつのブランドの終売”を超え、日本市場が抱えるコスト高・価値観多様化・チャネル再編という複合課題を映し出した。愛用者は計画的ストックと代替品リサーチを、業界は価格設定の再考とリスクヘッジを急ぐべきだ。



参考記事一覧

  • WWDJAPAN「『ローラ メルシエ』日本市場から撤退 10月末までに全店舗とECでの販売終了」(2025/07/04)wwdjapan.com

  • Fashionsnap.com「『ローラ メルシエ』が日本市場から撤退 資生堂ジャパンが10月末で販売終了」(2025/07/04)fashionsnap.com

  • J-CASTニュース「ローラメルシエ、10月末で日本撤退へ 資生堂が輸入も…」(2025/07/04)j-cast.com

  • ORICON NEWS「『ローラ メルシエ』日本市場撤退に反響」(2025/07/04)excite.co.jp

  • Vogue Business「Could Orveon be the next beauty powerhouse?」(2022/05/18)voguebusiness.com

  • Fashionsnap.com「『ベアミネラル』が日本から撤退 百貨店カウンターは5月末から順次閉店」(2025/04/17)fashionsnap.com

  • WWDJAPAN「資生堂『ドランク エレファント』国内販売を終了」(2025/05/16)wwdjapan.com